面白みのない日々
初投稿故に至らない点もあると思いますが、暖かい目で見てもらえると助かりますm(_ _)m
暗い遺跡の中、奇怪な咆哮と金属のぶつかり合う音だけが反響する。
「ハアッ!」
剣を振る。
ただそれだけの動作すら、もう辛くなってきている。
俺の周囲には、無数の怪物の死体が散乱していた。それでも尚押し寄せてくる怪物の大軍に、思わず口元を歪ませる。
こんなにやりがいのある死闘は久しぶりだ。これを乗り越えることで、俺はまた一歩強くなる事が出来る。
また強くなれる、そう考えるだけで笑みが溢れてしまう。
その余韻に浸るのすらも許されない敵の猛攻を、俺は右手の直剣のみで捌く。
「ハハ、ッハハハハハハハハ!!!」
増えていく敵の死体や、自分の体に僅かながらも着実に増えていく傷も、今の俺には活力にしかならない。
血ダ、モット、血ヲ見セロ。
貴様ラノ死ヲ、モット俺ニ見セロ。
悲鳴をあげている腕をさらに早く動かす。いくつかの攻撃は剣のない左手を使い、殴って軌道を逸らす。
そうして無我夢中で敵を倒していく。
だが、敵を殺すのに夢中になりすぎていた俺は、後ろから飛来してきた巨大な炎に気づくのが遅れた。
「ッ?!」
俺は咄嗟に亜人の怪物を蹴り飛ばし、大軍から大きく距離をとる。
直後、飛来してきた巨大な蒼い炎は容赦なく怪物の群れを飲み込んだ。
断末魔すら発する事を許さないその業火に、俺は思わず見とれてしまっていた。
炎が大軍を完全に消し終えた後、炎の中から何者かが姿を現し、こちらへ近づいてきた。
「ちょっと君、大丈夫?」
俺はそいつを見て、驚愕した。
まず、武器を持っていない。ここは人間が現時点で到達できた最高層だ。武器無しで生き残れるような場所じゃない。仮に魔道士だとしても、杖や魔法道具の様なものを持っているようには見えない。
そして服装、少なくとも王都や村では見たことがない奇妙な服装だ。
顔までは暗くて見えないが、一番の驚きは、こいつが女であったということだ。
・・・どうでもいい。どのみちここにいられても邪魔になるだけだ。さっさと戻ってもらうか。
「お前に心配される筋合いは無い」
「まったく、恩人に対してソレはないんじゃないの?あたしが助けてなかったら、アンタ今頃化け物共の餌よ?もっと感謝して欲しいわね」
今、こいつ何て言った?
あの大魔法を?この生意気な奴が?まずありえないな。ヒョロっちい上に、ろくな装備もないやつが何言っているんだ。寝言は寝て言いやがれ。
とにかくこんな奴は居ても迷惑だ。帰ってもらおう。
「大体、私と同い年くらいの子供のくせに───ってちょ!何を?!」
俺は女を脇に抱えて、腰のポーチから青い水晶を一つ取り出し、砕く。
同時に、目の前に青い輪が生成される。輪の向こうには、王都の大通りが見える。
俺は抱えてる女を輪の中に放り込む。
「なっ?!アンタ、やめ__」
女が輪を通り抜けた直後、輪は空気に溶けるように消える。
「さてと」
また、奪われていたか。まだ思考に余分なものが混じっている。
俺は壁に寄りかかり再びポーチを漁る。今度は薄い紫色の液体の入った瓶を取り出し、液を飲み干す。
すると、俺の体にあった傷が紫色に光りだし、血が止まっていく。
とりあえず出血が止まったのを確認して壁から離れ、反対側の壁に刺さっていた大斧を引き抜き、肩に担いで奥を目指して走る。
ここは古代遺跡『天の塔』。世界各地に存在する4つのダンジョンの1つだ。
ヴァルキュリス大陸の北の大国【ロージェス・リィ】の中央にそびえ立つこの塔の頂上に辿り着いた者は、天を統べる力手にすることができると言われている。
そしてその力を求めて、多くの冒険者がこの塔を制覇すべく王都に集まっていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
俺は傷だらけの身体に鞭打って、俺の利用している寮に戻った。
俺は、寮の前にいる門番に今回の戦利品を押し付けて部屋に入る。
俺はそのまま寝室に行き、ベッドに倒れ込む。
(そういえばあの時の蒼い炎の魔法、アレはなんだったんた?)
少なくとも、俺の知る限りでは最高クラスの魔法だった。
アレを再現するには王都の魔道士団のリーダーを最低でも10人はいなければ構築するのは難しいだろう。
だがその魔法を単独で構築できる奴がいれば、ダンジョンなんてとっくに制覇されているはずだ。
(眠い、さすがに限界か・・・)
瞼が重い、やはり今回は消耗し過ぎたか・・・
俺はそのまま眠りについた。
───翌朝。
ベッドから起き上がると、防具が外され、全身の傷が粗方塞がれており、さらに包帯まで巻かれていることに気づいた。
俺はベッドから降りて寝室を出ると、二人の子供が朝食を並べていた。
「「おはようございます、レイザード様」」
「いつもすまないな、サリ、サラ」
「いえいえ」
「私達に出来ることはこれくらいですから」
サリとサラは俺の部屋の同居人だ。
元は奴隷だったのだが、俺が8歳の頃に潰した奴隷屋共から解放して「自由に生きろ」と言ったのだが、「恩を返す」と言い張って俺の元に残り続けている。
ちなみに2人は兄弟で、サリが14歳の兄でサラが12歳の妹だ。
「じゃあ、朝食にしようか」
「「はい」」
俺は朝食を取りながら、2人と話す。
「サラ、昨日は傷の手当てしてくれてありがとな。おかげで大分楽になった」
「いえ、これも仕事ですから...(えへへ、褒められた♪)あ、でもあんまり動きすぎるとまた傷口が開いてしまう恐れがあるので気を付けてくださいね?」
「分かった、気を付けよう。サリも、わざわざ武器を閉まっておいてくれてありがとな。重くて大変だっただろう?」
「いえ、あの程度の仕事、俺達への恩を精算するには程遠いものです、お気になさらず。(よっしゃ)あれ以上のものだって運べます」
「そうか、でも無理はするなよ?」
そんな風に話しながら、俺達は朝食を取る。
朝食を取り終えると、サラは食器を片付け始め、俺とサリは学園に行く準備をする。
言い忘れていたが、俺は学生だ。
俺達のいるこの国、【ロージェス・リィ】では、18歳以下は学園に通わなければならない。まったく、面倒な規則だ。
俺達は準備を終えて、寮を出る
「いってらっしゃいませ、レイザード様、兄さん」
「いってくる」「おう」
道中、サリに尋ねられる。
「ご主人様、今日のご予定はどうなされますか?」
「そうだな、1度ギルドに立ち寄って解放した層の情報を売ってから行こうと思う。サリは先に学園に行っててくれ」
「了解しました」
そう告げると、サリは早足に学園に向かっていった。
「さて、行くか」
俺は街の東端にあるギルド本部へと歩みを進める。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
俺は街の東端にあるダンジョン攻略集団本部の建物に入る。
俺が入った途端、室内の空気が変わる。
「(おい、アイツが噂の・・・)」
「(ああ、あの『紛い物』だ)」
「(あの大量殺人鬼か?!)」
「(なんでそんなやつが・・・)」
「・・・くだらないな」
俺はそう吐き捨てると、受付の奴に要件を伝える。
「新しく解放した層の情報を売りに来た。ここのアホマスターを呼んd──」
「よおレイ!ついにギルドの正式加入する気になったのか!」
「・・・すまない、もう見つかった。無駄な時間を使わせたな」
「は、はい、だ、大丈夫ですハイ・・・」
なんだ、この受付のやつ新入りか。運がないな、こんな阿呆が統括してるギルドに配属とは。
「レイ、早速だから奥の部屋でのんびり今後のことでm──」
「ギルドに入る気は無いと言ったはずだ。今日は解放した層の情報を売りに来ただけだ。それと俺はアンタにレイなんて呼ばれる程の仲でもない。」
こいつはジーニ=ブロウスス。
王族のくせにわざわざダンジョンに挑む死に急ぎ野郎だ。
一応、ギルドマスターでもある。
「そうかそうか、早とちりしちまったなあ、ガッハッハ!」
「とっとと行くぞ」
ああ、面倒臭い。このアホと居ると無駄に疲れる。誰だよこの阿呆をリーダーにして野放しにしてるやつは。
俺はうんざりしながら、ジーニの部屋に向かう。
俺はジーニの部屋に入った途端、何者かに切りかかられる。
「・・・」
俺は体を横に逸らして躱し、襲撃者の首に手刀を当てる。
襲撃者は意識を失ったのか、そのまま倒れた。
「・・・暗殺ならもう少しマシなやり方選べ。これじゃネズミ程度しか殺せない」
「いやぁ、暗殺する気は微塵もないんだが、来る度にうちの精鋭達沈めるのやめてくれんか?」
「挑んでくるやつが悪い」
俺はくたばってる精鋭(らしい奴)をどかして、客用の椅子に座る。その向かい側に、ジーニが座る。
俺は訳あって、ダンジョンの攻略をしている。そして、この国の決まりで、階層主と呼ばれる各階層毎に存在する化け物を殺す度にギルドに報告しなければならないのだ。
「まず、今回攻略した層からだ。俺は今回の挑戦で、79層から81層まで開いた。」
「おお・・・流石だな。して、階層主はどのような魔物だった?」
俺は鞄から、資料の束を3つ取り出して、ジーニの前に放り投げる。
「79層はデカい蜘蛛の亜人、80層は体の一部を虫や蛇に変化させる亜人、81層は魔法を使う巨人だった。」
「ふむ、今回の変化は魔法を使う魔物の出現か」
「2つ目と3つ目の資料は、各階層の魔物の特徴と地図だ」
「今回は幾らにする?」
「適当に、銀30くらいでいいだろ」
「これまた、パッとしねぇ価格だなあ。もう少し欲を出してもいいんだぜ?」
「別に俺は富豪になりたいからダンジョンに行ってる訳じゃない。消費した道具の元を取れるくらいが丁度いい」
今回使った道具は自作とはいえ、材料費はそこそこするが、銀貨30枚の設定なら、新しい道具の作成も始められるから丁度いいのだ。
「はいよ。儲けはいつもの口座に送っとくぞ」
ジーニは立ち上がり、書類の整理を始め出す。
「用は済んだ。じゃあな」
俺も席を立ち、部屋を出ようとすると、
「なあ、レイザード、ギルドにはいつ入るんだ?」
柄にもなく、ジーニは心配そうに見つめてくる。
「何度も言うが、俺は貴様らの仲良しごっこに付き合うきはない。雑魚共の死に様を見たくないなら、しっかり鍛えておくんだな。」
俺はそう言って、部屋を後にする。
思い付きで出すので不定期です。この作品は記憶の端っこにでも置いてくれると有難いです(笑)




