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309/334

309話 すべてはクロッカ女王様のために。


 309話 すべてはクロッカ女王様のために。


「これは、俺からじゃなく、クロッカ女王陛下の命令だと心得よ」


 と、簡単に前置きをしてから、


「――まずは、ガリオに連絡をいれろ。そして、先日『ゼノの大幹部スギナ』に襲われた『十七眷属ランディア』が、また、ゼノに襲われるというウワサを流せ」


 その発言に対し、ラーズが、


「クロッカ様の命令には従おう。……ただ、その噂の出所はどうするべきか聞いておきたい。急に、私発信で、その噂を流しだしたら、不自然であるから」


「その点については考えている」


 そう言いながら、センは、この部屋の調度品を適度に破壊しはじめる。

 壁や床にも軽く穴をあけてから、


「今日、カドヒトに襲撃されたということにしておけ。そして、その時に、犯行予告を受けたと言えば……おかしな点はないだろう。お前らが襲われた理由は……『十七眷属イルドカ』を狙った『ゼノ大幹部ゼミル』を、ラーズが撃退したから、それにカドヒトが腹を立てたから……ということにしよう」


「……了承した。それならば、筋が通る」


「あと、他にも、いくつかお前ら親子にはやってもらうことがある。資源の横流しであったり、二重スパイであったり、偽情報の密告であったり……クロッカ女王陛下以外の龍神族が全員消滅するまで、ずっと、クロッカ女王陛下のスパイとして、政治の中枢で暗躍してもらう。いいな」


 そんなセンの命令に、

 ライラス&ラーズは、ためらうことなく、首を縦にふった。



 ★



 ラーズ親子に指示を出したあとで、

 センはすぐさま、魔術学院に戻って、

 3組の生徒たちに授業を開始した。


 パルカやガリオの命令の合間を縫って、

 センは、ちょくちょく、学院に帰ってきては、

 生徒たちに、きっちりと、

 魔法や武の真髄を教えていた。


 グレートティーチャーとしての職務を忠実にこなして、

 3組の面々の実力を底上げしていっている。


 センエース指導のもとで、

 カドヒトに立ち向かい、

 1組やクロッカ相手に真正面から闘い、

 等級試験で暴れ、

 その後も、ずっと、指導を受け続けて……

 ……そんな、たくさんの濃い経験を積んだことで、

 3組の面々はたくましく成長していた。


 その成長率は、とんでもなく著しく、

 クラス総合力は、『ジバ&ビシャ』のブッチ切り兄妹をのぞいたとしても、

 普通に、2組を大幅に超えており、

 『1組(クロッカ抜き)』と、『ほぼトントン』というところまできていた。


 ちなみに現在の、3組の存在値が以下の通り。

 『センが担任になる前』→『現在』

 ハロ  『38』   →『46』

 ラス  『30』   →『41』

 マト  『29』   →『36』

 ヤン  『27』   →『37』

 リノ  『29』   →『38』

 ハプ  『26』   →『33』

 レク  『25』   →『32』

 ジバ  『57』   →『68』

 ビシャ 『73』   →『87』


 ジバ&ビシャ抜きの平均は『38』ぐらい。


 ちなみに2組の平均が『33』なので、大幅に超えている。


 1組の平均は『40』。

 まだ、普通に、1組の方が強いが、それは『現在』の話。

 このまま、センが3組の指導を続けていけば、おそくても半年……はやいと3か月ほどで、1組の存在値平均を超えてしまうかもしれない。


 この現状に対し、学校関係者や、教師連中や、1・2組の面々は、普通に驚いている。

 まっとうに、センの指導力や3組の面々の努力を誉める者もいるにはいるが、

 大半の者は、『あの魔人、3組の生徒に薬でも盛ったんじゃないか?』と怪しんでいる。

 疑われてもおかしくないぐらい、3組の面々は成長しすぎた。


 特に素晴らしい目に見えた成長をしたのは、……やはりというか、なんというか……『ラス』だった。


「豪氷矢ランク5!!!」


 センから与えられた自主課題を真剣に丁寧に愚直にこなし続け、

 マンツー指導でギチギチに資質を開花させた結果、

 ラスは、ついに、『ランク5』の魔法が使えるようになったのだ。



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― 新着の感想 ―
指示を出すだけでなく、部屋を適度に破壊して襲撃の証拠を自作自演するセン様の徹底した仕事ぶりに痺れました。
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