88/118
ひどく淀んだ心にて
あといくか寝ると新年が来るとか
楽しそうに話している人々の
心の中ではどれほどの
ため息があるものなんだろう
誰かとともに過ごす年明けも
独りで過ごす年明けも
人によっては同じ憂鬱
時が過ぎて行くことが辛いのではない
誰かといることが
独りでいることが
辛いのではない
何かと区切りを付けて
社会の流れになんとなくついていっている
そんな自分が辛いのだ
ただ流されて
決断をしない決断をして
嫌なものを嫌と言い
好きなものを好きと言わない
駄々っ子のような生き方をする
そんな自分が辛いのだ
繰り返すだけ繰り返して
責任は遠い誰かのせい
自分じゃなにもしてないのに
そんな自分に呆れかえって
ため息をのみ込んで
周りの人間さえ
卑屈に眺めているのだ
2019/12/24