表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/26

乾杯

宴会場の大きなテーブルには、既に、お酒と食器が並んでいた。


シューリンは、中央の席に2人を向かい合わせに座らせると、タリアナの左側に位置取った。


「……それで、それで? ルシアン様とはどういう事情が?」


さっきから、次々に繰り出されるシューリンの遠慮ない質問に、タリアナは、嫌な顔一つせず丁寧に答えている。


「……だから、一緒に山を超えることになったの」


「へえ! 話を聞く限り、タリアナのサバイバル能力は相当だよね。本当に面白い! ルシアン様は、そんなタリアナに命を救われたわけだ。その上、仲間が見つかるまで一緒にいてもらえるなんて……幸運ね」


「ああ……本当にそう思う」

ルシアンは、素直に頷いた。


「タリアナみたいな人にはなかなか出会えないでしょう? 好きになっちゃった?」


「好きって……俺たちは出会ったばっかりだぞ……そんな簡単に好きになるのはおかしいだろ……」


シューリンにからかわれ、たじたじになったルシアンに、タリアナがトドメを指す。


「わたしは、ルシアンが好きだよ!」


「な……!」


顔を真っ赤にしたルシアンをシューリンが一瞥し、タリアナに問いかけた。


「私のことは?」


「シューリンも好き!」


「ボスのことも?」


「もちろん! 山賊のみんなも、ツユもアラシも大好き! ……出会ったばかりなのに、おかしいかしら?」


「……ふふっ……可愛いやつ」


シューリンは、タリアナの髪の毛をくしゃくしゃにしながら撫で回し、ふと思い出したように尋ねた。


「そういえば、タリアナは逃亡中って言ってたけど、誰から逃げてるの?」


「うーん、それを話し出すと長くなっちゃうんだけど……」


「今夜は泊まっていくんでしょ。飲みながらじっくりと話を聞くわよ!」


その時、出来上がった料理を持ったフュードが近づいてきて、当たり前のようにタリアナの右隣に座った。


「タリアナの事情? 俺も聞きたい!」


「いいわよ。信じてもらえないかもしれないけど……全部話すわ。あとで、フュードたちの話も聞かせてね」


料理が次々に並べられて、山賊の仲間たちが席についた。

まだ目が覚めないアラシは、宴会場の隅に敷かれた布団に寝かされている。


「おぅ。タリアナになら何でも話してやるぞ。とりあえず、乾杯だな!」

フュードがジョッキを掲げて声を上げる。

「タリアナ、ルシアン。良く来てくれた。今日は料理も酒もたくさんあるから、みんな、いっぱい食べて飲んで騒いでくれ! 乾杯!」


「乾杯!!」


タリアナは、ルシアンにしか話していなかった事情を、フュードたちに話し始めた。


ルシアンは、胸に広がるモヤモヤを消し去りたくて、一気にお酒を喉に流し込んだ。


隣に座るハルクが、ルシアンの様子に気がついて声をかける。


「ルシアンさん……今夜は俺が付き合うっす。飲みましょう!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ