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序章
序の章
宇宙と宇宙の間に横たわる永遠の夜の中、冷酷な闇が凝縮して、憎悪の血を滴らせていた。冷たい血はやがて海となり、宇宙となって、銀河の星々を浸そうとする。死への萌芽はゆっくりと、しかし、確実に命の中の胚芽へと伸びていった。
命の存在を否定する『意志』が大宇宙中に希薄に散らばっているおのれ自身を集め始めていた。
始動を開始するのだ。
その凝集は、まだ余りにも希薄だった。しかし、始まってしまった『意志』の動きを、もはや誰にも何によっても止めることはできない。
宇宙のビッグバンを誰にも止められないように。
宇宙の終焉を、誰にも止めることができないように。
そして、人々は気づきもしなかった。昨日と同様に、明日も今日に続くものと、信じて疑わなかった。




