7—22 チームB+その2
私の名前はアーニー。
この国の王族にお仕えする使用人。
王妃様が先立たれ、王女様は何処ぞの勇者と駆け落ち。そして国王は病に倒れて寝たきり。
この国はお終いだ。そう思ったその時現れたのだ。
王族にしか手に入らない、扱えないとされる指輪を手にしたお方が。
その方はすぐに姫様として国王の代わりにトップになられた。
見た目は幼く、まだ少女のようではあるが、時折凛とした表情で頼もしい場面も見られるようになった。
私は、お世話係として一生姫様にお仕えしよう。そう誓ったのだ。
愛らしくて目が離せない。
初めてそのお姿を拝見した時は感情を表に出さなかったお姫様。
初めて笑顔を見せたのは戦闘訓練の時。
私は元々、孤児院の出だが。この城に来たのは幼少期、戦闘訓練はその時から受けています。
姫様に勝つ自信はある。
その武器を目にするまでは。
姫様の身体よりも大きなハンマー。
常人では持ち上げる事は不可能だろう。
鍛え抜かれた筋肉があるようには見えない。
しかしそれを軽々と持ち上げたのを見て、もしかしたら見てくれだけのハッタリの可能性を考えた。
先端の尖ったハンマーは、見た目通りなら地面を抉る威力だろう。
訓練が始まると同時に姫様はハンマーを振り上げ、私は右側へと走り先制攻撃をしようと細剣の突きを繰り出した。
ゾクッ
その瞬間、私は地面に転がっていた。
本能的に危険を察知したのか、無理矢理に身体を捻り方向転換した結果だろう。
先ほどまで自分が居た場所にはハンマーが振り下ろされ、地面が大きく抉れていた。
恐怖を覚えたのと同時、姫様の笑顔に思わず自分も笑いが溢れているのに気付く。
私はこの時、どんな感情だったのだろう。
それから徐々に笑顔が増えて、私も楽しく過ごせたのだ。
いつまで続く?
いや、ずっと続いて欲しいと思えるほど私たちは通じ合えたのかもしれない。
姫様は戦闘が好きだった。
巨人の目撃情報が届いた時にもの凄いやる気で騎士団の隊の殆どと自分自身が、現地に向かったほど。
結局、巨人と遭遇する事もなく、しかしいつ現れても対処出来るように準備している。
本日知らない女性が姫様に接触して来た。
姫様は外から来たお方。知り合いが居てもおかしくはない。
しかし姫様は知らないご様子だったので、少し安心した。
そういえば、姫様はここに来る前の話をされた事がない。
何気なく話題にしてみると、覚えていないとの事。
意外な事実に驚いた私は、ある予感がしたのだ。
もしかして、指輪が関係しているのか…?
私は指輪について調べる事にし、城中の書庫や国王の寝室にお手伝いという名目で立ち入り書籍等を調べた結果。
王族となる代わりに、それ以前の記憶を失う可能性がある。
という事実が分かった。
そもそも、王族の家系で築かれて来たのだから外からの人間に資格がある可能性など考えようも無い。
ならば、この記述はなんなのだろう。
最悪の事態を考えるならば、昼間の女性が本当に知り合いで、もし姫様が指輪を外す事になって……姫を辞めて出て行く事。
それだけは、絶対に嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
私は———




