21話 復讐するは我にあり……そんな御大層なものでもないけれど
ここ最近仕事が立て込んでて執筆出来ませんでした
m(_ _)m
スコップが届くまで日にちがある。それまでにケリを着けないといけないな。
勿論美沙と黒沼の不倫の件だ。というのも先日美沙から電話がかかってきたのだ。
『ちょっと! 管理人から今月いっぱいで退去するように言われたんだけど! どういう事よ!?』
「そりゃあ契約解除したからね」
『なんでそんな事したの!』
「そこに住む意味ないからね」
『巫山戯ないで! 再契約しなさいよ!』
「なんで赤の他人のマンションの賃貸料払わなければいけないの?」
『離婚しても面倒見るのは当然の義務でしょ!』
「そんな義務はないよ。それに慰謝料の事だけど」
『貴方が払うのよね?』
「何故そうなる。払うのは君だよ」
『巫山戯ないで! 慰謝料は男が払うものなの! そんな事も知らないの!?』
「はあ……じゃあその件でしっかり話し合おうか。君の両親と黒沼とその奥さんを交えて」
以上、元妻との阿呆なやりとり。
当然この事を黒沼に伝えたよ。嫌味と罵詈雑言の嵐が返ってきたけど。
「来ないならそっちの要望一切通らないけどそれでいいんだね? 自分は容赦なく慰謝料ふっかけるから」
と言ったら渋々従ったよ。
覚悟しとけとか言ってたけど、どっちが覚悟しとけって話だ。
そんで話し合いの当日――
***
とある弁護士事務所の一室。美沙と黒沼の不倫の相談等でお世話になった弁護士さんの事務所だ。
テーブルを囲んで、弁護士を挟んで右側に自分と黒沼の奥さん、左側に美沙と黒沼がソファに座っている。因みに別室で美沙の両親が陽茉莉を見ている。今後の事で陽茉莉も呼んだのだが、今はまだ彼女の出番はない。
それと自分の後ろに2人の女性が立っている。
1人はスーツを着こなす男装の麗人。ショートカットに切れ長の目をしたスレンダ美女。某歌劇団にいそうな人だ。
もう1人は腰まで髪を伸ばしたややツリ目がちの、これまた美女だ。服装は何故か白衣を着ているのだが……谷間が見えるぞ。てかまさか白衣の下には何も……いやまさかな。
「ちょっと、その女は何よ? それに私達の問題なのになんで弁護士がいるの? 弁護士って犯罪の裁判で出てくる人達じゃない。関係ない人呼ばないでよ」
いきなり美沙が食ってかかる。流石に黒沼は弁護士がいる事には黙っている。というか視線が後ろの2人にいってないか?
「確かにそういうのが解りやすいですが、不倫や浮気、所謂不貞行為に対する事についても弁護士は必要なのです。因みに私は不倫、浮気の問題を専門としています」
「そうなの。つまり……二流以下ってことね」
美沙の暴言に苦笑する弁護士。黒沼もその奥さんも美沙の言葉に呆れ返っている様子。
そもそも弁護士になるには司法試験を合格しないとなれない筈。その司法試験は合格するのもかなりの難易度だ。そんな事も理解してないのか……
……本当、女性を見る目がなかったんだな。
「それで、後ろの二人は誰よ?」
「私は鑑定士の泡手。彼女は……まぁ付き添いね」
「ボディガードだよ。何をされるか解らないからね、念の為。あ、私は伊倉二斗。宜しく」
ここで言う鑑定士はスキル『鑑定』を持つ者の事で、決して某TV番組のお宝鑑定してる鑑定士ではない。
しかし泡手……どこかで聞いた事ある苗字だ。いやこんな珍しい苗字忘れる訳ない。協会の偉い人じゃないか……なんでこんな所にいるんだ?
***
「では、こちらの証拠の通り、お2人は不倫していた、ということですよね?」
「してませんよ。その写真、捏造でしょう? 俺には解る」
「しかし中村さん……浩士さんが、美沙さんと英治さんが致してるとこを直接見てますよね」
「さて……してましたかね? 証拠とかないでしょ?」
弁護士が今回の2人の不倫について尋ねるも、のらりくらりと躱す黒沼。しかし。
「ありますよ、証拠写真。このスマホでバッチリと。写させてもらいました」
と皆に見えるよう画面に出す。
「貴様っ……! いや、こんなの証拠になんかならない。どうせ加工とか――」
「してないわよ」
泡手さんが黒沼の言葉を遮る。
「なっ!? それこそ出鱈目だろう? 第一貴方が嘘を付いてる可能性だって」
「無理よ。鑑定士……というか鑑定はね、虚偽の報告は出来ないの。そういう制約があるのよ。何故だか解る?」
「何が言いたい?」
「虚偽の鑑定をしたら、探索者が死の危険に晒される可能性があるからよ」
まぁ嘘つかれて全然効果が違ったりしたら場合によってはかなり危険な事になるからな。ポーションと鑑定出たから飲んでみたら毒薬でした、とか洒落にならない。
なので鑑定に関しては本当の事しか言わない、と言うか言えないらしい。
それに、だ。興信所が虚偽の報告をするメリットがない。陽茉莉の態度から半年ほど前に興信所に依頼したのだが、早い段階で証拠が出てきたし、その後も追加で証拠集めを頼んだ。証拠が無くても暫くは頼むつもりだったんだから、事更に嘘をつく意味がない。
そんな訳で美沙と黒沼が不倫をしていたのは確定なのだ。
「……あぁ、そうだよ。俺と美沙は不倫をしていた」
諦めたのか、黒沼が不倫を認めた。彼の妻がいる前で。
「英治さん……あなたって人は! 何が合成よ、本当の事じゃない!」
「い、いやそれは……その……すまん」
黒沼の奥さんが怒鳴る。そりゃキレて当然だ。あと謝って済む問題じゃないぞ、黒沼。
「なので2人には慰謝料を払ってもらいます」
「は? 慰謝料は男が払うものでしょう!?」
「……たまーに、そういう勘違いする女性がいるんですよね。慰謝料は有責側、つまり今回は不貞を働いた美沙さんと英治さんが払う側なんです」
「嘘おっしゃい! だいたい法律にも慰謝料は男が払うって……」
「書いてませんが」
「う……」
弁護士は言わば法律のスペシャリストだ。法律云々を出して美沙が敵う訳がない。
「まぁそういう訳だから。慰謝料として美沙に1000万、黒沼に1500万請求する」
2人の顔が固まった。
後半へ続く。
「(評価ptを)入れればよかろうなのだーっ!!」(井上カ◯ズ彦)




