八話 ちゃんと確認するべきだったね
前回に引き続き読んでいただき、ありがとうございます!
また、予定していた投稿日から2ヶ月遅れてしまったこと申し訳ございません!
言い訳ですが、学生という身であるため時間が取れませんでした…
また、その分素人なりに表現方法や展開などを勉強し、より良いものを書くつもりで今回は完成させました。温かい目で見てくださると幸いです!
視界が光を取り戻したとき、僕たちはどこかのスナックに来ていた。
お客さんは居ないが、男性のマスターが1人作業をしていた。
「え、みつきさんここって…」
「あーここはうちの魔人が経営するスナックだよ。一応ここも仮拠点的な扱いになるかな」
「そうだったんですね!」
少し焦ったが、みつきさんの言葉で安心する。
すると、マスターが声をかけてくる。
「ん?見ない顔だね…水瀬さん、この少年は誰ですか?」
「そーいえばマスターはまだ知らなかったんだった…この子は望月秋だよ。私が魔人にした子」
マスターは目を見開く。
「水瀬さんが?珍しいですねぇ…秋くん。これからよろしくね」
「よろしくお願いします」
僕は軽くお辞儀をした。
「自己紹介も終わったことだし、遊びに行こうか!」
水瀬さんはワクワクした様子で僕の手を引く。
どうやらここは地下だったらしく、階段を上がると一階には多くの人がお酒を飲みながら会話したり、歌ったりしていた。
カウンターには女性の方がお客さんにお酒を出しながら楽しげに会話している。
お客さんにはママと呼ばれていた。
僕とみつきさんはそのママさんに会釈しながら店を出る。
そこは路地裏で、表の方に行くと僕の視界に煌めく夜景が広がった。
「ここって…」
「ん?ここは新宿だよ。これから少し遊びに付き合ってもらうね」
そして僕たちはゴールデン街と呼ばれる、バーやスナックが密集した所を歩き、やがて歌舞伎町に着く。
そしてカラオケ屋に入る僕たち。
みつきさんは流行りの曲を見事に歌い、僕はその歌の実力に驚く。
僕はその歌に合わせながら手を叩く。
そして曲の合間。
「そういえば今日の学校はどうだったの?」
「学校…?一応いつも通り授業受けたりとかとか友達と雑談したりとかですね…」
「なら良かった!正直学校に行けなくなる可能性が高かったからね…」
どうやらみつきさんは想像以上に僕の先の生活を心配してくれていたらしい。
(でも、どうして出会ったばかりの僕にここまで…)
そう考えてるうちに次の曲が始まる。
そして1時間ほど僕たちはカラオケをし、今度はゲーセンに来ていた。
最初はクレーンゲームをすることになった。
「お!このぬいぐるみ欲しいかも!」
「僕、やってみます!」
百円玉を投入し、レバーを操作する。
位置を決めてボタンを押すと、クレーンはぬいぐるみを掴む。
「よし!」
クレーンはぬいぐるみを少し持ち上げるがすぐに落としてしまう。
「あ、落ちちゃった…」
「アハハっ!そんな悲しそうに言わないでよ〜」
みつきさんは無邪気に笑い出す。
しかし僕は再び百円玉を投入する。
「もう一度やってみます。」
レバーを操作してクレーンはぬいぐるみを掴む。
今回は途中で落とすことなくそのまま取り出し口の方へ運び、落とす。
「やった!」
「すごいじゃん秋!2回目でゲットしたよ!」
みつきさんは喜ぶ。そんな様子に釣られ僕も嬉しくなる。
次はエアーホッケーだった。
「よし、次はエアーホッケーやろう!」
「え、でも僕やったことないです…」
「ほんとに?!なら教えてあげるねー」
そして数分後…
「0対10で僕の負け…」
「秋くん弱すぎでしょ〜!」
「いや、みつきさんが強すぎるだけです!」
「えーでもそんなに本気でやってないのになー」
「いやあの玉の速さはおかしいですよ!」
「それは秋くんの反射神経が遅いだけでしょー」
なんだかものすごく煽られているがそこまで嫌な気分ではなかった。
気づけば、僕はみつきさんの打ち方を目で追っていた。
力の入れ方、手首の動き、打つ前の視線。
(次は右かな?)
カコン。
僕は初めてみつきさんの玉を止めた。
「あ」
「えっ今止めた!?」
少しだけ悔しそうに笑うみつきさん。
しかし、エアーホッケーのタイマーはゼロになりアラームがゲームの終わりを告げる。
「あーあ、終わっちゃった」
「また今度いきましょう…!」
そして、楽しい時間は過ぎていき、気づけば僕たちはビルの屋上で夜景を見ていた。
みつきさんに遊び方を教わり、僕は思いっきり楽しんだ。そして、救われた気がした。
訓練で何もできない自分によってかなり落ち込んだが、だからこそ、先輩方の訓練に応えないといけないと思った。
だから僕は言葉にしようとする。
「みつきさん、今日はありが…」
そう言いかけた時だった。聞き覚えのない声がビルの屋上で響いた。
「あれ?そこの2人何やってるの?」
女性の声だ。その声に僕たちは思わず振り向く。
そこにいたのは二人の人影、黒いスーツを身に纏っていた。
よく見るとその二人は短刀を腰にさしており、その短刀はみつきさんの持つ短刀に似ていた。
「秋くん、逃げる準備をして」
「え?」
「2人とも無視しないでよ〜」
そう言いながらスーツを着た女性はこちらへ歩んでくる。
「酒井、あまり奴らを挑発するな。」
後ろにいた男が女の協会員に忠告する。
「すいませーん、でもなんか他の魔人と比べてあまり魔人らしくないというか…そう思いません?隈崎さん?」
そう言いながら酒井と呼ばれた女はいきなり屈む。
次の瞬間、地面を蹴り、人間とは思えない速度で走り出す。
(まさかこの人たち、対魔人協会の…!)
そんなことを思っている間にみつきさんは能力で闇から短刀を抜いて構えた。
それと同時に酒井も腰から短刀を抜くと酒井は五メートル近く跳躍し、その勢いのまま短刀を振り下ろした。
冷たいく乾いた金属音が夜空を揺らす。
一連の動きで分かってしまう。
相手は対魔人協会の中でも手練れだと。
(今の僕じゃ相手にならない…)
「この短刀を持っているってことはやっぱりあの魔人で間違いないね。」
酒井は一旦、隈崎と呼んだ男の方へ距離を取る。
「ああ。奴で間違いない。」
酒井は詠唱する。
「LEVEL Ⅲ」
聞き慣れない謎の単語を発した女は、先程よりもスピードが上げて僕たちとの距離を詰めてくる。
(ッ!さっきも感じたけど明らかに人間の身体能力を逸脱している。まるで魔人みたいな…)
みつきさんの表情が一瞬だけ険しくなった。
(まずい…。今の残量じゃ能力で秋くんと私を同時に逃がせるほどの血が残ってない…。それに、秋くんを守りながら二人を相手するのは厳しい…秋くんを巻き込むわけにはいかない!)
次の瞬間だった
みつきさんは僕の胸を強く押した
「秋くん、ちょっとだけ我慢して」
そのまま僕は陰に飲み込まれ、気づいた時には最初に来たスナックに戻っていた
(ごめん秋くん…こんなことに巻き込んじゃって…)
私は秋くんをこんな目に合わせてしまったことに罪悪感を感じていた。
そして、目の前の酒井は少し残念そうに話しかけてきた。
「…あの少年だけ逃がしたってことはまだ実戦ができるほどの実力がないってことかな?」
「敵にわざわざそんな情報を渡すと思う?」
空気がピリつく。
「さっきまであんなにも平和的な雰囲気だったのに…」
「いきなり攻撃してくる協会員に平和的解決をしようとは思わないでしょ?」
「あーそりゃそうだよね。私も同じ事を言うよ。」
「酒井、敵と会話をするな。任務に集中しろ。」
「すいませーん」
軽く謝るが酒井は刀を構えており、少しも隙を見せない。
血が足りない。戦うにしても逃げるにしても血が足りない。
私は考える。
(女単体はそこまで強くないけど、隣にいる隈崎と同時に来ると対応しきれる自信がない…)
「お願いがあるんだけどさ…」
「え?」
酒井は困惑するが、みつきは話を続ける。
「やっぱりここは平和的に済ませたいから今回だけ見逃してくれない?」
「いや、流石に今更だしなぁ…」
隈崎も会話に入る。
「お前は協会で指名手配された魔人だ。我々としては絶対捕らえなければならない。」
「駄目か…じゃあ仕方がない。殺す気で行くよ?」
その言葉を吐くと、みつきと酒井と隈崎は同時に動き出す。
(いくら私がテーゼの次席とはいえ能力無しで協会員を2人同時に相手するのは困難だ。ならこの状況をどう切り抜けるか、それは…)
私は左拳ですぐ足元のビルに叩きつけることで地面を破壊する。
私がとった行動、それは逃走だ。
「あっ!あいつ逃げるつもりだ!」
「追うぞ。決して逃がすな…!」
協会員はみつきの後を追うように穴からビル内に入る。
みつきの放った一撃は威力が高く、さらに1個下の床を破壊し、突き抜けオフィスへ落下した。
机と椅子が散乱する中、みつきは窓へ走る。
「あの魔人、このビルを倒壊させる気?」
「流石にそこまで大ごとにはしない…おそらく奴はこのまま逃げるつもりだ。」
2人は下のフロアまで降りると、逃走するみつきを発見する。
(ヤバい逃げられる…!)
酒井はみつきを追いかけ、みつきはそれに気づく。
(流石に付いてきたか、今の体力で逃げ切れるか怪しいかも)
そして、窓まであと少しのところで酒井は追いつき、身体を捻って回し蹴りを繰り出す。
みつきは腕でその蹴りを防ぐが、身体は吹っ飛び机や椅子などを巻き込みながらも、なんとか勢いを殺す。
酒井は間髪入れずに短刀を振るう。
しかしみつきはその時刀を弾き、左拳で脇腹を突く。
酒井は少し怯む。みつきはハイキックを繰り出し、酒井の頭に命中させた。
酒井は頭から血を流し、ふらつく。
しかし気づいた時には隈崎がみつきの背後を取っていた。
(まずいっ!)
隈崎は短刀を抜くと縦に振り下ろす。みつきは刀で防ぐが、そこへ回復した酒井がみつきを斬りつける。
みつきは回避することができずにモロにその刃を食らってしまう。
隈崎もその隙をつくかのようにみつきの腹部に蹴りを放つ。
「っ!」
みつきはそのまま崩れた天井の瓦礫にめり込み、動かなくなる。
瓦礫からはみつきの血が染み出していた。
「気絶したか…酒井、生け捕りにするぞ」
隈崎は膝をつく酒井に言いながらポケットからスマホを出し、電話をかけようとする。
「隈崎さん後ろ!」
その声が聞こえた瞬間隈崎は振り向く。そこにいたのは短刀を薙ぐみつきの姿だった。
隈崎は刀でその攻撃を防合とするが間に合うことはなく、そのまま胸あたりを横に斬られる。
鮮血が隈崎の胸から吹き出し、みつきの刀にその血がべったり付く。
膝を付きながら睨めつける隈崎。
「ッ…気絶してなかったのか…」
「ちゃんと確認するべきだったね」
その瞳には、先程までの柔らかさは一切残っていなかった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
また、「ここがおかしい」や「他の作品に似ている」などの意見があれば言っていただけると改善できるかもしれません!
もし、アドバイスなどあれば言っていただけると次のモチベーションに繋がります!
よろしくお願いします!
次回は未定ですが来週中には投稿したいと思ってます!




