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8—1


 ライブが大盛況で終了し、7日が経過した。


 アイドルグループ″ルピナス″は王都でも話題になり、是非王都でもライブをと声をかけられる事も。


 メンバーは一旦ヒメの城で羽海(うみ)の回復とイアが立ち直るのを待つ事になり、しばらく滞在する事となった。



「おはよー」


「おはよー、もう昼飯時だよ」


 眠たい目を擦りながら柑奈(かんな)が食堂に来ると座席に着いた莉衣奈(りいな)が出迎えた。


「あれ、他の皆んなは…?」


「ダンスレッスン、ボイトレ、昼食の用意に王都に出掛けたメンバーとか…あと何人かとどっかでまったりしてるんじゃないかな」


「レッスン?」


「久しぶりのライブでミスしたからだって」


「あー……莉衣奈ちゃんは何してんの?」


「昼食待ち! 何故かキッチン追い出されちゃった」


 莉衣奈は普段料理をしない分、下手とか上手いとかは不明だが、見ていて危なっかしいそうだ。


 柑奈はキッチンには一切立たないので聞いた話なのだが。


 ちなみに、キッチン担当は潤葉(うるは)優帆(ゆうほ)汐梨(しおり)である。


 そこへバアアンと勢いよく扉が開かれて誰かが入って来た。


「うさぎちゃん!」


 正面に居た莉衣奈がその名を呼ぶと、対面に座っていた柑奈も振り返る。


「あれ、うさぎじゃん久しぶりー」


 険しい顔で、うさぎはズンズン入って来て周囲を見回して莉衣奈の顔を見た。


「ここに誰か来ませんでした?」


「いや、柑奈ちゃんと二人きりだけど?」


 するとうさぎは唇を噛み締めて踵を返す。


「あの、何事?」


「時間無いので失礼します」


 莉衣奈の質問に答えず出て行こうとした所に、更に3人がやって来た。


 風香(ふうか)真希(まき)とセミノである。


「こちらが食堂になります…あ、うさぎ先輩」


 風香は出て行こうとしたうさぎと、ぶつかりそうになる。


 うさぎは風香を無視して後ろにいる2人に話しかけた。


「この城の周辺を警戒して! アイツが出て行かないか見張らないとっ」


「だったらお前の妖精を使えよ。私らより便利で信用出来るんだろ?」


「……っっ」


 真希の言葉にうさぎは拳を握り締めると早足で出て行った。


「何だったんだ? あいつ……」


 柑奈が扉の向こうを見るが、うさぎの姿は見えない。


「リーダー!! 会いたかったですよ〜〜!!」


「テーブルに乗るな」


 セミノが莉衣奈に抱きつこうとしたが、間の長テーブルがそれを阻むが、お構いなしに乗り越えようとしたので、真希はそれを止めた。


 その後、互いの近況を報告し合った。


「城を出せるなんてヒメっち凄いなー」


「だよねー」


 キョロキョロと天井や壁とかに視線を巡らせるセミノに柑奈はニコやかに紹介をしていた。


「それで、どうしてここに?」


「うさぎの奴を追っかけてですね、アイツが追ってる奴でも出たのかと思ったんです」


 以前に訪れた、高い外壁で囲われた街。


 通行料で高額をふっかけられるという、それはうさぎの偽物が仕組んだモノだったが。


 結果、その犯人をうさぎは今でも追い続けているのだとか。


「姿は私たちからは確認出来なかったんで、本当かわからないんですけど」


 うさぎは真希とセミノを近づけさせないように、距離を置いていたそうだ。


 妖精で居場所を確認しては隠れて居たとか。


 しかし真希たちはセミノの虫を使って居場所を突き止めていたのである。


「風香ちゃんは入口で?」


 真希の隣の席に座る風香に視線を向けると、頷いた。


「素振りを終えて戻って来た所にお二人が来たので案内しました」


「あの事件の犯人って、誰かに変装とかするタイプだったよね」


「そーそー! リアちゃんに化けたりして滅茶苦茶だったよ!」


 柑奈が割って入って来た。食堂内の案内は終わったようだ。


 敵の変装と勘違いしたうさぎに攻撃されたとか。柑奈は当時を振り返っていた。


「誰かに変装してるなら、確かめに行かないと」


 莉衣奈は立ち上がり、柑奈と真希と風香、セミノの5人で食堂を後にする。


 行く前にキッチン担当に報告しに行ってから、城内に居るメンバーの元へ向かうのだった。



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