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天使とサイナス  作者: 七数
2章 【番】
20/56

18話 「手合わせ」

強く地面を蹴り、渾身の一撃を入れるが相手は両手の短剣を合わせて私の剣を止める。

そして、次はこちらの番だと言わんばかりに攻撃を仕掛けてくる。

素早い剣技を正確に見極め、剣を振るうが片方の短剣で防がれてしまう。

そして、もう片方の短剣を首に突きつけられる。


「参りました…」


「俺の勝ちだな」


北の闘技場で私とディシは手合わせをしていた。

選手入場口辺りでアビス師匠が腕を組みながら私とディシの手合わせを見ていた。


「1勝5敗ですか…やはり、ディシさん強すぎますね」


「いや、それよりも俺はミリィノに1本取られたことの方が驚きだ。」


「ですがその1勝はディシさんは短剣ではなく普通の剣でした。得意と不得意では大きく違いますから…」


「それでも成長ぶりはすごいと思うぞ。

前は普通の剣でも俺が確実に勝っていたからな。

それに、ミリィノは任務後だろ?

今日はスクリムシリを多く相手をしていたと聞くし万全ならもう少し結果は変わるかもな」


「だといいですけど。

最近、私は自分がこれ以上成長できないんじゃ無いかって思い始めているんです…」


「安心しろ、人は成長が止まることは無い」


アビス師匠が歩きながらそう言う。


「アンジもカウセルも常に成長し続けている。

俺だって成長をしている」


私とディシはお互い目を見開き、見つめ合う。


「なんだその顔は」


「いや、これ以上成長して師匠は世界を支配したいのかなって」


「バカ言うな。精神的な話だ」


実際、これ以上アビス師匠が強くなったら周辺の国なんて1人で滅ぼせるだろう。

守恵者全員で何とか倒せるかどうかの話になってくる。


「見た限り、お前たちは変わろうとするのを恐れている。故に自分の戦い方にこだわり続けてしまって、戦闘の視野が狭くなり予想外の事態に即座に対応出来ていない。

カウセル、お前は一つ一つの攻撃に力を入れているみたいだがそれだとお前の自信のあるスピードを活用しきれていない。

アンジ、相手の行動パターンを見ての攻撃では無く自分の直感がままに動け。

ワンテンポ遅れているがために敵に隙をつかれやすくなっている。」


この6回の戦闘でしっかりと私たちの弱点や修繕点を指摘してくる。

さすがと言ったところだろうか。


「今言われたことを的確にこなせるようになったらどんな強敵にも勝てるようになりますか?」


「…カウセル、覚えておけ。自身の欠点を克服するのみが強くなるだけでは無い。

脳、神経、血管、体のあらゆる機能の流れをひとつの事へ一致させる。

それさえ出来れば天恵が無くとも天帝にだって勝てる。

意思 に頼りすぎるな。相手の予想外で攻めろ。」


強くアビス師匠が言う。

昔、まだ騎士団に入りたて今よりずっと弱かった私がアビス師匠に常に言われていた言葉。

あの時は、まだ意味がよく分かっていなかったが今なら痛いほど分かる。

スクリムシリ 破 は常に自分の予想を超えた動きをしていた。

その予想外の動きの隙をつかれて私はピンチに追い込まれていた。

サイナス を使って技術と能力の差で押し切ったが使わなかったら負けていたかもしれない。


(予想外の動き…)


「カウセル、相手の予想外は考えてするものでは無い。

丁度いい、アンジとカウセル2人で俺にかかってこい。本気でな」


「2人でですか?」


水分補給をしていたディシが驚いた様子でそう聞く。


「なんだ?心配か?」


「いえ、あまりにもこちらが不利すぎる気がするので」


「なら、スタシアも入れてもいいぞ」


私はえ?と思いながら辺りを見渡すと低階級騎士団の客席のところにスタシアが座っているのを見つける。

目が合い、笑顔で手を振ってくれるので動揺しつつも手を振り返す。

いつからいたのだろうか…?


「スタシア入れてもあんまり変わらない気がしますけど…」


「なら2人で全力で来るんだな。サイナス の使用は禁止でそれ以外は使用して構わない。」


「了解です。」


そもそもサイナスを使ったとしてもアビス師匠には効かない。

天恵を分解する体質な為にスタシアの攻撃も一切効かない。そのため、近接戦闘が苦手なスタシアがいてもいなくてもあまり変わらないということだ。


私は剣を顕現させ、ディシも両手に短剣を作り出す。


「ミリィノ、俺の心臓とミリィノの心臓の鼓動の動きを俺の能力で合わせる。2人の身体能力を掛け合わせる。それを踏まえて動いてくれ」


「分かりました」


ディシの 結命の意思 は自身にバフを与えるだけでなく、鼓動を同調させた相手にも自身の身体能力を強制的に共有させることが出来る。

問題…というか個人的懸念点があるとすればディシが言った通り、普段の身体能力とは違うため動きにズレが起きてしまう可能性がある。

と言ってもディシの能力は初では無いため大した問題では無い。


私とディシは、仁王立ちをしながら手を後ろで組んで余裕そうなアビス師匠に向き合う。


「いつでも始めてくれて構わない」


「それでは、行きます」


天恵を使って開始の合図を作り出す。

パリン と割れると同時に私とディシは動き出す。

ディシが正面から行くのに対して私は後ろへ回り込み、下半身に向けて剣を振るう。

それと同時にディシは上半身に向けて短剣を振るう。

アビス師匠は私が本気で振った剣を側面から踏みつけて私の攻撃を防ぐと同時にディシの短剣を自身の手のひらに深く刺してそのままディシの手を掴む。

え?っと驚いてる暇もなくアビス師匠が空いたもう片方の手で目に見えぬほどの速度で私とディシの腹を殴り、私は剣から手が離れ後ろの壁に吹き飛び、

ディシはアビス師匠に手を掴まれているため後ろへ吹き飛ばず体が浮く。

私は体を天恵で強化しているが殴られた箇所が激痛で気を失いそうになる。

アビス師匠はディシの手を離し、ディシはアビス師匠の前で腹を抱えて痛がる。


「マーレン、2人を治してやってくれ」


手から血を流しながら客席で見ているスタシアにそう言う。




スタシアが能力を使い治してくれるが脳が先程の痛みを記憶したからかまだ殴られた箇所が痛い気がする。


「理解したか?相手の予想外をつく。

今回は分かりやすく手を刺させたがやりようによってはもっと他にある」


アビスは手を布で巻き、止血する。

スタシアの治癒が効かないがために自然治癒するまで待つしかないのだ。


「2人がもしスクリムシリだった場合、2人の腹に俺の手が貫通していたが流石に手加減をしてやった。

隙をつけば確実に命を奪える攻撃に繋げられる。

そこで隙をついたとしても決定打が疎かになれば意味の無いことだ。

予想外の行動をとることばかりに気を取られて攻撃を疎かにはするなよ」


「はい…」


昔より強くなっているはずなのに全く近づいている気がしなかった。


「アビス師匠…さらに強くなりましたか?」


「言っただろ?成長をしていると」


「俺たち守恵者全員でかかっても勝てないな…」


「俺に勝つ必要は無い。スクリムシリに勝てばな」


「そうだよ!2人とも!アビス師匠は化け物なんだから目標にしたらダメだよ!」


「言い方どうにかならんのか」


私はアビス師匠の強さとスタシアの冗談に少し乾いた笑いをする。


「それと知っている者もいるかもしれんが明日、騎士団派遣について話し合いをするとメアリー女王が仰っていた。

遅れずに来るように」


「「分かりました」」


「俺はこのあと、それの件についてやることがあるから今日は終わりだ。

続けるなら続けるでさっき言ったことを意識しろ」


そう言って闘技場の出口の方へと歩き出す。

私とディシはありがとうございました と言いながらアビスの背中に向かって頭を下げる。


「どうだった?アビス師匠」


スタシアが ご飯美味しかった?のノリで聞いてくる。


「勝てるビジョンが見えないな。いつもは手を抜いてもらっているのだと滲みじみと感じたな」


「はい…手合わせをするのは久々でしたが一生をかけても追いつける気がしません」


「じゃあ、次は私とする?流石に2対1は厳しいから1対1で」


スタシアの提案に少し頭を悩ます。

完全に能力1強のスタシア相手に近接戦闘専門の私とディシが相手するのはどうなのかと。

もし敵同士ならばスタシアが勝つと思うが、ただの手合わせとなるとこちらに分がある。


「流石に手合わせならスタシアが不利じゃないか?」


「ふっふっふ、舐めてもらっちゃ困りますよ!ディシくん!私はこう見えて手合わせも出来ちゃうくらい凄いからね!」


そういう問題なのかな?と思いながらも ならやるか とディシが前に出る。

私は先程アビス師匠が見ていた入場口まで下がり2人の様子を見守る。

スタシアは手には何も持たず、ディシは短剣を2つ顕現させる。

合図と共にスタシアとディシが同時に動き始める。

スタシアが両手を上にあげると地面から土と砂で出来た巨大な柱がまばらに何本も出現する。

これはディシが有利なのでは?と思ったがどうやらそんなこともなかった。

ディシは案の定、その柱を足場に素早く移動しながらスタシアに近づくがディシが次の柱へ乗り移るために飛んだ瞬間、空中にいる所を柱から鋭い攻撃がディシへ伸びていく。

短剣で叩き割るが全ての柱からその攻撃がディシの方へと伸びていく。


「意志『共鳴』」


ディシの攻撃を短剣で壊すが1本が右足に刺さる。

しかし、ディシの右足は無傷でスタシアの右足に穴が開き血が流れる。


「意志『愛憎』」


即時に回復をするとスタシアは今度は攻撃を曲げながらディシに放つ。

地面についたディシは上から降り注ぐ、先が尖った鋭い攻撃を全て剣で受けきる。

そして、瞬きの間にスタシアとの距離を詰める。



勝敗は…引き分けだ。

スタシアの首にはディシの短剣が間近にあり、

逆にディシの首には土と砂で出来た先のとがったスタシアの攻撃が伸びていた。


「相打ち、かな?すごいねディシくん!あの量を捌ききるなんて」


「スタシアも、あそこまでの技術があるとはな。」


私は見ていて2人のレベルの高さに驚愕してしまう。

恐らく私はスタシアの攻撃を捌くことは出来ても、

あそこで攻める判断はできなかったと思う。

攻撃を受け続けてジリ貧で私の負けになっていただろう。


「2人とも凄いですね…なんだか、レベルが違う気がしました」


「いや、多分だがミリィノの速さならスタシアの攻撃を壊すことなくすぐに間合いを詰められると思うぞ」


「そうだね、ミリィノちゃんは早すぎて攻撃が間に合わないかも。

その場合は別の攻撃を使うけど」


そうだ、さっき言われたのに忘れていた。

持ち前の速さを生かさないと意味が無いのに。

私の欠点がわかった気がする。

気持ちが弱いんだ。私じゃ勝てなかったという思考が良くないんだ。

勝てなかっただろう ではなく どう勝つ かを考えなければいけない。


「スタシアさん、私とも手合わせお願いします」


スタシアにそう頼むと もちろん! と返事をくれる。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

昨日手合わせをした疲労がまだ回復していない中で

ホールディングスの女王の間に来ていた。

既に、メアリー女王以外は揃っている。

守恵者、アビス師匠、ナルバン、聖者3人。

メルバル総戦の際に実力のある聖者の1人が人型によって重症にさせられてしまった。

重症にさせられたドンレルは全治4ヶ月な為、まだ療養中だった。

怪我自体はスタシアが治したのだが、まだ精神面で立ち直れていなかった。

本人は 必ず復帰します と言っていたが体は震えていた。

俺は ゆっくりで良い と声をかけておいた。

あそこまで追い詰められたことはドンレルも初だっただろう。

本人は悔しそうにしていた。


ドアが開き護衛兵と共にメアリー女王が入ってくる。

右膝をつけ、右手を胸に添えながら女王の座に向かって頭を下げる。

メアリー女王が女王の座の前に立ち、楽にしてください と言う。


「皆さん、本日は私の招集に集まって頂きありがとうございます。

聞いている方もおられると思われますが本日の話し合いではザブレーサ及びマリオロへの騎士団派遣についてです。」


メアリー女王は発言したあと、席に姿勢よく座る。


「ここからは俺が進めさせて頂きます」


アビス師匠が立ち上がり、女王の座の前にある数段しかない階段の横に立つ。


「一通りだが、ザブレーサへの派遣する騎士団員は決めてある。

決めるべきことはまず聖者を何人連れていくか。

そしてマリオロへ派遣する守恵者だ」


「ひとつよろしいでしょうか」


聖者長のゼレヌスが手を上げる。


「私から、提案があるのですが我々の国は決して余裕がある訳ではありません。

聖者が何人も派遣されていたらそれこそ余裕がなくなります。

アビスさんは向こうから派遣されてくる騎士団の指導でより忙しくなり普段の任務が手に負えなくなる可能性があります。

ですので、我々の3人のうち誰かがザブレーサへ行く代わりにできる限り聖者の派遣人数を減らすことは可能ですか?」


この提案は俺からもしようと思っていた物だ。

メアリー女王はあくまでユーランシーを第1に考えているため、自国の護衛力が低下するのはお門違いだ。

ゼレヌスの提案に俺は賛成だ。


「そうですね。その案を取る場合、アビスさんは今から聖者の人数を変更することは可能ですか?」


「はい、可能です。そうなると騎士団員の方でも多少の変動はあると思いますがよろしいですか?」


「はい、構いません。問題がなければその案でいかせてもらいます」


メアリー女王はその案を待っていたと言わんばかりに肯定する。

メアリー女王自身もこの案を望んでいたのだろう。


「そうなると問題は3人のうち誰が行くかだが…どうする?」


「それは私が行かせてもらいましょう。」


名を挙げたのはフライハイト・スバヌという、肉付きがよく聖者でありながらも剣の技術も騎士団内では上位に来るほどの男だ。

筋肉質な体からは想像できないほど俊敏に動くため、

聖者の中でもかなり近接戦闘を得意としている。


「聖者と騎士団員の人数を減らす分、両方に精通している者の方が良いと思われます。

私に任せていただきたいです」


「どうですか?アビスさん」


「そうですね、スバヌが適任かと思われます。」


「分かりました。それではフライハイトさんが指揮を取る形でザブレーサの方はお任せ致しました。

それでしたらザブレーサに守恵者は連れていく必要はありませんね」


ひとまず、ザブレーサの方は決まった。

問題はマリオロの方なのだが…


「マリオロへの守恵者派遣については私の方から推薦したい方がいます。

アレルさん、お願いすることは出来ますか?」


「俺…ですか?」


「はい。マリオロは大陸の中心であり重要国家。

より精密な任務が大事になってきます。

アレルさんの器用さならば慣れぬ地でのそのような任務にも上手く対応出来ると判断しました。

これは私の推薦であり、強制ではありません。

もし嫌でしたら公正に話し合いで解決するつもりなので行きたいか行きたくないか教えてください」


「行きたい…と言えば嘘となるかもしれませんが、メアリー女王が期待してくれているならばそれに応えたいです。

ですので、マリオロの件は俺に任せてください」


アレルは案外すんなりと受け入れたな。

メアリー女王に頼まれたら断るのは難しいだろう。

メアリー女王本人は強制ではないと言っているがアビス師匠やナルバンに後々なんか言われる可能性が高いからな。


「ありがとうございます!それと、必要であればアレルさんが望む守恵者と聖者以外の騎士団員から数名ついて来てもらうということも許可します。

そこら辺はアビスさんと話し合って決めてください」


「感謝します」


案外すんなりとこの話し合いは終わりを迎えた。

アレルが他の騎士団員を必要とするかどうかは分からないが1人くらいは連れていた方が楽だとは思う。

後で適当に勧めておくか。


話し合いが終わり、俺たち4人は一緒に外へ出る。


「アレルさん!どんまい!」


「気の毒にな」


俺とスタシアが慰めの言葉をかける。


「慰めなんていらん。指名された時は うわっ て思ったが、メアリー女王が期待してくれているならば喜んでやらせてもらうさ」


「アレルらしいですね!そういうところを買われたんですね!」


「そういえばアビス師匠と話すのはどうなったんだ?」


「後日、改めてホールディングスに来てくれとさ。

アビス師匠は先にスバヌさんとザブレーサの方の派遣数を確認しているんだろうな」


「アレルさん、長期任務久々じゃない?」


「そうですよね。あまり長期は好きじゃないって言ってましたし」


「なんやかんやユーランシーが気に入ってるからな。あまりこの国から離れたくないんだよ」


俺たち3人は 分かる と頷く。

まぁ、この長期任務はアレルのためにはなるかもしれないな。

人との付き合いが苦手なアレルがこの任務を通して、

人付き合いが少しは良くなれば良いなというメアリー女王の意図もあるのかもしれないな。

気がつけば日が沈みかけている。


「そーいえば!美味しいスイーツ屋さんがあるからみんなでそこ行こうよ!」


「良いですね!ぜひ行きましょう」


「男二人は〜?」


「まぁ、特に予定は無いし、聖者から緊急の任務も無いしな。アレルは?」


「俺は遠慮しとく。」


「おっけー!みんな来れるね!良かった!人数が多ければ多いほど割引効くんだ!」


「こいつ耳ついてないのか??」


笑いながらスイーツ屋がある西国へと歩き始める。

読んで頂きありがとうございます!

ヨーセル主人公なのにヨーセルの視点少なくない?と思うかもしれませんが安心してください!

ちゃんとありますので!

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