第2話
第2話
「嘘だろ?」
様子を見ていた男子が一人腰をぬかした。
「え?マジ?頭から血出てんじゃん。」
男の子がもう一人言った。
『きゃー!!』
女の子達が悲鳴をあげた。
「霙?うそだよね?嘘って言ってよ。ねえ、さっきみたいに元気に話してよ。霙。霙ー。霙ーー!!!」
由梨矢は泣いて呼んだ、私のことを。
「由…梨矢。泣かないではあ、はあ、はあ、泣いちゃ可愛い顔が台無しだよ。」
私は由梨矢が悲しまないようにと笑顔で祈りながら言った。
「霙。お願い。しゃべんなくていいからもう、しゃべっちゃだめだよ。血が出ちゃうから。」
由梨矢は泣きながら言った。
「何で。そこまでするんだよ。友達に。何で命かけてまで友達を守ったりするんだよ。」
厚樹は怒っているような顔で私に言ってきた。
私はふらふらしながら立ち上がった。
「あんたは、厚樹は自分が助かればなんだってやっていいなんて思ってるみたいだけど、友達
は金ではかえない。一生のかけがえのない人なんだよ。どんなに自分が傷ついてたって、どんなに自分が苦しんでたって、友達を傷つけてはいけないんだよ!!!はあ、はあ、はあ、あんたにはわからないでしょうね。女も、男も、暇つぶしにつかってる最低なやつなんかにわかんないだろうけどね!!!」
ズキッ
「くっ。」
ガクッ
「霙?!」
由梨矢は泣きながら心配した。
「大丈夫だよ。」
私は笑顔で言った。
「疲れちゃった。眠っていい?由梨矢、足かして。」
私は疲れ果てて言った。
「うん、いいよ。」
由梨矢は涙をこらえて笑顔で言ってくれた。
「ありがとう。」
私はゆっくり目を閉じた。
私も由梨矢も厚樹も、みんなわからなかった……
私の命はここで360度回転してしまうこと……




