2-4.立て続け
一喜一憂という言葉がある。
僕は先ほど一喜したわけだが、今は一憂していた。
魚住のシュート後、立て続けにシュートを決められ、タイムアップ。
チーム仲良し、初戦敗退。
「もうちょっとだったね」
七星がチームのフォローに入る。
というのも、敗因は間違いなく僕だった。
運動音痴でもたつく僕を抱えたチームが、スポーツの勝負で勝てるわけが無いのだ。
「ご、ごめん」
謝る僕。
魚住と吉田くんが僕を見ている。それ以上は何も言わなかった。
他のチームの試合を見る。
瞬く間に、トウマの所属するチームが勝ち抜き、優勝していた。
僕は、何故か安心していた。
今日、この親睦会で七星と喧嘩別れの予定だったが、トウマのチームが優勝すれば、正統な理由で僕は七星と別れる事が出来る。
ラブアシスト制度上、禁則事項である七星への恋心(もしくは、七星との恋心)を隠してきたが、ここで一旦、区切りをつけることが出来るのだ。
そうだ、僕みたいな運動音痴は、端っこでカードゲームをやっているのが常だ。
だいたい、こんな親睦会にいてはならない存在なのだ。
「続いての競技はテニス!代表2名ずつで出て下さい!」
次はテニスだ。
チームの代表2人がダブルスを組み、トーナメント戦を行う。
消極的な僕を悟ったのか、七星は魚住とペアを組み、出場した。
七星はテニスの練習でもしていたのだろうか?
う、上手い!
魚住も抜群の運動神経だ。
あれ、あれあれ、
勝ち進んでいるぞ???
気がつけば、七星魚住ペアが優勝していた。
「さっきの負けは少し取り返したんじゃない?」
各種目、1〜3位までが4-順位の得点を貰える。
テニスで優勝した僕たちチーム仲良しは3点。
トウマのチームAは5点だった。
2点差。
これは、もしかしたら、分からなくもない。
「次のパターゴルフは、代表1名です!」
「次はアンタが行きなさいよ!」
え!?