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コスプレ美少女と眠れない夜

「――美味しかったぁ……」

「うん。実川みかわさんのエビチリ最高!」

「まぁ、チリソースとエビを混ぜて煮ただけなんだけどね」


 それでも家でこんなに本格的な料理が毎日食べられるなんて。

 実川さんはいつかいい奥さんになるんだろうなぁー。


『今はまだ……好きじゃない』


 今はまだって、これから好きになるかもしれないみたいな言い方――

 でもやっぱり実川さんみたいな美少女が俺のことを好きになるなんてありえないよな。


「綾瀬くん。お風呂沸いたから先に入ってもいいよー」

「ありがとう。でも今日帰ってきてから入ったし、俺は実川さんの後に入るよ」


 そう言うと実川さんは『ありがとう』と頷いて風呂場の方へと行ってしまった。

 ―― 一人だけの時間

 俺はというと実川さんが居ない間にラノベを読み進めていた。

 実川さんがいると少し読みづらい内容のものだから……


「綾瀬くん」

「はっ!、はい!」


 声を掛けられ後ろを振り返るとベットに転んでいた俺をまたがるようにしてこっちをニヤニヤしながら俺見ている実川さんがいた。

 熱中しすぎていたせいで、実川さんがお風呂から上がったことにも気づかず堂々とラノベを読んでいた。でも恥じることはない!普通の小説だって言えば、――んっ!?


「ねぇー、そのページの女の子のイラストエッチすぎないー?」

「そ、そうかな。ちょっと布が薄いだけだよ……」


 俺が開いていたページは運悪く挿絵が付いているページで、描かれている女の子はほぼ半裸の状態でいやらしいポーズを取っている。


「ふーん。それ見て可愛いとか思うの?」

「……まぁ少しは」

「じゃぁ、私がおんなじことしてあげよっか?」

「えぇ!?」




           ◆




 ――今、俺の部屋では第二回実川さんによるコスプレイベントが開催されていた。

 なぜ俺の部屋のクローゼットに大量のコスプレが備えられていたのかは謎な所なんだけど……


「綾瀬くん、私可愛い?」

「う、うん。可愛んじゃないの?」


 目の前では実川さんが布の薄いコスを着て赤面しながらポーズを取っている。

 さらけ出された白い絹のような肌とすらっとしたボディーラインが目の保養になる。

 なんか俺がさせているみたいで罪悪感が凄いんだけど……見ているこっちも恥ずかしい。


「可愛んじゃないの?ってちゃんと褒めてもらってるような気がしない……」

「いや、褒めてるって!凄く可愛い……」

「ホントかなぁー」


 実川さんはお尻をフリフリさせながら喜びまた新しい衣装に着替えに行った。

 ――この繰り返しが一時間以上続き時刻は午前2時。

 目はバキバキになってむちゃくちゃ眠たい。でもまだ実川さんがまだ頑張っているのでなんとか踏ん張っている状態。


「じゃぁ、次はー。ん? 綾瀬くんごめん。今のコスで全部」

「あぁ、そうなんだ……すごく残念だなぁー」


 やっと眠れるのかぁー。実川さんには悪いけど先に寝させてもらおう。

 今日は実川さんがソファーで寝る日だからベットで気持ちよく睡眠がとれそう。


 カチっ――


 実川さんが部屋の電気を消し暗く静かな空間になる。

 少し経つといきなりベットが沈み背中に温かい感触が伝わる。


「実川さん、今日ソファーですよね……」

「うん。そーだね」

「なんで俺に抱きついてるの!?」

「それはそういう気分だったから」


 やばい。コスプレの時よりもドキドキしてる。これじゃぁ、意識して眠れないんだけど……


「ねぇ、実川さん一つ質問してもいい?」

「うん……いいよ」

「なんで俺のためにここまで体張って、頑張ってくれるの?」

「別に頑張ってなんかないよ。綾瀬くんに可愛いって思ってもらいたいから」

「また俺をからかって……」

「ごめんごめん――綾瀬くん、今日のことは二人の秘密だよ」


 ――結局俺は朝まで眠ることができなかった。








 ――――――――――――――――――――


「綾瀬くん、目真っ赤だよ!?」

「うん、しっかりと眠れなかったみたい」

「どうして?!……」






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