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超加速する完全無音世界  作者: 主道 学


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エクシード・ザ・リミット

 過労死寸前のアラームが頭と腹の中でけたたましく鳴り響く。


 相変わらずの残業の毎日だ。たまに土日祝日出勤で、家に着く頃には深夜で、それから早朝には出勤するという異常事態だ。


 身体と心は当然、崩壊寸前。

 

 だが、今まで遅刻も欠勤もないから不思議だ。


 そんな日々の連続の中では、人の心や身体は容易く終焉を迎える運命なのだろう。


 だが、一つだけ疑問を呈したい。それは本当に運命なのか、それともただの宿命なのかと……。


――――


 会社から急いで駅まで走り抜いてから、無人駅のような駅構内へと踏み込む。それから、辺りの静寂と凍えるような寒さを噛み締めながら、ベンチへと座った。


 毎日の決められた行動だった。


 しかし、今日に限ってはベンチでホットココアを飲みながら、10分だけ一息入れようという誘惑が強かった。


 定時をとっくに過ぎてから、何気なく去年のクリスマス・イブに買った腕時計の針を眺めると、社内の壁に設置された時計が数十分速いことがわかってからか?


 そして、大慌てで会社から飛び出したからだろうか?


 会社から飛び出す前に、呑気にオフィスの自動販売機でホットココアを買っていたせいだろうか?


 それから、相当急いで駅までの距離を一っ跳びしてしまったのが原因なのだろうか?


「13番線に停車中の列車は、0:40発普通水戸行きです。この列車は最終です」


 駅構内のアナウンスで、目が覚めた。


 ベンチで10分ほど休んでいたら、軽く寝てしまっていたようだ……いや、正確には意識を失っていたようだ。

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