2-1.ひし形のキラキラ
「えーっ!七星ちゃんの親戚!?」
クラスが盛り上がっている。
加代子さんの登校初日、彼女は七星の親戚という事で、早くも受け入れられている。
僕では絶対にできない事だ。
「ああ、やっぱりカヨコじゃん」
トウマが加代子さんに語りかける。
黙る加代子さん。
僕の記憶では、トウマは加代子さんに対しては何もしていないが、止めることも無かった気がする。加代子さんは少しビクついているようにも見えた。
「よろしくな」トウマは笑顔を見せ、それ以上は何も言わなかった。
その時、教室に入ってくる女神。
高嶺さんだ!!!!!
やはり高嶺さんは神がかり的な可愛さである!
さて、高嶺さんは、加代子さんにどんな反応を見せるのだろうか?
「あなたが藍田加代子さん?」
「は、はい」
「よろしくお願いします。高嶺依子です。わからない事があれば、なんでも言ってくださいね」
にっこり笑顔の高嶺さん。
これが漫画やアニメなら、僕は間違いなく、背景にひし形のキラキラを付けるだろう。女神は実在するのだ!
そんな一部始終を遠くから見る僕。
よく見ると茂木の様子がおかしい。
「どうした?茂木?」僕は問いかける。
「お、お前、あれが昨日言ってた同級生か?」
「う、うん。やっぱり同級生だったよ」
「お前も隅に置けない奴だな」
「え?」
何故か茂木は不機嫌そうである。加代子さんが思ったより美人だったからなのだろうか。
「お早う御座います」
気がつくと目の前に絵留くんがいた。
「お、おはよう」
「昨日はばったり会いましたね」
「そ、そうだね」
ここで会話が途切れそうであるが、転校生が話しかけてきてくれているのだ。
何か会話を繋げなければ。
「き、昨日は美和子さんと一緒だったの?」
「はい」
「そ、そうなんだ」
やはり会話は止まってしまった。
一通りクラスの盛り上がりが終わり、七星がいつも通り僕の隣の席に座る。
(イメチェン大成功ね)ひそひそ語りかけてきた。
(そうみたいだね)僕も答える。




