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妄想と修羅場

 んっ……?


 俺は体に少し思い感覚を感じ目を覚ました。

 外はすっかり明るくなって鳥の歌声が広い静かな寝室に伝わってくる。

 そして毛布の中で動く謎の生物に気づき、俺は毛布をまくった。


紗希さきかぁー。またこんな所で寝てー、ダメじゃないか」

「だって、はるくんと一緒に寝たかったんだから仕方ないじゃんよぉー」

「もう、甘えん坊さんめ」


 布団を捲って出てきたのは可愛い俺のお嫁さんだった。

 俺と紗希(実川さん)は高校を卒業したと同時に結婚の約束をし、今は小さな一軒家で二人イチャイチャラブラブ生活している。

 朝になると隣で寝ていた紗希がいつも俺の領域(寝るスペース)に入ってきて抱きついてくるのだ。

 ――二階にある寝室を出て一階のリビングに入るとキッチンでは美少女が『童貞を

 殺す』裸エプロンを身に着け朝食を作っている。


「春くんおはよぉ――!!!」

真弥まや、おはよう。今日の朝食は何かな?」

「私が愛情込めて作った、春くんダイスキオムライスプレートだよっ!」

「美味しそうだ。真弥、アイシテル」


 オムライスにはハートとその中に『春くん愛してる』と書かれていて俺への愛の気持ちがシミジミと伝わってくる。

 美少女に囲まれ幸せいっぱいおっぱいな生活。


 ――そう、真弥は俺の第二の妻である。


 俺は高校卒業と同時に真弥に告白し、結婚の約束をした。

 でも俺は紗希も好きだったし真弥も好きだからどちらか選ぶことができなくて結局3人で暮らすことになった。

 戸籍上では俺と紗希が夫婦なのだが実際は真弥も俺の嫁。

 どちらも手放すことができない、かけがえのない存在なのさ。


「春くん。あーん」

「春くんっ!私もぉ、あーん」


 ソファーに座り食事をする俺は両手に花。

 美少女二人が俺にオムライスを食べさせてくれる優雅な一時を満喫している。

 まるで石油王にでもなった気分。


「そういえば春くん。私と真弥だったらどっちの方が好きなの?」

「どっちがとかはないさ、俺は二人を同じ分だけ愛しているからね」


 俺が言っていることは本当で、どちらの方が好きという差はない。

 二人を同時に愛してしまったのだから。


「ちょっとぉー意味分かんないよー。絶対私の方が紗希より可愛いもん!」

「はぁ? 貴方みたいな大きな脂肪をぶら下げて誘惑する女の何処が可愛いっていうのよ!」

「貴方みたいなペチャパイに言われたくないですよぉーだっ!」


 二人のケンカはヒートアップしていき間に入る空きもない。

 これぞ修羅場というヤツである。


「「でっ!春くんは大きいのと小さいのどっちが好きなの!?」」

「えっ……」


 俺の好みな胸のサイズで勝敗を決めようとする美少女二人。

 どちらが好きだなんて決めることはできないけど……


「俺はやっぱり自分の好みに嘘をつくことはできない!やはり、大きい方が好きだぁ!!」

「やったぁ――!」


 裸エプロンを着た方の嫁がピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ。

 もう一人の方は自らの胸を涙目で揉んでいる。健気だぁ……


「でも俺は!――小さいおっぱいも大好きだぁ!」

「えっ……」

「それに俺は大きさなんかで二人の好きの差は変わらないし、どちらにもそれぞれの魅力があると思う。だからもっと二人のことが知りたい!」

「「春くん……キモいよ」」



 ――バサっ……


「えっ!?」

「へっ?……どうしたの綾瀬くん」

「……ここは現実?」

「何寝ぼけてんのさぁー早く着替えて学校行くよっ!」

「じゃぁ、あれは夢だったのかぁ……」


 さっきの出来事が夢だったと知りあからさまにがっかりする俺を見て実川さんが不思議そうに首を傾げている。

 これは話したら絶対怒られるヤツだからあのエピソードは墓までもって行こ……


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