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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.02 それを使う人たち
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3-4.判断が正しかった


はっきりと、言わなくてはならない。


僕はこの目の前の男に、言わなくてはならない。


僕が避けていた、威圧的な人種の、魚住の提案を断らなければならない。


「や、やめて、おくよ」


僕はここで初めて意思表示をする。


「高嶺が好きなんだろう?」

「た、高嶺さんも好きだし、なな、七星も好きなんだ」


「あ?」


魚住が立ち上がる。


「女たらしかよ。ねーわ」


そのまま魚住が店を出た。




この判断が正しかったのか。

僕には分からなかった。




しかし、ここで、ひとつのある疑問が浮かぶ。


今、僕が七星を好きだと宣言した。

そもそも、僕と七星は付き合っている設定になっているのだが、ラブアシスト制度のルールを違反しているのではないだろうか。



天使は、どこまで僕の思考を読み取っているのだろうか?

そもそも、七星には上司とか、そういうのがいるのだろうか?

政府が打ち出した制度の割に、あまりにも自由が過ぎる。



あっ。



僕は思い出したようにカバンを探り、メモ紙を取り出した。



それは、以前七星から渡された、エンジェルコールセンターの電話番号。



分からないことは、ここに聞いてみるべきではないのだろうか。

僕はとりあえず店を出て家に帰り、部屋で電話してみることにした。



『フリーダイヤルでお繋ぎします』



プルルルル、と音がなる。

なんだか、普通だな、と僕は思う。



『こちらは、エンジェルコールセンターです。只今電話が混み合っております。このままお待ちください。』

このガイダンスが4回ほど流れる。そもそも、エンジェルコールセンターがこんなに混む事などあるのだろうか。


『お待たせしました』


電話の先は男性の声だった。


「も、もしもし、あの、聞きたいことがありまして」



『どのような御用件でしょうか?』


男の声は優しい。男も天使なのだろうか?僕は天使=七星というイメージがついてしまったので、丁寧な対応に驚く。



「いま、ラブアシスト制度で、天使さんに祝福をしていただいているわけですが、そのラブアシストのルールとか色々教えて頂きたくて」

『制度に関するご説明は、事前に資料として担当天使からお渡ししておりますが』

「えーっと、その、例えば、例えばですが、天使に恋をした場合、というより、どこからが恋なんですか?」



『恋というのは、曖昧ですね』



『それは、多くご相談をいただいております』



コールセンターの男は、語り出した。

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