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傍若無人なる至高の聖女  作者: 抹茶な紅茶
南海リゾート泡沫事件
36/93

ブルジュ王宮は破壊されているか!?



大型輸送機 零式フガクは・・・・

ついに全てのエンジンが火を噴き、エンジン部分を全て放棄、

そのままグライダーとして滑空したまま・・・

ブルジュ王宮の屋根へと突入するのであった。


ズド――――ン

幸いながらアルコール燃料を投棄したため、爆発炎上はない!

しかしながら・・・


屋根を突き破り、その下の床を破壊しても、なおも勢いが止まらず、

王宮部分の土台となる柱を次々と破壊し そのまま 王宮中心部へと突き進んでいく大型輸送機。


ズドドドド~  ドッガドッガドドグシャーーーン バシャん ドンドン

壮麗な美術品も装飾品も、無慈悲な輸送機により破壊されていく音である。

美しかった謁見の間も いまや瓦礫の山と化している。



しかし それだけではない! もうすぐ王宮としての最後を迎えようとしていた。

王宮を支える柱の数多くが破損し 地震でもしたかのように揺れ動き、

建物としての構造体を保てなくなりつつあったからである。





ゴゴゴゴッゴゴゴ


流血パンダの頭上を襲う巨大な柱!

すかさず、避けるがすぐに、天井が落ちてくる。

そこを魔道チェンソーを振りまわし、落下する天井を叩き割ると、

間髪入れずに再び柱が襲ってくる。


「大丈夫か!?  ルナ―リア」

「無事ですわ でも・・ちょっと怖い」


抱きかかえているルナ―リアの安全を考えると、さすがの流血パンダも恐怖を感じ始めた。


『 エルノスティ王子! これは姉であるエレオノーラ様の援軍が 

この王宮に突入してきた余波だと思われます・・・

この王宮が破壊される危険があります! 逃げてください 』

メイド五人衆は エルノスティ王子に忠告した。


「お~ 姉上が・・・ 俺まで殺しかねないような援軍を派遣するとは・・・!!」


流血パンダの最大の障害は 味方の援軍だったのである。


混乱し右往左往するヴィジャナル王国兵士を切りきざみながら・・・・

ルナーリアを抱きかかえた流血パンダは、すばやく脱出を図る。


流血パンダ+ルナーリアと メイド五人衆は 4階の窓を叩き割り、そこから脱出、

王宮前の庭に着地したところで、凄まじい破壊音が空気を震わせた。


ズドドドドドドドド


壮大で華麗であった王宮は、ついに、一階部分から徐々に崩れだした。

ドミノ倒しのように・・・・・・

文官なのか兵士たちなのか 悲痛な叫びが響き渡る。

内部は地獄絵図になっているのだろうか!?





「エルノスティ王子さ・・ま・・・  あの・・美しい王宮が・・・」

「・・・ルナ―リア」

さすがの流血パンダことエルノスティ王子は 崩れていく王宮を見て立ち尽くす。



王宮崩壊は、天高くまで白い埃を舞い上がらせ、そして・・・・・

徐々にブルジュの町全体を白く染め上げていく。



「いったい 何が起こったのだ!?」

現状を把握できない兵士たちは、右往左往をするばかりである。


そんな真っ白で視界がきかない世界に異様な音がなり響く。


ドゥロロロロロロ~ン


アルコールエンジン特有の駆動音である。


そして…白い埃がおさまり 徐々に視界がみわたせるようになった元王宮に、

不可思議な連中が横に並び整列していた。


モヒカン頭と、めだつショルダーアーマーを装備させ、

なぜか上半身を はだけさせる格好で 片手にギター的楽器を持ち 妙な二輪のようなものに、またがっている。


あれだけの墜落と言ってもいい状況にもかかわらず、

キシ・バイク隊は、なんでもないかのように その健在ぶりをアピールしてるようだ。


『 聖女帝国キシ・バイク隊! 地獄絵図と混沌ミュージックを再現するため世紀末的に参上!! 』

スポットライトとミラーボールであたりを光らせ、ハードロック的BGMが響きわたり、

なぜか持っている楽器を地面に叩きつけて破壊するパフォーマンスもしている。


『 きゃほ~~おららららぁぁあ

『 おれたちのサウンド世界だぜ!! うぎょょょぉぉぉ 』


この 異様なキシ・バイク隊は奇声の叫び声とともに 40名が一斉に町周辺を疾走し始めた。

大混乱し指揮系統が崩壊しているヴィジャナル兵士たちは、この妙な集団に驚き、対処しきれず、

逃げ惑い始めた。

「なんだあれは~!!」


逃げ惑う兵士の後ろから、バイクにまたがるモヒカン男が 手に持ったギター風楽器で殴り倒していく。

『 ヴィジャナル兵士は絶滅音感だ!! 』

キシ・バイクの殺戮は崩壊した王宮からブルジュ市内に広がり、

町全体が ハードミュージックとともに恐怖につつまれる。


「姉上の配下の男たちって・・・・   かっこいい!」

流血パンダのエルノスティ王子はキシ・バイク隊の奏でるハードロック音楽に体をおどらせるのであった。





王宮から少し離れたブルジュ市内にて、逃げ惑う兵たちを集結させ、反撃の準備をすすめる軍団長のドイルス。

狭い街路でバリケートを張り、キシ・バイクの襲撃を防ぎつつ、ちょっとした砦を作りつつあった。


「敵は少数だ! この大陸に散らばっているヴィジャナル王国軍が戻ってくれば、あの王子を撃ち取れる」

大柄な体のドイルスの拳を机に叩きつけて強弁した。


「倒せる! 勝てる!  あのパンダ王子を殺せ!」

兵士たちの士気をあげるために、あらん限りに怒鳴る。

「勝てる! 勝てる!」

兵士たちも合掌し始めた。


「勝てる! 勝てる!」


ドイルスの努力によって 徐々に兵士たちの やる気と活気がみなぎってきた。

再集結したヴィジャナル兵2000名が雄叫びをあげた時。

彼ら兵士の頭上に巨大な影が差してきた。


明るかった青い空が、黒い何かに包まれるように、ブルジュの町全体を覆った。

「なっ!」


歴戦の勇者でもあるドイルスも頭上を仰ぎ、声もでない。


「あれは・・・・」


「セル―カ王国があのようなものを保有・・・」

ドイルスの努力により 最高潮にあがった兵の士気が 完全に崩壊した瞬間であった。



ミレイユ聖女帝国本体である飛空円盤が ブルジュ王都上空に姿を現したのである。

そして、電磁砲が飛空円盤の側面、底辺からせり出し、ブルジュ周辺の小高い丘にターゲットロックした。

今回、使われる電磁砲の弾丸はアルコール気化爆弾。


これは、着地点付近に強力な圧力をかけ 全ての物を破壊つくす凶悪な兵器!!

サラの新開発兵器であり、実験もかねての試射でもあり威嚇でもある。



ズド―――――ン

電磁砲の一つが火を噴いた。


地上のヴィジャナル王国兵は、頭上を見上げ今まで見たことない巨砲と その砲撃による衝撃波を目撃したのである。

衝撃波は、地上の町に旋風を作り出し、建物の間や路地を突風のように吹き上げ、屋根や家屋を破壊していく。


すごい・・・・・・

多くの兵士たちは、無口となり唖然として見上げたままである。

 

しかし! それだけではなかった!


電磁砲から放たれたアルコール気化爆弾は ターゲットになった小高い丘へと マッハ6の速度で飛翔していく。


そして、その小高い丘が大きく膨らんだと思った瞬間 凄まじい閃光を周辺に放ち、世界を一瞬の間だけ真っ白にかえた。

その後、数秒後の遅れとともに 地面を揺らす轟音と振動がブルジュの町全体を襲う。


何が起こったのか!?


ブルジュ在住のヴィジャナル兵は 町の近郊で起きたその光景に恐怖した。

立ち上る砂煙が地平線いっぱいに広がり、、天まで登るキノコ雲が 全天へと徐々に広がっていく。

そして 爆発によって吹き上げられた砂や石が、雨のように天から降ってきた。


この世の終わりとしか思えない光景を兵士たちの目に焼き付けたのである。


それからしばらくして・・・・・

頭上から聞こえてくる 優し気な女性の声。



==== 我らはミレイユ聖女帝国である。

ブルジュの町は我ら帝国の同盟国であるセル―カ王国によって解放をしたことを宣言する。

それでも、抵抗しようとするのなら 地獄の苦しみを知ることになるだろう ====



もはや、この言葉に士気は完全崩壊した。

恐怖と恐慌!

敵は人ではない! 神か悪魔か!?


武器を捨て、逃げだす兵士が続出しはじめ軍団長のドイルスも抑えがきかなくなった。

「逃げるとは何事だ!  」

ドイルスは腰にさしている剣を抜き一振りする。

「逃げるような腰抜けは 俺が斬る」


この言葉に凍り付く兵士たち。

恐慌状態の兵士が一瞬、我に返り、逃げる兵士が静止した瞬間、



飛空円盤の電磁砲がドイルスに向かって砲弾を放つ。

ズド――――ン


空気が揺れ、耳をつんざく炸裂音。

衝撃波によって 何人もの兵士が吹き飛ばされる。

なかには、三階相当の高さまで吹き飛ばされた兵士もいた。


そして、かつてドイルスのいた場所には、巨大な穴が開き、黒い何かが横たわっていた。

おそらく軍団長ドイルスとともに、かなり多くの兵士も巻き込まれたと思われるが・・・

遺体さえ残らなかったのである。


軍団長ドイルスは行方不明あつかいとして 公式記録に記されている。



「ぎゃゃゃぁぁぁ」

もはや兵士たちの強行状態を止める者はいない。

我先にと逃げ散っていく兵士たち。

あたかも海の波のごとく、 ブルジュの町の外へと逃げていくのであった。





執務室の窓から吹き飛ばされ怪我をしたラファーエル王子と ホールン伯は、

空き家となったベットで寝かされているが、いまだに目を覚めていない。


そして この薄暗い部屋には、この二人しかいなかった。

この二人を運び込んだ兵士はいない。

どうやら、王子を放棄して、逃げてしまったようである。


目覚めない二人の貴公子は、静かに眠り続けている。




飛空円盤・艦橋室で、ミレイユがエレオノーラ王女と今後の方針を話あっている間、

サラは独断で 地上への直接攻撃を決断したのであった。


ミレイユには、人への直接攻撃を嫌うとこがあるからである。

しかし、ここは心を鬼にして、ヴィジャナル王国軍の始末をしなければならない!


地上での様子をディスプレイから観察し、ヴィジャナル王国軍の司令官級の人物と判断。

ブルジュで徹底抗戦など やっかいなことをされないために素早く抹殺することにしたのであった。


そして ブルジュの郊外に逃げるヴィジャナル王国兵士の後ろから襲撃してくるキシ・バイク集団。

ヴィジャナル王国兵士には 徹底的に恐怖を叩き込む作戦である。

次々と兵士たちが ギター風の楽器で殴られていく。はたして、どれだけ生きて帰れたのであろうか。


この作戦はサラの独断であり 決してミレイユに知られてはいけなかった。





「知ってますよ!」

艦橋であっさりと ミレイユに言われたサラであった。


「えっ!   知ってた!?」


「サラちゃんが、こっそりやってるのは知ってました。

あまりにも熱心に指令書を書き込んでいたので、私がサラちゃんの背後で 

こっそりと内容を盗み読んでたのですよ!

 分からなかったのかな!?」


「ぬっぬぬ・・・   ちょっと集中しすぎた!!」


「私も戦争だと分かってます。  残酷な映像さえ見なければ なんとか耐えれますよ」

「おねーさま・・・・・」


「戦闘も今回で終わってくれたらいいんですけどね」

「終わらせますよ!」



しかし ミレイユの顔色が髪の毛の影によって暗く見えたのは気のせいだったのだろうか・・・・






-------------------------------------------



瓦礫と化したブルジュ王宮。


その瓦礫の上に 王座を二つ備えつけ、

いま流血パンダこと 第3王子エルノスティ王子が、堂々とパンダの着ぐるみを着て座っている。

姉のエレオノーラ王女とそっくりな顔に長い銀髪が風にたなびいている。

知らない人が見れば女性と間違うほどの美しさである。

ただしパンダの着ぐるみを着ている。


その横の王座には、黒髪をたなびかせた、美しいライエ・ノル・ルナーリアが座っていた。


この時!! 

重く垂れこめた雲の裂け目から太陽の光が差し込み

あたかも暗闇の中、スポットライトに照らされてるかのように 

王座に座る二人が浮かびあがっていた。


「 セル―カ王国の復活と新国王の即位を ここに宣言する 」


パチパチパチパチ、隣にすわっているルナーリアが手をたたく。

「エルノスティ国王万歳  エルノスティ国王万歳」

たったひとりの女性の声が 天高く響くのであった。



ここには、この二人しかいなかったのである。

瓦礫と化した王宮と、住民のいないブルジュの町、

歴代セル―カ王国即位式の歴史では特筆すべき出来事であろう。

さびしい即位式であった。










--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ) ついにセル―カ王国の復活!!!




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