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サイドストーリー:坂崎羚 その3

まずは、すぐに次話上げるといいつつ上げれなくて申し訳ないです。

 羚はスーパーによって食材やら何やらを大量に買い込んで会社に戻った。


「今帰った。すまない、ちょっと買出ししてたんだ。それで状況はどうだ?」

「はい、順調です。今度は範囲がだいぶ絞り込めたんで別の条件を追加しました」


 説明すると長くなるという事だったのだが羚は会議室で話を聞くという事で説明を受ける。聞くだけで頭の痛くなるような説明にもかかわらず集まった人達は皆、真剣に話を聞いていた。


 説明やこれからの事を決める。2時間ほどで全てを説明し終わり、会議室を後にする。どうやら計算完了まで5時間程かかるみたいだ。


 羚は、社員を一度全員呼び寄せ何食わぬ顔で言った。


「お前ら、何が食いたい?」

「えっ!?いや」

「はぃはぃ!!私、社長のオムライスがいい!!」

「ちょっ!?おまっ!!一応社長なんだから、もうちょっと……」


 仲良き事は美しきかな。大企業のトップに対して使う話し方ではないのだが、これはいつもどおりの事なのだ。


 始めはもっとカッチリとした社員も多かったのだが、燐を仕事に使える様になり会社にも顔を出すようになってからは雰囲気が変わっていった。


 羚は今の風景を見て、手助けしてのは自分ではなく燐ではないのかと思ってしまう。おそらく燐は放って置いても信頼を得て仕事を成功させただろう。


 料理だってそうだ。元々は燐が羚に教えて、それを社員の皆に腕を振るう機会を設けてくれたからこそ今なのだから。


「オムライスかぁ~。よっし!次だ!!」

「えっ……じゃぁ……本当になんでもいいんですか?なら寿司が食べたいです!!」

「寿司か!!なるほど……っといいたいところだが、予測済みだ!!」

「あはは、読まれてましたか」


 次々と羚は集めた社員の食べたい物を聞き、出来うる限りの要望は聞いた。さすがにケバブがいいという社員には脳天に手刀を食らわせておいた。


 何人かの女子社員が手伝うと申し出てくれたが、羚は柔らかく断り休憩していてくれと伝えた。


 時間にすると結構な時間が経っていたが、要望をほぼ全部聞いたんだしょうがない。計算も終わっていたが、まずは食事を運んでいった。


「うわぁ~……おいしそう!!」

「さすが、社長ですね!!」

「ふふっ」


 休憩室いっぱいに並べられた料理を前に、それぞれ皿を構え久しぶりのまともな食事を始めた。普段はコンビニや冷凍食品で済ませていたので、久しぶりのおいしいご飯に幸福顔に皆なっていた。


 きっと料理は世界を救う最強の武器に成りえるだろう。


「やっぱ、おいしいですね!!」

「うん!!私も腕を上げたと思います!!でも……燐さんには遠く及ばないよね?」

「だな。あれに比べたら、まだまだ社長の料理はアマチュアだよな」


 羚も燐の腕は知っている。知っているが、それとこれとは話が別だ。羚はそっと水を注ぎ分け社員にまわした。


 ただのミネラルウォーターなのだが、体に染み入るとみんなほっこりとしている。その中で数人、むせ返っている社員がいる。


「げほごほっ!?この水……ごほっ!辛いんですけど!?」

「辛い?俺達のはそんな事ないぞ?」

「……」


 羚がにまにまとした笑みを浮かべながら、何人かの社員を見ていた。


「おいしいだろ?その水」

「はい、すいませんでした。社長の料理はとてもおいしゅうございました」


 頭の回転の速いやつが、すぐに状況を把握し謝罪した。別に羚も本気で怒っているわけではないので、ただの……お仕置きみたいなものだ。


 そんな姿をみた他の社員からは笑われながら、もくもくと食事は進められた。


 食事を終えると、片付けはみんなでする。別に羚がするといったのだが、頑なに手伝われてしまっている。


 皆でやれば片付けもすぐ済み、計算結果を確認することにした。結果、なかなかに良好な結果となった。


 17万という計算結果に比べたら、先が見えてくる数字。該当箇所は、700箇所と絞られた。


「やったな!!」

「あとこの中から、優先度の高いやつから順番に潰していけばいい訳か……余裕だな」


 それでも10日程掛けて絞込みと再計算を続けた。そして、ある一定のパターンがある事に気付き、それは省いておく。すると該当箇所が100以下まで絞り込む事に成功した。


「よし!!これだけ絞れたら問題ないだろう」

「そうですね。でもこれすごいですよ?空間把握能力どころか、3D空間を正確に頭の中で構築してますね」

「だろうな……燐がロールケーキとか切る所を見た事あるか?なんの躊躇いも無く人数分、等分に切り分けるんだぞ?」


 一瞬みんなの背中がぞわぞわっと栗立った。苦笑いを続ける羚に、説明を続けた。


「それだけじゃないですね。これは一種の超難題のパズルですね」

「というと?」

「人間一人の力だけじゃ解けないレベルの内容です。一言でいうと、燐さんは一種の天才という事になりますね」


 羚は今はいない友人を誇らしげに思えばいいのかどうか困った顔をしている。お互い何でも知っているつもりだったけど、まだまだだなと笑った。


 数日後、羚は道具を揃え調査に向かう。社員にはマニュアルで決めたとおり、頑張ってもらうことにした。


 勿論これで燐を見つけられる保証なんてない。それでも羚はなんとなくだが、燐に近づいている……そんな気がしていた。


 そして羚は見つける。燐を異世界へと導いた、光差さぬ深淵の入り口を。


 ここから始まる……羚と燐の異世界生活が。

いつも読んで下さり有難うございます。

感想・意見・誤字報告ありがとうございます。


羚のサイドストーリー第3弾!!いかがだったでしょうか?

早足でしたけど、これで羚も異世界にいく足がかりを手に入れました!!

けど、本編で登場するのはもうちょっと待ってくださいね。

あと、この話の締め方……どうしても某作品を連想しますね。


それでは次回更新でまたお会いしましょう。

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