2-1.最低
「今年の夏は暑いです」
「最高記録を更新し・・・」
「異常気象により・・・」
「熱中症にはお気をつけ下さい・・・」
どのチャンネルのワイドショーも、アツアツの地球について面白おかしく報道している。
僕は着ていく服に悩み、カバンの中に入れる翌日の服にも悩んでいた。
そう、今日から高嶺さんの別荘で、常夏の一泊二日のお楽しみ会が開かれる。
僕と茂木、高嶺さん、そして・・・加代子さん。
二週間前、僕は加代子さんに嘘をつき、加代子さんとキスをした。
ちなみに、2時間ぐらいキスをしたが、それ以上の事はしていない。
どこかで僕と加代子さんは正気に戻ったのだ。そこからちょっと気まずい。
そして僕はキスをしたいが為に、嘘をついたのだ。加代子さんに好きだと嘘をついた。
僕は最低だ。最低人間である。
加代子さんはそんな事など知らない。逆に、僕に馴れ馴れしくなった。
本当は、今日も行くか迷ったのだが、高嶺さんと近づけるチャンスなのだ。キャンセルする訳にはいかない。
早速家を出て、加代子さんと一緒に駅に行き、茂木と合流し、高嶺さんの家に向かう。
二度目の高嶺さん家は、やはり大きい。
家の前に、高級な車が停めてある。
以前見た、庭師の方が運転席に、高嶺さんが助手席に座っており、僕らを見た瞬間、車から降りてきた。
「こんにちは。お待ちしておりました。早速、車に乗ってください。」
「すっげぇー」
クルマ好きの茂木がこの車を一周見渡すのを待ち、後部座席に、僕、加代子さん、茂木の順番で乗る。
2人乗りの後部座席だが、3人が詰めても余裕であった。
「早速いくぞー」
運転席の庭師の方、、、確か坂山さん、坂山さんが運転し、車が進み出す。
「ここから何分くらいなんですか?」
茂木が聞く。
「3時間程度です」
高嶺さんが答えた。
想定外のロングドライブ!!!
僕は耐えられるだろうか。
なぜなら
隣の加代子さんがこっそり僕の手を握っているからだ。




