06 お前らさっさと付き合えよ
ある日。イベントに向けて、生徒会室で書類仕事を片付けることになった。
だが。
「なあなあ、俺やる気でないから抱き着いて良い?」
「だーめ、ちゃんと仕事にとりくみなさい」
こいつらがいると、気が散る。
存在が邪魔。
「そんなわがまま言ってると、口きいてあげないんだから」
「えっ、そんな事いわずに。話しができなくなったら、俺たぶん死んじゃう」
あと、後処理が面倒くさい。
生徒会の仕事を手伝わせるために、幼なじみ(馬鹿)と幼なじみ(お嬢様)を呼んだは良いけど、害しかなかったようだ。
「おい、まず馬鹿。とりあえずお前外でてろ」
「何で俺だけ!?」
「真面目に仕事してないからだろ、お前が喋り出すと気が散るんだよ!」
「えーっ」
人の視界の中で、桃色のオーラまき散らしながら好きな相手にちょっかいかけたり、鈍色のオーラ放ちながら落ち込んだりするなって言ってんだよ。
「そこをなんとか。これからはちゃんと頑張るから、一緒にいさせてくれよ」
「私からもお願いヨルン。ふざけないようにしっかりと見張ってるから」
「あなたがそう言うなら」
でも、お嬢様の方が甘いから結局は追い出しきれない。
で、さすがに注意された後は真面目に仕事しだすんだけど、今度は。
「あっ、ここ間違ってるわよ。作業やりなおし」
「えっ、あっ本当だ。さんきゅーな。うっ」
「どうしたの」
「いや、ちょっと顔近くね、っと思っただけで」
「あら、顔が赤いわよ。熱あったの?」
「うわわっ、ちょっおでこくっつけて熱測ってくれるとかこれ誰得!? 俺得だった!?」
真面目に(本人達的には)そして無自覚にいちゃつきだすから困る。
お前ら、もうさっさと付き合えよ。
僕は、資料の束を持ってその部屋から。桃色空間ができあがっている中からさっさと退出する事にした。
別の部屋で作業しよ。