1-2.熱々カップル
その日の放課後の間まで、僕はトウマがひとりになるタイミングを見計らった。
しかし、さすがイケイケグループ所属だ。トウマは常に誰かと話をしている。
トウマを親睦会に誘う。
これが僕に課せられたミッションだと勝手に思い込み、スナイパーのごとく隙を狙っている。
「なーにやってんのよ」
下校時刻、トウマを追跡する僕に声をかけてきたのは七星だ。
「いや、その、あれ、トウマに話しかけようと思ってさ」
「話しかければ?」
それが出来ないからスナイパー業をしているのだ!分からず屋め!
「でた、また話しかけるのがナンチャラってやつでしょ?」七星が僕を責める。
あっ。
「七星、久しぶりにタイムリープを使いたい」
そうだ、僕には失敗が許される。
「トウマに話しかけて、失敗したら戻して欲しい」
「はぁ?話しかけて失敗なんてないでしょ?」
「い、いいから」
駐輪場。
僕と七星は並んで歩き、トウマに近づく。
意外にもトウマから話しかけてくる。
「よぉ、熱々カップル」
「や、やぁ」
「よっ」七星が手をちょいとあげている。
「ととと、トウマは明後日の親睦会に行くの?」
「行かないよ」
やはり、行かないのか。
ここで会話が途切れそうだった。
いかない理由は人それぞれであり、深追いする必要は無いと思うからだ。
「なんでさ?」
七星があっさり聞く。
「え?たるくない?」
たるい!?
たるいという理由で断れるのか!?
「せっかくだし、出なよ」
「いや、めんどくせーし」
「ミーコも楽しみにしてたよ?」
「いや、知らないし」
「出来れば出て欲しいなぁ」
「出来ないから出ない」
「つまんないのー」
七星がベロを出して、ベー、という仕草を見せる。
何かを思いついた様に、トウマは僕を指差す。
「チーム戦のスポーツ大会なんだろ?俺のチームが勝ったら、コイツと別れて俺と付き合ってよ。」
えっ!?
「いいわよ。負けないし」
即答する七星。
訳が分からなくなってきた。




