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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.05 あなたに近づく夏
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1-3.コレクション


「そ、そうなんだ」

僕は高嶺さんに反応する。

あ、そういえば。。。



「私は、お父さんがいないの」

加代子さんが答える。そうだった。



エアコン以上に、気まずさによって、場の空気が冷やされていた。


「あ、あれ、もしかしてもう、飛んでないかな?」

庭を見る僕。ミカンの木から、黒いヒラヒラが飛んでいる。羽化したのだ!


「行きましょう。こちらの窓から」

大きな窓だ。というより、ガラス張りの扉というべきだと思う。


「く、靴は?」

「皆さん、良ければ、裸足で芝生を歩きませんか?気持ち良いんですよ」

「賛成!」茂木は元気だ。


僕らは居間の大きな窓を開け、そのまま靴下を脱いで、裸足で駆け出した。


ミカンの木まで、何故か競争が始まる。

息を切らしながら走る。

茂木がすっ転び、笑いながら走る。

加代子さんも高嶺さんも、そして、僕も、笑顔だった。


加代子さんが僕の服を引っ張る。

「ああっ!ずるい!」

笑う加代子さん。僕を追い抜いて行く。



あっという間に、ミカンの木に到着。

僕らは羽根を乾かしている蝶々を見守る。


よく考えれば虫というのはヘンテコな生物だ。大人と子どもでは、その姿があまりにも違う。不思議なぐらいだ。




羽根を開いては閉じる。

羽根を乾かし、今から飛ぶのだ。

そして、色付いた羽根が宙を舞う。

下手な飛び方だ。

僕らの足元を通り、舞い上がる。




「小学生の頃、見たことがあるけど、今見ても、感動する」

僕は感想を述べた。


「羽根を広げて、飛び立っても、野鳥に狙われる事もある。羽根は破れ、胃袋で溶かされてしまう。自然の摂理かもしれない。桜が散る様な、そんな美しさが蝶々の羽化にはあるわ」

高嶺さんが語る。なんだか、少し暗い表現だ。



「それにしても暑い!」

茂木が騒ぐ。


「お家に戻りましょうか。私の部屋に、コレクションがあるんです」

「コレクション?」

「ふふふ、行けば分かります」


僕らは来た道を戻る。

芝生の硬さが素足に心地よい刺激を与える。


足を拭き、家に入る。


そしてたどり着く、高嶺さんの部屋!!


女の子の部屋では無いか!

僕は倒れそうだ!




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