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(仮)異世界ライフは突然に  作者: ai-emu
【閑章】転移してきた元クラスメイト
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【第40話】ドアを開けたら森の中!?いきなり始まるサバイバル生活

僕の名前は、高梁喜秀。17歳。男。


現在、やたらと巨大な木が育つ大森林の中を、絶賛迷子中である。

服装は・・・・、ついさっきまで寝ていたため、寝間着代わりにしているTシャツとトレーニングパンツ、あとは部屋履きのスリッパです。

後は、何にも持っていません。


意味が分からない?


僕もわかりません。


寝ていた理由は、風邪をひいて熱があったためなんですが、今はすこぶる元気です。ついさっきまで魘されていたのが嘘のよう・・・・。

喉が渇いたので、何か飲もうと部屋の扉を開けたら、・・・・森の中だったんです。慌てて振り返ったら、握っていたのはドアノブではなく、大木から突き出た瘤のような物体だったんです。

ス推し考えてみると、扉を開けた瞬間、周囲が光に包まれていたような気がします。


そして、ここは何処だ?と思いながら、数日間森を彷徨い今に至っております。


最初は、瘤のついた大木にもたれてじっとしていたんですよ?


『迷子になったらその場を動くな』の格言の通り、その場を動かず救助?を待っていました。

そして、そのまま夜になり・・・・。


うとうとしていたら、身の丈5mほどの狼に出くわしまして。必死に抵抗しているうちに、どういうわけか大木から違う場所に移動しておりまして。

もう訳が分かりません。

あの瘤のついた大木は何処へ行ったのやら。


そして、森の中でのサバイバル生活が幕を開けました。


それから、何日経過したのかは知りません。

じっとしていてもどうにもならないので、食料を摂りつつ森の中を彷徨い、狼やら熊谷らに襲われては、不思議な力を発揮して見ず知らず(元いた場所も知らないのだが)の森の中へと移動する生活です。

そうしているうちに、この不思議な力っていわゆる『魔法』ではないかと。

僕もオタクの端くれ。

親しい友人に勧められてそっち系の小説やら漫画矢らを読み漁っていたりします。

そういえば、そのお友達らは、今どうしているのかな?

元気してるかな?


まあ、いいや。


それからの僕は、それらから培った知識を使って、この不思議な力の制御に努めていきます。

自己流で始めた魔法の訓練で分かったことは、僕には、火と風と時空間の属性の魔法が使えること。水系統が使えなかったのは痛いですが、そこはそれ。

風系統の魔法で何とか代用しようと試みました。

試行錯誤の末、人工的に雲を作り出す事に成功。そして水の確保に至りました。

そして、とある考えに行きつきます。


これがの事を結びつけるのに、ここは『異世界』と呼ばれている場所ではないかと。


地球では考えられない植生・動物・現象?事象?

異世界ならば、これらの事も辻褄が合います。

僕自身、魔法みたいな力が使えるのが、最大の理由だったり。


そうして、森の中で魔法の訓練を繰り返し、ひと月くらい経過しました。

そろそろ、着たきり雀はまずいかなと思っていたころ、僕は森の中であの有名な人たちに囲まれました。


すでに、巨大な狼やこれまた巨大な熊は、僕の敵ではありません。見つけ次第、魔法の実験台と化して食料確保の目的で殺しています。

はじめは、生き物を殺す事に抵抗があったんですが・・・・。

解体は・・・・そもそもやり方が解らないので適当です。

時空間魔法の『万能虚空庫ストレージ』という魔法を作ってからは、魔法で殺した動物たちで、余った部分も腐らせずにとっておけます。

そうそう、動物だけではなく、人間も殺したこともあります。殺した相手は、異世界で有名な盗賊さんです。

そう、僕が森の中で襲われたのは、異世界では掃いて捨てるほどいるらしい盗賊さん。

殺すやる殺さやられるか。

この2択しかない中で僕が選んだのは・・・・。


人間、なれって恐ろしいですね。


ゴブリンを殺すやるかのごとく、僕の唯一の武器である魔法で盗賊さんたちを殺戮してしまいました。

所詮は盗賊です。

罪悪感は・・・・・、ほんのちょっぴりだけありました。

もちろん、盗賊さんたちのアジトにもお邪魔して、色々とプレゼントしてもらいました。


こうして、野生児全開の生活をエンジョイ?していた時、森の中を横切る街道で、1台の馬車がオーガ4匹に襲われている現場に出くわしました。

オーガの背丈は、3mほどが2匹と、5mほどが2匹。

親子でしょうか?

珍しいですね。

親らしき2匹のオーガは、子供らしきオーガが馬車を襲っているところを後ろから観戦している模様。見た感じ、狩りの仕方を教えているみたいです。

対して、狩られる側の馬車はといえば、箱馬車の周りを囲むように立つ2人が、一生懸命オーガの攻撃を防いでいる模様。足元には、4つの死体が転がっていることから、すでに詰みの状態でしょうね。馬車を曳いていた馬も、騎乗用?らしき馬もすでに地面の横たわっています。


まさしく、テンプレなフラグが建っております。


さて、どうしようかな?

盗賊さん以外の人間には、この世界に来てから出会った事がない僕。そろそろ街に行ってみたいと思っていたところです。

と、いうことで。フラグを回収しましょうか。


僕はまず、高みの見物を決め込んでいる親オーガを時空間魔法の『空間断裂スペースカッター』という自作魔法で首を斬り落としました。小説の中のオーガは、全身が武器や防具の素材だと言う設定が多かった。なので、この世界でも同じだろうと仮定し、なるべく多くの素材が取れる形で殺します。

いきなり親オーガが血潮を上げながら地面に轟音とともに転がったため、戦闘中の2人と子供オーガが、動きを止めていました。

「何をしているんですか!!速く止めを刺しなさい!!」

僕の叫びに我に返った2人は、素早く子供オーガに迫りその命を刈り取りました。

「助かった。助太刀ありがとう。ところで君は・・・・。」

何か言い淀んでいる助けた男。そういえば、今の僕の格好は、男なのか女のか判断できない格好をしていること気が付きました。


そう、僕の今の服装は、盗賊さんたちのアジトからかっさらってきた服の中で、一番ましなものを着まわしている状態だ。

盗賊さんたちが着ていた服は、ゴブリンの腰布みたいな臭いがしていたので、もちろん、盗賊さんたちとともに灰になっています。

そして、アジトの中を物色し、僕の背丈と相談して着れそうな服だったのが、それが膝丈の黒色ワンピースと真っ白なオーバーニーソ。黒色のローファーに、フリルまぶしい小さめのエプロンとカチューシャ。どこからどう見てもメイドさんの服装である。

これは数百着あった。・・・・新品の状態で。

後は、反物が数十本転がっていたが、残念ながら僕には裁縫関係は壊滅的だ。

仕方なくメイドさんになって、ほんの少しの抵抗で、反物に紛れていたロープを纏う。


これが今の僕の服装だ。


こんな服装だったので、目の前に男の人は、僕がどっちの性別かを判断できなかったんだと思う。

「こんな服装だから魔用とは思いますが、僕はれっきとした男の娘ですよ?」

何か、漢字が違うような感じがしたが、今はスルーしておく。

「僕の名前は高梁喜秀といいます。この森の中で、半年ほど暮らしています。そろそろ街に行ってみようかなを思って、街道沿いを歩いていたら、オーガに襲われている馬車を発見したので助けたまでです。」

「ありがとうな、・・・・坊主。お前が助けてくれなければ、全滅するところだった。俺は、アサルスという冒険者だ。そして、こいつが俺の相棒のケナルだ。あとは・・・・、オーガたちによって殺されてしまったから、名前は知らなくてもいいだろう。そこで死体になっている6人で『グライシス』という冒険者パーティを組んでいた。」

アサルスさんは、地面に転がっているかつての仲間を見つめながら層切り結んだ。

「お助けくださりありがとうございました。わたくしは、アリサ=ライドと申します。ライド商会の素材輸送部の部門長をしております。お見知りおきを。

では早速ですが、ここにいては、ほかの魔物が集まってくる可能性がございます。何処か安全な場所まで移動したいのですが・・・・」

そこで言いよどんだアリサさん。何を言いたいのか、即座に理解する。


そうだよね。


馬がすべて死んでしまったんだよね。これでは馬車を曳いていくことは困難だ。それに、その元凶である4匹のオーガ。素材としてはとってもおいしいこれらを、ここで捨てていくのは、商売人としては・・・・と感じなんだよね。

なので、僕から提案をする。

「大丈夫ですよ。僕がすべて持っていきますので。」

「「「えっ!!??」」」

3人の声がハモった。

僕は、3人の反応を楽しみつつ、万能虚空庫ストレージにオーガを収納する。そして。

「なんなら、そこの馬車事万能虚空庫ストレージに収納しましょうか?」

「・・・・はい!!できるのならばお願いします。」

僕の提案に、アリサさんが即答した。


それからは、テンプレ通りの展開になり、アリサさんの目的地であるパリダカへと向かう僕だった。

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