65話 五等分の……
最近スコップを使用した犯罪をちょくちょくニュースで見かけます。
この作品で主人公中村がスコップを武器にしてますが、だからと言って作者に犯罪を助長する意図は無く、寧ろ憤りを感じます。
スコップを使用して犯罪を犯したり、犯そうとするのは止めてください。てか止めろ。
迷宮内から呪いの陰鬱さが消える。相変わらず魔素が濃ゆいが嫌な圧迫感は感じない。
:うおおおおおおおお!!
:すげーーーーーーーー!!
:あんなヤバそうなのをいともあっさりと!
:スコおじ最強! スコおじ最強!
:さすろん!
:勇者も安定の強さ。
:しかも最強鎧モード展開してねえ!
:万能の呪いを拘束する蛇腹剣と膂力よ……
:( ゜∀゜)o彡°性女サマ! ( ゜∀゜)o彡°性女サマ!
:¥20000
ええもん拝ませてもらいましたっ!
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性女様は最高だぜっ!
:ちょっと男子ぃ〜www
:¥50000
スコおじ様の配信チャンネルなのに他の方が目立つとはどういう事ですの? 特にロリ巨乳性女!
:おまえが言うなしwww
うーん、この。
自分が目立たないのは仕方ないとして、やはり戦力過多だろう。何せ表向き全員迷宮適性SS、その実3人が適性Exなのだ。これで負けたらこの呪いには誰も敵わないだろう。
しかし……
「魔石もドロップ品も無し。魔物じゃないから仕方ないけど、正直割に合わないですね」
「今まで色んな呪いを解いてきたけど、どれも魔石すら落とさなかったね」
なら仕方がない。実体があっても呪いは呪い。人の、この場合は神の悪想念でしかないのだ。
「本当に呪いを解いちまった。アンタら凄えな!」
解呪出来た事で始めのうちこそ呆然としていたものの、これで呪いに悩まされなくてすむ火照命は豪快に笑う。
「一応クエスト扱いだったな。大した報酬は出せねえが……これをやろう。ワシには無用の長物だが、アンタら人間には喉から手が出るほど欲しい物の筈だ」
そう言って自分に手渡したのは例の屑鉄が入った木箱。事実、蓋を開ければ中にあるのはとても釣り針とは言えない鉄屑ばかり。
:おいおいおいおい!?
:いくらなんでもそれはないだろ!!
:報酬が屑鉄とか笑えないんですけどー。
:弟と違って兄は真っ当だと思っていたのに……
∶ゴミ渡されてやんの。ざまぁwww
∶受けるwww
コメントも非難轟々。アンチの様な一部例外もいるが。軒並み否定的だ。確かに擁護出来ないが……果たしてゴミを押し付けるような御仁かね?
「どれどれ……え? マジかよ……」
「あ、七津見さんもこれはないと思ってます?」
「ああ。あり得ない。だってこれ、ヒヒイロカネだぞ」
…………………………………………は?
「はああああああああああああああっ!!!!」
:えええええええええええ!?
:嘘おおおおおおおおおおおお!?
:ちょ、マジかーーーーーーーーーー!?
:とんでも金属キターーーーーーーーー!!
ヒヒイロカネ。
日本版のオリハルコン。緋々色金と書いてヒヒイロカネと読む。竹内文書にも記されており、名前の通り色は緋色、金より軽く伸縮性が高く鉄より柔軟、その癖合金にするとダイヤモンドよりも硬くなる。そして何より錆びない。日本人なら誰もが知るトンデモ金属だ。一応よく似た特性を持つ金属にベリリウム銅合金がある。
神野君は「マジかよ……」と驚愕の声をあげ、来栖さんも一瞬正気を取り戻し唖然とする。唯一、龍さんだけが解ってないのかキョトンとしている。
まあそれも七津見さんが日本版オリハルコンと伝えると「ファーーーーーーーーー!!」と奇声をあげていたが。
「ワシらにとってはありきたりの金属だからな」
考えてみたらそりゃそうだ。元は神様が持ってた剣だ。普通の金属な訳がない。
尚、当然と言えば当然だが、全員現物を見たのは初めてである。迷宮が出現してからあるとは噂されていたが、今まで一度も魔物がドロップした事が無い。
「さて、呪いが解けてこの迷宮も正常化するだろう。暫く休眠期に入るが、次からは表層からここ、深層までちゃんとある普通の迷宮となる。当然ダンジョンボスはワシだ」
「そうですか。じゃあ次会う時は貴方と戦う時、ですね」
「応さ。流石にこんな痩せ細って見窄らしい姿じゃねえだろうがな。それと1つ約束しよう。もしワシに勝ったら……アンタらの仲間になろう」
「え!?」
火照命のまさかの発言に驚く自分。
「あの、七津見さん、ボスってテイムとか出来るもんなんですか?」
「普通は無理だけど、特殊個体、つまり変異種なら出来るよ。何処かで聞いた事ないかい? とある探索者が女性型のダークプリーストをテイムしたって噂。あれ事実だよ。しかもそのダークプリーストはとある迷宮の中層ボスだ。条件の1つが倒す事だけど、他にも条件があったりするからね。中村さんのマンドラちゃんの様にボスじゃない変異種は僕もよく解らない」
という事は、あの時バグベアもカースソーサラーも、なんなら火遠理命もテイム出来た可能性があったのか?
ああでもバグベアは兎も角カースソーサラーと火遠理命は無いか。カースソーサラーは命乞いしてきた時にテイム出来たのかもしれないがなんかあの時は生理的に無理だった。恐らく美沙の事があったからだろう。火遠理命に至っては絶対碌な事にならない。
「アンタらが迷宮から出れば休眠期に入り成長する。そこの魔法陣から出るといい」
火照命の背後に魔法陣が出現する。ボスを倒した時に出現する帰還の魔法陣だ。今回は特別なのだろう。
「有難うございます。ではまた」
「僕達は今回だけだから会う事はないだろうけど……中村さんが無事テイムしたら外で会えるかもね」
「ワタシ女の子の方ガ好きだから遠慮するネ」
「なんでぃ。ワシに挑戦するのはそこのアンちゃんだけかい。まあいい、外の世界がどうなってんのか。美味い酒はあるのか、そして何より釣りがしてえからな。是非ともワシを倒してくれ。尤も、手加減なんぞせんがな」
ガハハと笑う火照命に一旦の別れを済ませ、自分達は魔法陣に入り(因みに来栖さんはずっと七津見さんにお姫様抱っこされていた)、帰還した。
***
迷宮から帰還した先は潮嶽神社の裏手だった。
「えー、色々ありましたが、釣り針の呪いも無事に解け、報酬としてヒヒイロカネという希少な物まで頂きました。今日の配信はここまでとします。ご視聴ありがとうございました」
:おつかれー
:おつスコー
:次はどこなんだろな?
:火照命と戦う時はちゃんと配信しろよ。
:次回も楽しみ〜
:ヒヒイロカネの偽もんもらって喜んでるスコおじマジでアホwww
:どうせただのガラクタだろwww
:おーい、それ万能さんの事を貶してるのと同じだからなー。この人鑑定も出来るからなー。真実から目を背けるんじゃねーぞー。
:¥50000
おバカなアンチに耳を傾ける必要はありませんわ。お疲れ様でした。
:変態ネキも偶には良い事言うよな。お疲れー。
配信を切る。いつもの様に切り忘れて無いか確認。指差し呼称する。
「御主人様ぁ、ボクもう……早く、はやくぅ、しよ、ねえ?」
「あー……ごめん中村さん。僕はこれで。莉愛も見られながらはまずいだろ。あとここ神社だから! 普通に駄目だから! ごめん勇人! 勇人は中村さん達と一緒に帰ってくれ!」
「……あーはいはい。莉愛さんはいつもの発作ね」
いつもの事なのだろうか。神野君は呆れた様子ではよ行けと言わんばかりにシッシッと手をふる。
ダッシュで帰る2人に苦笑する自分。
「発作!? ワタシも一緒にイクネ! 莉愛チャンハァハァ!」
と変態丸出しの龍さんも七津見さんと一緒に行ってしまった。ブレないな本当に。
「ところで神野君」
「なんだ?」
「報酬のヒヒイロカネ、どうしましょうかね?」
「……とりあえず五等分でよくね? あと中村さんはそれで武器造った方がいい」
ヒヒイロカネ製のスコップかぁ。とんでもないスコップだなぁ。けど自分に鍛治師のアテないしなぁ。どうしたものか。
キャラクター紹介
成海ほのか
ウルフカット、顔立ちはどことなく猫っ気がある美少女。身長は150cmを満たず、一方で服の上からでも解るくらいの巨乳。身長を除けばかなりのグラマラス体型。佐々木夏実、神野勇人、天光院麗華と同級生。一人称はボク。七津見志郎の事を何故か志郎様と呼ぶ。
迷宮適性A、スキルは『調合』で、主にポーションを調合しているが、中村が採取のスキルを得るまでは暇だった。
コミュ力が高く、誰にでも優しい。ただし同級生の佐々木夏実だけは何故か苦手意識を持っていた。自分の身長にコンプレックスを抱いている。来栖莉愛と血縁関係はないが、色々と似ており姉妹に間違われる事屡々。適性が低い為通り名はないがもう1人の『色欲』である。
彼氏がいたが、その彼氏が馬鹿な事をしたせいで七津見に寝取られ、破局。そのまま探索者となりパーティ『D.B』のメンバーになった。
これで第2章は終わりです。このあと掲示板とか間男ズのざまぁとかありますので、第3章はその後となります。
因みにこれまであった変異種(マンドラちゃん除く)のテイムの条件ですが。
バグベア∶倒した後互いに称え合う(オーバーキルかましたので出来なかった)
カースソーサラー∶命乞いを受け入れる(中村に色々あって受け入れられなかった)
火遠理命∶女性のみテイム出来る(知ってても端から誰もする気がない)
そりゃ誰も火遠理命テイムしないだろあんな性格じゃ……
「ブクマを外して平気なの!?」(ピクシーとかチンピラとかヤクザとか……)




