誤解だから!
実川さんが俺の部屋にまた住むことになった。
理由は寂しかったから、らいいけど実川さんも俺と居て楽しかったんだな……
俺も実川さんが三日いなかっただけなのに凄く寂しかったし、自分一人の生活がこんなにも面白くなかったのかと実感した。
そう、実川さんの存在は俺にとって無くてはならないものに変わってきているんだと思う。
◆
「ねぇっ――。綾瀬くん、ずっとぼーとしてるけど大丈夫?」
一限目が終わった後の短い休み時間。
机に伏せる俺の目の前には天然デカおっぱいの木村さん。
実川さんの友達で最近は俺も仲がいいクラスメイトなのだが……
「木村さん――顔近い」
「イイでしょぉー綾瀬くんって近くで見ると以外にイケメンなんだねっ!」
「からかわないでください……」
そして朝から身体がだるい俺に『天然巨乳女子』木村さんは嫌な程にくっついてくる。男子なら嬉しいんじゃない? と思うところだがおっぱいの圧で窒息死するレベルに苦しいのだ。
「ねぇ。綾瀬くんと真弥はそういう関係だったの?」
横から冷たい眼差しがぁっ……
「綾瀬くんってとんでもない変態だったのね、見損なった」
「い、いや。実川さん!? これは木村さんがくっつくからっ」
いつも以上に辛口な学校フォルムのクール美少女。
これ以上くっついたら家で気まずくなるってっ!
「あ、アンッ――」
木村さんの口から喘ぎ声が漏れた瞬間クラスの視線が俺に集まる。
すると先生がチョークを置いて俺の方を振り返った。
「綾瀬くん。イチャつくのはいいけど声が漏れないようにね」
「い、いや。これは誤解です!」
俺は弁明しようとしたけど先生は苦笑いしてうんうんと頷くばかりだった。
◆
「綾瀬くん!あれはセクハラだよ? 私ならまだしも……」
「実川さんならいいの!? いや、ダメでしょ!」
「……家でちょっとなら。いいよ――」
いやいやいいや!? 実川さん俺に心開きすぎでしょ。
もしかして俺、男として見られていない?
「でもあれは《《誤解》》で……」
「へっ? 《《5回》》もしたの!?」
「いや、回数じゃないわ!」
5回もセクハラしてたらとっくに務所入ってるわ。
まぁ、回数の問題じゃないんだけど。
「じゃぁ、どう誤解なの? 私が教室に入ってきたら二人が堂々と抱きついてたんだよ?」
「いや、抱きつかれたんだって」
「ふーん……」
実川さんは浮気をした旦那を見るようにジト目で俺を見ている。
「絶対信じてないよね」
「信じて欲しいなら私をハグしてっ!」
「へぇぃ!?」
なんでそうなるんだ!? 俺セクハラの疑いを掛けられてる被疑者なんだぞ?
セクハラはしてないけど……
「はーやーく!」
「は、はいっ!」
俺は実川さんに言われるがまま彼女をハグした。
人生初の経験。絹のような白い肌と華奢な体、鼻孔をくすぐるいい香りとともに俺の肩がみるみる下がっていく。
「これでお愛顧。他の女の子にデレデレし過ぎたらだめだからね――」
鼓動が速くなるのを感じる。
実川さんの顔は真っ赤になっていて俺が目を合わせようとするとすぐに逸らすばかりだった。




