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社交界の毒婦とよばれる私~素敵な辺境伯令息に腕を折られたので、責任とってもらいます~【書籍化&コミカライズ】  作者: 来須みかん
【第三部】

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61/62

01 バルゴアの役人

【前書き】

おかげさまで【第三部】を書くことになりました!

応援してくださった方々、ありがとうございます。


いつもながら、書籍版を読んでいなくても分かるように書いていますが、多少内容に違和感があったらすみません!


ちなみに『バルゴア領での平和な生活』や『セレナとリオの仲良しな様子』は、書籍版のほうに書き下ろすようにしております。

WEB版は『問題が起こったところから、その解決まで』を掲載しています。


「それでもいいよ!」という方がいましたら、どうぞよろしくお願いいたします♪

今後は、5/9から【毎週土曜日の夜8:00】に小説を更新予定です。

 その日の私は、リオ様と一緒にバルゴア領内へお出かけしていた。


 時間が経つのはあっという間で、私達がバルゴア城に戻ったころには、太陽が山際に沈んだところだった。


 薄暗い城内を照らす明かりが、ゆらゆらと揺れている。隣を歩いているリオ様が、私に微笑みかけた。


「セレナ、今日はどうだった?」

「とても楽しかったです」


 領民と親しく交流したのは初めてだったけど、みんながこの土地を愛しているのが伝わってきた。それに、訓練で忙しい騎士見習いのコニーや、私の専属メイドであるアレッタとも一緒だったので、彼女たちの笑顔が見られたこともうれしかった。


 リオ様は「部屋まで送るよ」と言ってくれたけど、回廊を歩いているときに年配の騎士に呼び止められた。


「リオ様、少しいいでしょうか?」


 私は微笑みながら、リオ様の手を離す。


「ここまでで大丈夫です」

「しかし」

「コニーとアレッタがいてくれますから」


 離れることをためらっていたリオ様の背中を見送ったあと、回廊の向こう側から一人の青年が歩いてきた。


 青年のメガネに回廊を照らす明かりが反射している。書類を抱えているので、辺境伯にお仕えしている役人なのかもしれない。


 青年は私に気がつくと、すぐに道を譲って端に寄り頭を下げた。

 礼儀正しい方ね。なんて思いながら前を通った瞬間、青年が勢いよく顔を上げた。


「えっ! どうして、あなたがっ!?」


 素早くコニーが青年を押しとどめた。


「それ以上、セレナお嬢様に近づくな!」


 アレッタも私を守るように背後に隠している。青年は、「申し訳ありません!」と言いながら後ずさった。


 青年に「私に何か?」と尋ねても、「い、いえ、見間違いでした。ご無礼をお許しください」と視線を合わせてくれない。


 コニーが「行きましょう」と私の腕を引いたので、戸惑いながら私はその場をあとにした。


 部屋に戻ると、コニーは「セレナお嬢様に許可なく近づこうとするなんて信じられません!」と目を吊り上げているし、アレッタは「さっきの人、セレナお嬢様の胸元をじっと見ていましたよ! 要注意人物です!」と顔を強張らせている。


「二人とも落ち着いてね」


 そう言いながらも、二人が私を守ろうと必死になってくれているのがわかる。


 それはきっとタイセン国を訪れた際、第二王子だったディーク殿下に私が憎悪されてしまい、その結果、恐ろしい誘拐事件が引き起こされたのが原因だ。


 でも、さっきの人は、私を見てこう言っていた。


 ――えっ! どうして、あなたがっ!?


 私は、その言葉の続きを考えてみた。


 『ここにいるんだ』かしら?


 だとすれば、王都で社交界の毒婦とよばれていた頃の私を知っている人かもしれない。だから、あんなに驚いていたのかも……。


 あの毒婦と今の私を一目で同一人物だと気がつけるのは、リオ様くらいしかいない。でも、毒婦役をさせられる前の私の姿を知っている人ならどうだろう?


 お母様が亡くなる前に私と会ったことがあり、かつ王都の社交界に出ていなくて毒婦の姿を見ていない人なら、もしかすると……。


 私の口から、ため息がもれた。


 バルゴア領の人たちに、私が毒婦とよばれていたことを隠していない。バルゴア領の人たちは、私の過去を気にしていないように思う。でも、全員が受け入れられることではないのもわかっている。


 きっと『リオ様にそんな女は、ふさわしくない!』と思う人もいるだろう。それでも、私はリオ様の隣をあきらめる気はないし、もちろん、バルゴアの役人と揉めるつもりもなかった。


「この件は、明日、リオ様に相談してみましょう」


 頷いたアレッタが、私の着替えを手伝うために腕を伸ばした。私がつけているネックレスを外してくれようとしている。


 そのとき、私の脳裏に、先ほどのアレッタの言葉がよぎった。


 ――さっきの人、セレナお嬢様の胸元をじっと見ていましたよ!


 胸元にあったのは、このネックレスだ。


 タイセン国に行ったとき友達になったアイリーン様からいただいたもので、ネックレスの飾り部分には、フクロウの紋章が刻まれている。


 もしかして、さっきの青年はこのネックレスを見ていた……?


 だとすれば、彼が言った『えっ! どうして、あなたがっ!?』の言葉の続きは、こうだったのかもしれない。


『そのネックレスを持っているんですか?』

【以下、宣伝】


〇2026/05/01

紙コミックス『社交界の毒婦とよばれる私~素敵な辺境伯令息に腕を折られたので、責任とってもらいます~(3巻)』発売


マンガ:霜月かいり先生

※電子版は、コミックシーモア様にて先行配信中です。


〇2026/05/25

紙コミックス『転生悪女の幸せ家族計画 黒魔術チートで周囲の人達を幸せにします(2巻)』発売予定

マンガ:こりすキョーコ先生

※電子版は、5/23の先行配信です


どうぞよろしくお願いいたします。

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