花の化け物ーデアンカの勇気ー
デアンカの勇士を見よ!
どうしよう。二人は上に行ったきりで戻ってこない。僕一人では何もできない。仲間ができて初めて分かったことは盾は他の人も守るためにあるということ。それなのに、今は守れる範囲にいない。どうすれば。
そんな彼の苦悩とは関係なく、敵は現れる。その巨大な敵の足元に先ほど倒した、四、五メートルの敵が土の中から現れた。もしかしたら、上でも同じことが起こっているのかもしれない。敵は三体。
僕だってちゃんとやんなきゃ。怖がってたら皆に迷惑がかかる。それだけはよくない。
「アタックスキル! 盾刃閃!」
盾の先端にある刃が輝きだす。彼はそれを大きく持ちあげて敵に向かっていく。そして、敵三体が横一列に並ぶ位置でその大盾を横に思いっきり薙いだ。光の弧が大きく描かれた。そのあとには敵はいなくなっていた。
「敵は倒したけど、このままじゃきっとまた出てくる」
彼は少し思うところがあった。ララを持ち上げたときにあんなに高く持ち上がるものかと。さらに二人も載せてあんなに高く持ち上げられるのかと。自分のスキルメニューを開くとそこには始めたころに覚えたパッシブスキルのノックバックがあった。さらにそれの強さは+++。中くらいのランクとなるものだった。つまり、一人で戦っていたときに、敵を飛ばしまくっていたら、いつの間にか成長していたというものだ。ノックバックの効果は物体を盾で飛ばした時に遠くへ飛ばすというものだ。だから、あれだけ飛ばせたのだろう。それなら、地面に盾を当てて、僕は吹っ飛べば上に行けるのではないかと彼は考えた。
地面に盾を構えて、思いっきり突き飛ばす。案の定、彼はジャンプよりも高く飛んだが、彼女らのところまでは届かない。しかし、敵の持つ大きな葉の上には乗ることはできた。あと少しで頂上に着く距離だ。次の葉まではジャンプでは届くか届かないかの距離だ。盾を使っても葉が揺れるだけ。なら、どうするか。彼はまたスキルメニューを開いた、何かいいスキルがないか考えるために。
彼は見たことのないスキルを見つけた。それは、スイッチスキルという欄、攻守交替というスキルだった。そのスキルのスイッチをオンにする。
「スイッチスキル。攻守交替」
彼の手から盾が離れていく。盾の大部分が畳まれていく。盾の先端についていた刃が剣の形にまとまる。その下方向から、持ち手と思われる部分が出てきた。それが、彼の手に戻った。
「これは、剣? 何かで読んだ、あの剣みたいだなぁ。確か名前は『エグゼキューター』」
長方形の剣部分に持ち手。そんなシンプルな剣だったと思う。これもそれと同じような作りだ。大きさはそれの何倍かはあると思うけど。
「これなら倒せるかも。スキルも一つあるみたいだし」
「アタックスキル! フライストライクッ!」
大きな剣を下に構えて、飛び上がる。剣は黄色の光を纏い、彼の手に巻き付いてくるように大きくうねる。そして、飛んだ勢いと合わせて大剣を振り上げ、敵に一撃入れる。そして、振り下ろしで、もう一撃。その大きな花の化け物は大きくうねって消える。
「僕には絆があるんだ! 負けられない!」
彼らの真似をして決め台詞を呟く。なんとなく恥ずかしい気がした。
「ちょ、ちょっとーー!」
何も考えず、敵を倒してしまってから思ったが、上には仲間がいるのだった、落下のダメージはないからいいものの、失礼なことをしてしまった。
「へえー! デア、やるじゃん」
「ああ、見事なもんだな」
「ありがとうございます。でも、まさかこれが剣になるとは思いませんでしたよ」
大剣は大盾に戻っていた。
「確かにね。でも、これで新たな戦い方ができるかもしれないよ」
僕もこの人達の為に頑張ろう。僕が強くなるためだけじゃなくて、この人たちと戦えるようになるために、僕は頑張ろう。
パッシブスキル...何もしなくても発動しているもの。本作は使うことによってランクが上がり、「+」が多いほど強くなる。
スイッチスキル...オンとオフを切り替えられるスキル。その名のとおり、オンとオフを切り替えて使う。両立できないものや、何かを犠牲にしなくてはいけないスキル。
今回は大盾を大剣が両立できないので、スイッチスキルに変わることができる。
すみません、チュートリアルでは触れられなかったので、あとがきを使わせてもらいました。この二つ以外にももしかしたら増えるかもしれませんので、あとがきを一応見ていただけると話が分かりやすくなるかと思います。
話は続きます。




