7・夕日と聖女
この神殿の水晶球の浄化が終わり、私たちは、南西の神殿に向かって移動することになった。そちらへの街道がしっかりしていて、道も綺麗に整備されていた。西の神殿のある辺境伯領も海に面している。こちらは海に沈む夕日がとても綺麗だということだった。日本海側のような感じかな。私が育ったのは太平洋側なので、海に夕日が沈むのを見れるのは、初めて見る景色なので、とても、楽しみだ。
夏の終わり、少し汗ばむ陽気の季節に開始した旅は、少しづつ秋の気配を見せて、馬車の窓から見る景色も、色づく紅葉と姿を変えた。馬車の中でも空調はリクセンくんとクリストファー様のお陰で、暑くもないし、寒くもない。エアコンが付いているような感覚だ。個人的には、もっと大きな窓だったら良かったんだけど、それは技術的にも防犯の面でも難しいらしい。
西方の地は、山から朝日が登り、夕日は海に沈む。昔、修学旅行で、京都に行ったけれど、時間帯が昼間だったので、天橋立で、夕日を見る機会はなかった。どうでもいいけど、日本三景、あと広島の宮島を見ればコンプリートだったのにと思うとすごく残念だった事を思い出した。その事を話していると、グラード様が鳥居とはなんですか、と聞いてきた。この世界に存在しないものなので、説明が難しいな。神殿の入り口にあって、神域と、人が住む場所の境界。紙にこんな感じの鳥居の絵を描いてあげると、クリストファー様もその話に食いついてきた。クリストファー様は、神官さんなので、じょそ世界とは違った神様がいることに驚かれた。それから、ちょっと、神社とかお寺の話をすることになった。その二つの説明少し大変だった。初めて聞いた人にとっては、どちらも同じものに見えるからね。更にキリスト教の教会なんてものまである。知っている範囲でしか、説明できませんでした。私の世界にはこういうものがあるってことで、納得して下さい。その鳥居が海にあるって、すごいなと改めて思った。あれって、確か、島は神域なので、建物を建てられなかったんだよね。
「興味深いですね」
「私も、この世界の神殿のお話とか、すごく新鮮ですよ」
「良かったら詳しくお話しますよ」
そう言った、クリストファー様は、楽しそうで、馬車での勉強会に、神殿の成り立ちや神様のお話なども増えた。勉強することが嫌いではないし、この世界で生きていくには必要な知識だ。ちょっと、難しいところもあったが、クリストファー様は丁寧に教えてくれる。その後、何故か、グラード様には、歴史の話を、リクセンくんのは、魔法の話を教えてもらうことになってしまった。まぁ、馬車に乗っている間は暇だから良いんだけどね。たまに、外の景色を眺めながら、ゆっくりとした時間をそうして過ごすのだった。




