2-3.白樺
「秘密です」
高嶺さんがそう答える。
秘密!?彼氏がいるかもしれない!?そういうことですか???
「あっそォ〜、ま、“言えない状況”ってのもあるかもしれないよなぁ」
坂山さんが反応する。もしかしたら坂山さんは、今日の男女4人はカップ同士のダブルデートだと勘違いしているのかもしれない。
少しの間を置き、坂山さんがタバコを吸いたいと言い出したので、僕らを乗せた車は寂れたパーキングエリアに到達する。
坂山さんはそそくさと喫煙所に行き、車内には僕ら4人となった。
時計を見る。
ちょうど正午だった。
「お昼どうします?」
茂木が尋ねる。
「実は別荘に着きましたら、バーベキューをしようと思ってました。お昼は少し我慢ですね」
な、なんて素敵なプランなんだ!
「ここは我慢だ!茂木!」
僕が茂木に伝える。肉の為に我慢だ!
15分ほど経過したが、タバコに向かった坂山さんがなかなか戻らない。
タバコというものは、火をつけて、スーパースーパーするだけである。15分というのは流石に何かを疑わなければならないが、誰も何も言わないので、僕も黙っている。
「悪い悪いー!ちょっと電話しててねー!行こうかー!」
結局、その5分後に坂山さんが戻ってきた。
僕たちは再び、パーキングエリアを飛び出して、高速道路をひた走る。
流れ行く景色が新鮮だ。高嶺さんが変わらず手を握っていなければ、存分に景色を楽しめたはずなのに。。。
「ヨリ子ォ、実はさぁ、さっき・・・」
静まり返った後、運転席の坂山さんが、高嶺さんに向かって小さめの声で話す。
「わかりました。あまり無理なさらないでくださいね」
会話の内容が、あまり聞き取れなかった。
風景が一変し、高速道路を降りる。
田舎の町から、田舎になり、山道を抜け、森を抜けたと思いきや、また街に繰り出し、その先の高原に到着した。
高原にはぽつりぽつりと家が建っている。
そのうちのひとつの家の前に車が停まる。
「これが高嶺家別荘!?」
「はい」
「すてき」
皆が車から降りる。
やっと僕は加代子さんの手繋ぎ攻撃から逃れられた。
高嶺家別荘は、白樺の木々に囲まれた中にある、ログハウスである。
2階建てで、4部屋ぐらいはあるであろう広さ、ベランダには焼肉用のコンロや排煙ダクトがある。本日のお昼はこれか。
「それじゃあ、みんな、荷物を降ろして、、、、実はおじさん、急な仕事で今から戻らないといけなくて・・・明日帰ってくるから、よろしくね」
え?
別荘に、うら若き男女4人だと!?




