表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/33

16.大蛇が天使?!

 ミンハとレーリアがスピードを上げながら大蛇へと飛びかかる。迷いがない2人の連携した攻撃を見て、俺は拳に力を溜めて攻撃を仕掛けるタイミングを見計らう。


「えいっ」


「ワイドソール!」


 ミンハさんが大蛇の頭や体を炎が纏う杖で叩いていくと、レーリアは風を巻き起こして大蛇の体を勢いよく剣で攻撃する。攻撃の音がクリスタルの洞窟に響き渡ると、大蛇が大きな体を揺らし口から毒らしき紫の液体を2人に向けて吐き出した。


「ライトウォール」


 後ろに下がった2人の前にフローラがすかさず光の壁を作り毒を跳ね返したのを見て、俺とサバンナが同時に攻撃を開始した。


「ウィンドウカッターにゃ!」


「ライトニングボルト!」


 サバンナは大蛇に向けて双剣を振り下ろし、俺も拳から電流を流しつつ殴ると下がっていたミンハさんが後ろから魔法攻撃を発動させる。大きな岩が大蛇へ落ちていき大きな音を立てて爆発した。


 ドォオオーン! と黒い煙が立ち上がると大蛇の咆哮が聞こえ地面が強く振動し始める。再び大蛇の体から毒の霧が放出されていき、体に似合わず凄い速さで頭を動かし毒の液体を吐き出しながら尾を振り上げた。


「下がれ!」


 俺は液体を体に受けながらフローラが展開しているゴッドディフェンスの中へと戻りステータスを確認する。液体はやはり毒のようでHPの数字が減っていくのを見て毒を解除する魔法を発動させた。無傷のまま飛んで戻ってきたサバンナはフローラの背中にくっついて大蛇を見ているようだ。フローラのゴッドディフェンスは展開するエリア内に敵の侵入はおろか攻撃も受けない凄い防御魔法。


 ここにいる限りは一先ず安心だな。ミンハはスポットガードがあるから大丈夫だとして---- レーリアはどこだ? レーリアの姿を探すが見当たらない。


「フローラ、レーリアはどうした?」


「レーリアですか? あそこにいらっしゃいますよ?」


「あそこ?」


「大蛇の体にくっついていますが------」


 はあ!!? 再び大蛇に視線を戻すとレーリアの剣がチラッと見える。剣を突き刺しながら大蛇にしがみつき大蛇が揺れると今度は足が見えてきた。


「何でレーリアはしがみついてるんだ?!」


「良く分かりませんが---- 大蛇が尾を振り上げた時レーリアは避けずに受けてましたわ。体が宙に舞うとそのまま大蛇に剣を突き刺してしがみつきました」


 ------ 何でしがみつくんだ?! 戦闘狂だとは思っていたが、まさか吹き飛んでまで攻撃しようとするとは----


「ミンハ!! レーリアに毒解除の魔法を頼む! サバンナ、取り敢えずレーリアを大蛇から引き剥がそう。あのままじゃ魔法攻撃が出来ねえ」


「了解だにゃん!」


「フローラ、レーリアが地面に降りたら全員にヒールをかけてくれるか?」


「分かりましたわ」


「よし行くぞ!」


 大蛇が吐き出す毒を避けながら近づき地面を強く蹴って上に飛ぶ。サバンナも後ろから俺と同じ様に飛んできてレーリアに近い距離で大蛇にしがみついたが表面がヌルヌルして手が滑る。サバンナは爪を立てて安定したようにしがみついていたので、俺はサバンナの尻尾を掴んだ。


「にゃあ! 勇者様ぁ、尻尾はダメですにゃん!」


「サバンナ我慢してくれ! レーリア! 大蛇から一旦離れるんだ!」


「夕間殿っ! 私は大丈夫です、まだ攻撃出来ますー!」


 ------ はあ、これだもんなあ。仕方ねえ。


 サバンナの尻尾を両手で掴み振り子の様に左右に振りながら助走をつけているとサバンナの凄い声が聞こえてきたが無視してレーリアへと飛び移る。


「おい、このままじゃ魔法攻撃が出来ねえ。攻撃していいから怯んだら地面に降りろ、いいな?」


「分かりました----」


「絶対だからな。サバンナ! 今から大蛇に攻撃するからサポートを頼む!」


「にゃう---- 了解だにゃ」


「よし、レーリアやるぞ! フリーズラッシュで攻撃してくれ、俺は拘束するから」


「はい! フリーズラッシュ!」


 レーリアの魔法が発動し、剣の刺さる部分が凍りつくと剣を抜き氷を割るように攻撃しつつ大蛇の表面を切り落とした。サバンナはウォータースクリューを発動させているのか、双剣に水の渦を巻きつけて大蛇に傷をつけいく。


 大蛇が2人の攻撃で怯んだのか体を巻き付け始めたので、俺はレーリアの肩に足を置いてジャンプし拘束魔法を展開した。


「ダークチェイン---- トリプル」


 大蛇に通常の3倍の黒いチェインが巻きついたのを見て、2人にミンハさんの近くへ降りるよう指示を出す。


「ミンハさん! 頼んだ!」


「分かった」


 ミンハさんがレーリアに毒解除の魔法を放ち、それと同時に拘束した大蛇へ魔法攻撃を放った。ミンハさんの攻撃によって炎の波が現れ大蛇全体を飲み込んでいく。ミンハさんの側に立ち大蛇が炎の中でチェーンに拘束されたまま暴れているのを見ていると、フローラのヒールによって体が光に包まれ始めた。


「にゃあ! ダブルトルネードだにゃん!」


 サバンナは竜巻を起こし双剣を大きく振り下ろす。ミンハさんの炎の魔法と合わさって竜巻は威力を増し大きな音を立てながら真っ赤に爆発した。


 ドドォーン!! 爆風の勢いが強く体が風で浮きそうになるのを近くにあるクリスタルを掴んで耐える。


「にゃー! やりすぎたにゃーん!」


「サバンナやり過ぎよー!」


「びっくり」


 皆の声が聞こえてきたので大蛇から視線をずらせば、ミンハさんとサバンナが地面に剣を突き刺して耐えてるレーリアに捕まって体を横に浮かせていた。


 爆風が収まり大蛇に視線を再び戻す。真っ白だった表面は炎で焼けてしまい所々に赤い肉が見えまだら模様になってしまっている。流石に攻撃が効いたのか塒を巻いて頭を地面につけ伸びているようだ。


 ------ 後少しで倒せそうだな。伝説の大蛇ってあまり強くないんだなー、デカいだけか?


 少し残念に思いながら拳に電流を流し力を溜めていると、大蛇が小さく体を震わせ表面にヒビが走り出す。全体にヒビが入るとヒビから光が放出しさらにヒビが濃くなっていく。


 そういえば蛇って脱皮するもんなあとしみじみ思っていれば、ヒビから更に強い光が放出され元々のサイズより小さい真っ白な蛇が姿を現したのだが---- 何故か天使のような輪っかと羽がついていてチェーンをすり抜け宙に浮いている。


「ミィ〜」


 ------ なっ、羽?! まるで天使じゃねえか、蛇が天使?! しかもミィ〜って---- 


 伝説ってこういう意味か? 目なんてまん丸だし泣き声も可愛いなんて---- さっき迄の姿は何だったんだ?!


 天使の様になった大蛇は羽をパタパタと動かしゆっくりとこちらに向かってきた。ミンハさん達も驚いているのか、目を見開いて無防備な状態で突っ立ったまま大蛇を見ている。


「おい! ボーッとするな!」


 俺の言葉に皆肩をビクつかせて体勢を整えていく。俺は拳に溜めている電流を増幅させながら大蛇へと走りだし足に風を纏わせて高く飛ぶと思いっきり拳で大蛇を殴る。引いていた逆手でもう一発殴ろうと力を入れた瞬間傾いていた大蛇が急に姿を消した。


 はっ? 一瞬の事に驚いていると頭に強い衝撃を受けて地面へと叩きつけられる。叩きつけられる瞬間にスキルを発動させた事で衝撃をあまり受けずに済んだが頭に受けた痛みが強すぎてクラクラしてしまった。


「夕間様!! ライトウォール!」


 フローラの声が聞こえると同時に背中にドンっ! と衝撃音が耳に届いたので反射的にその場から離れる。天使の姿をした大蛇は先程と変わらず宙に浮いたままパタパタと羽を動かしていた。


「夕間様ー! 大丈夫ですかー?!」


「俺は大丈夫! 何があったんだ?!」


「大蛇が夕間様の頭に攻撃をした後、落ちた夕間様に向けて凄いスピードで向かっていきましたので魔法で止めました!」


「分かった! フローラ有難う!」


 ------ 殴った後急に消えたよな、何てスピードなんだ。このままじゃやべえな。


 俺は新しく手に入れたイミテーションスキルを発動させる為神経を集中させる。このイミテーションスキルは女神の加護と同時に手に入れたスキルだ。


 修行前に皆へ俺のステータスを見せた時に気付いたのだが、名前を見ても聞いた事がないスキルだったのもあって使うのが大変だった。自分の分身を作れる事が出来、攻撃を受けるまたは一定の時間戦った相手の技を模倣し使う事が可能だ。


 俺は自分の分身を作り、大蛇を見上げる。2人分の視覚を感じながら動くのは大変だが今使わないでいつ使う? こんなワクワクさせてくれるモンスターは久しぶりだ。


 俺は分身と共に拳を強く握ると、皆へ指示を出す為声を張り上げる!


「皆、一斉に攻撃だ! 大蛇を倒すぞ!」


 俺の言葉を合図にパタパタと羽を動かす大蛇へと再び攻撃を開始した。








読んで頂き有難う御座います!

天使のような蛇、楽しんで貰えたら嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ