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普通の学園生活って何ですか?  作者: 有木千夏
第二章 『境界に踏み込む者たち』
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クラスメイト

「さて、今日は学園生活初日の授業という事で、顔合わせの意味も込めてA組とB組の合同授業としました。授業を始める前に、まずは皆さんの自己紹介をお願いします。廊下側、一番前のあなたから順番に横へお願いします」


 夕霧先生は黒髪ツーブロックの男子生徒綾波(あやなみ)優斗(ゆうと)を見てそう言うと、優斗は立ち上がり皆の方を向き自己紹介をする。


「初めまして、俺の名前は綾波優斗だ。趣味は特に無い。これからよろしく頼む」


 優斗は席に座ると、続いて隣にいる男子生徒別府(べっぷ)敏文(としふみ)が立ち上がる。

 短い茶髪は四方八方に跳ねていて、爆発していると言った方が近いかもしれない。


「俺の名前は別府敏文だ! 趣味はマンガを読む事とか、あと遊ぶ事だな。皆、これからよろしく!」


 腰に手を当て片手で挨拶をする敏文が自己紹介を終えると、次は鳴子が立ち上がる。


「初めまして、私は斎藤鳴子! 好きなことは運動すること。皆、よろしくな!」


 鳴子が座り麻耶が立ち上がると、なぜか天羽をにらみつける。

 まるで、余計なことを言うんじゃないとでも言っているかのような目つきだったが、果たして……?


「初めまして、私は凛堂麻耶よ。趣味は……そうね、野鳥の観察かしらね」

「「嘘つけ」」

「ふんっ……!」

「あだっ!」

「いっ!」


 天羽と鳴子が小声でつぶやくと前に王様ゲームで使った棒を投げつけられ、二人してぶつけられたところを手で押さえる。

 清楚(せいそ)キャラを演じようと思っていたようだが、無意識に出てしまった反撃のスキルで台無しになってしまっている。

 蒼葉が苦笑いでこちらを見ていると、麻耶はそれに気が付いて苦笑いで返し、


「あっ……こ、これからよろしくおねがいするわ、ね」


 麻耶を知らないB組の生徒や瑠璃子、ナンシー、フェルンにまでいろいろな視線が麻耶に送られている。

 普通の学校だったら即、(いじ)めの対象になりそうだ。

 次に真ん中廊下側の女子生徒エレーナ・ヴィオ・レルタが立ち上がる。

 髪色はフェルンと同じような銀髪でショートヘアー、こちらは麻耶と違い本物の清楚キャラに見えた。


「初めまして、私はエレーナ・ヴィオ・レルタと申します。気軽にエレーナとお呼びください。趣味はお花の観察とお菓子を作ることですわ。皆様、よろしくお願い致します」


 エレーナは柔らかい声で自己紹介をし深々とお辞儀(じぎ)をして席に座ると、隣の女子生徒針城(はりしろ)紅花(こうか)が立ち上がる。

 ミドルヘアで黒髪だが毛先が赤く、エレーナとは正反対の男前な雰囲気だ。

 紅花は皆の方を向いて腕を組みながら自己紹介を始める。


「あたしは針城紅花! ここで会ったのも何かの(えん)だ、喧嘩(けんか)だったら負ける気はしねぇから、何か困った事があればあたしが(こぶし)で解決してやる! 頼りにしてくれよなっ!」


 男勝りな紅花は満面の笑みで自己紹介を終わらせ座るのを確認すると、回ってきた天羽は立ち上がり自己紹介をする。


「俺の名前は麗城天羽だ。趣味と言えるようなことは無いけど、体を動かす事と寝ることが好きだ。これからよろしく」


 天羽が座るとフェルンは緊張しながら立ち上がり、ガクガクしながら自己紹介を始める。


「わ、私は、フェ、フェルン・ヴァリオス、です。しゅ、趣味は特にありませんが、その、天羽さんと一緒にいる事が好きです……」

「なっ! おい、フェルン!」


 顔を赤らめているフェルンにすぐさま突っ込むと、前の人たちも横も後ろも先生まで二人に注目が集まった。

 教室がざわつく中、はっとした蒼葉が手を叩いて静かにするように皆に言うと、おりこうさんな皆は静まってフェルンが両手で顔を隠しながら座る。

 まったく、と天羽はフェルンを苦笑いで見る事しかできなかった。

 フェルンが座ると廊下側、一番後ろの女子生徒畑槻(はたつき)朱里(あかり)が立ち上がる。

 短いツインテールで黒髪だが、ツインテールの根本部分から先がエメラルドグリーンになっている。

 不思議な染め方をしているのか、フェルンと同じように能力の関係で髪色が変わったのだろうか?


「皆さん初めまして、私は畑槻朱里です。趣味は音楽を聴く事です。これからよろしくお願いしますね」


 朱里はお辞儀をして座ると、隣の金髪ショートヘアーの男子生徒坂本(さかもと)竜二(りゅうじ)が立ち上がる。

 どうやら天羽たちの他にも男女のペアがいたみたいだ。

 少し微笑む天羽は心の中で仲間が出来て少し嬉しいと思った。


「初めまして、俺は坂本竜二です。趣味は動物と遊ぶことです。これからよろしくお願いします」


 意外な趣味を持っているが、今後の事も考えて男女ペア同士仲良くしておいた方が悩み相談などで助けてくれそうだ。

 坂本が軽くお辞儀をして座ると、瑠璃子が立ち上がり自己紹介をする。


「初めまして、私の名前は宮本瑠璃子です。趣味は読書です。これからよろしくお願い致します」


 瑠璃子はエレーナのようにお辞儀をすると、席に座ると同時に最後のナンシーが立ち上がる。


「初めましテ! 私の名前はナンシー・ハーホン・ヴィクトリアデース! 趣味は体を動かすこと、そして友達と遊ぶことデース! これからよろしくお願いしマース!」


 全員の自己紹介が終わりナンシーが座ると、蒼葉は教卓の中からプリントを出して皆に配る。


「はい、皆さんありがとうございました。皆さんはこれから五年間、長ければそれ以上の付き合いになることでしょう。暴力で解決するのはどうかと思いますが、針城さんが言ったように困りごとがあれば皆さんで助け合ってくださいね。それでは、これから配布物を配ります。前の席の皆さんは後ろへ回してください」


 そう言うと、蒼葉は時間割が書いてあるプリントと能力の使用に関するプリントを数枚配って話を始めた。

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