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懐かしい道
私は幼馴染と一緒に帰っている。
最後に帰ったのはいつだったか、もう憶えてすらいない。
夏が遠くなった風が吹くなか、隣に歩いている沢渡圭太は、何かを考え込んでいた。
「どうしたの?圭太」
「なんでもないよ。」
相変わらず、ぶっきらぼうな人だ。
「うっそだー‼️ 絶対、考えていたでしょ。」
私はあえて小学生の時のように振る舞った。
「本当になんでもないよ。」
「後輩マネージャーのこと?」
自分で言っておいて、心がざわつく。もう終わったはずなのに。
「しつこいぞ。」
言われてしまった。確かに踏み込みすぎた。気まずい雰囲気が流れて、会話が続けられない。
「それよりいいのかよ。自慢の彼氏と一緒じゃなくて。」
ドキンと心臓が跳ねるのがわかった。全身から血の気が引いていく。わがままかもしれないけど圭太の口から聴きたくなかった。
「予定が合わなかったんだもん。」
何とか平静を保ちながら、答える。心臓がどくどく速くなっていく。
「感じ悪いよ。」
違う悪いのは私だ。圭太は悪くない。
「そうでもないよ。」
圭太はバツが悪そうに答えていた。無言の時間が流れる。いつからこんな関係になってしまったのか。
私達は幼馴染だった。




