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タイムリープは1日1回5分まで  作者: 大野春
chapter.02 それを使う人たち
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1-5.あんな魚


「アンタには分からない良さがあんのよ」

七星が魚住に答える。


「美人がもったいないぞ」

魚住が返す。僕の目の前でこんな事を言える魚住はやはり性格が悪い。ただ、クラスメートの男子の代弁かもしれない。




やはり、居心地が悪い。


そんな事なら、やはり七星と付き合うフリはしなくて良かったと思う。



その日、僕は七星と一緒に帰ることにした。

しばらくはこうして、カップルアピールをしなければならない。


「な、七星。やっぱり、これっていいのかな?」


「なにが?」


「魚住くんだけじゃないと思う。僕と七星が付き合っていると、なんだか皆から恨まれている気がする」

「なんで?」

「き、君と僕は不釣り合いだし」

「不釣り合いだと付き合えないんだ?」

「うーん。き、君には、分からないと思うんだ。そういう感覚」


「やっぱりアンタ、うじうじくんだよね」


七星が語り出す。


「私、色んな人を見てきたけど、アンタたちよりも年取った人たちはみーんな、容姿だとかそんなもんは気にしてなかったよ?若ければ若いほど、見た目ばっかり気にしてるの。アンタこそ、人間のくせに、若さ故に人間を知らないのさ」


はぁ。人間を知らない。天使に言われても納得は出来ない。


「でもね、私はアンタの思慮深いとことか、好きだよ。見た目は冴えないし、言いたくないけど私服はアレだし」

僕は何も喋れない。


「あんな魚住みたいな男が持て囃されてるほうがおかしいよ。アンタはあんな男より、かっこいい」


僕は、素直に嬉しかった。



「あんたに足りないのは」



ーーー自分に足りないもの。



ーーー分かっている。



ーーーどこかにしまっているだけの



ーーー自分を主張するための根拠。



「自信」

僕が先に言う。


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