333話 『デス』VS『フチア』。
333話 『デス』VS『フチア』。
爆上がりした士気を原動力にして、
デスを殺そうと必死になる軍人たち。
デスは、そんな彼らの奮闘を無視して、
捕まえてきた『民間人クズ』に、
『ふさわしい暴力』をくわえていく。
その凄惨さが、あまりにもむごたらしいので、
精神的にタフなはずの軍人たちの大半が、
最低一度……多い者は3回以上ゲロを吐いた。
吐きすぎて喉が痛くなる者多数。
それでも、デスの暴挙は止まらない。
民間人クズをある程度ぐちゃぐちゃにしてから、
デスは、
「さて……」
と、デスクワーク中に一呼吸おくみたいな雰囲気で、
一度、顔をあげて、
腰や肩をトントンしてから、
「連鎖龍毒ランク5」
龍の形状をした毒の波動が、意思を持っているかのように、うねうねと身を震わせながら、この場にいる軍人・憲兵たちに襲い掛かる。
「「「「「あああああああああああああああああ」」」」」
デスの龍毒に触れた者たちは、みな、
そこそこの筋弛緩毒に犯され、白目を剥き、ぴくぴくと痙攣する。
『殺す気は一切ない攻撃』なので、当然、誰も死んではいない。
指一本動かせない状態で、死ぬ前のゴキブリみたいにひっくり返っている面々を見渡しながら、
コキコキっと首をならしていると、
そこで、
「発見しました、フチア様! ……アレです!!」
ようやく出動してきた精鋭の中の精鋭。
この街の最大勢力。
ガリオ親衛隊。
フチアをリーダーとし、存在値50以上の十七眷属候補生だけで構成された最強部隊。
ガリオ親衛隊の登場を受けて、
物陰から隠れてみている民衆や、
まだ生きのこっているクズどもや、
毒で動けない軍人たちは、
声に出さずとも、
『よかった、これでどうにか……』
と、期待を胸に抱いた。
『ガリオ様直属親衛隊ならば、あのアンデッドもどうにかできるはず。というか、どうにかしてくれ。お願いだから!』
と、親衛隊の勝利を必死に願う。
……親衛隊の面々は、悲惨な現場を目撃すると、
真っ青な顔になり、ゲロを吐きそうになった。
……吐きそうになったというか……フチア以外は全員、いったん吐いた。
『精神力でも他を超越しているフチア』は、
グっと奥歯をかみしめながら、
「……貴様が……デスだな……カラルームの街を襲ったアンデッド」
「違うよ」
「……嘘をつくな。貴様のようなアンデッドが他に何体もいてたまるか」
「……いるかもよ、もしかしたら。知らないだけで」
「……っ」
フチアは、一度、ギリっと奥歯をかみしめてから、
「我々が相手になる。だから、貴様が捕まえている、その民間人たちは……解放しろ」
「これが気になる? じゃあ、処分しようか?」
そう言いながら、足元にあるクズの頭を一つ、カカトで踏みつぶしてみせた。
それを見て、比較的正義感強めの『ライバルト』が、
「貴様ぁあああああ!!」
と叫びながら、フチアの命令を待たずに突貫。
フチアは、ライバルトを止めるのではなく、むしろ支援する形の命令を親衛隊全体に出す。
全力かつ最速で、デスを殺そうと、出来る全てを賭していくガリオ親衛隊。
ガリオ親衛隊の面々は非常に強い。
フチアの指導のもと、高い練度を誇っている、本物の精鋭。
だが、流石に数値の差が激しすぎた。
デスは優雅に、サクサクと、ライバルトとリトライスを撃墜する。
それぞれ軽い一撃で意識を失った二人。
それを見て普通にビビる、パラサイカとマネジエアの後衛二人。
大事な前衛を失って、さっそく戦線崩壊する現場。
仕方なくフチアが最前線へと駆けて、
「地縛掌ランク4!!」
デスの動きを封じようと魔法を使う。
地面から噴き出してくる大量の魔法手が、デスを拘束しようと襲い掛かった……が、
「まあ……別に悪くないけど、さすがに数値が低すぎる」
デスは、冷めた口調でそうつぶやくだけで、
フチアの魔法に対して、何かアクションをしめすことはなかった。




