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私だって恋したい

 なんか楓に私の物語1章奪われたけどま、いっか。ということでここからは再び私、華恋に戻ったけどまさか楓と優太がそんな馴れ初めで付き合ったなんてねぇ。全然知らなかったよ。とまぁ、私の感情はこの辺で……

 親友としては応援するけど、相手が私の嫌いな優太なのは少し複雑である。実は些細な喧嘩の度に相談を受けていたが私にはなぜか惚気にしか聞こえなかった。




「ねぇ、華恋聞いて~? 優太にね私のプリン取られたの」


「あ~、ハイハイ。それで?」


「この前も電話するって言ってたのに忘れてて来なかったり、ラインの返事こなかったりさ」


「ずいぶん、お熱いですねぇ」


「華恋? ちゃんと聞いてる?」


「聞いてるって」


「本当に好きなのかなって最近悩んでてさ」


「なに言ってんの。明らかに楓のこと大好きでしょ。アイツの態度見てたらわかるよ。昔っから忘れっぽいだけよ、アイツは」




 私にとっては非常にどうでもいいことだが、真剣に悩んでいたようで私の言葉を聞き元気を取り戻したようだ。またある時は……




「華恋~、優太のヤツ後ろの席の女の子と楽しそうにしゃべってた。浮気された」


「なんでそうなるのよ。席が近くて仲悪くなかったら普通にしゃべるでしょ。私だって山岡と付き合ってた時も他の男子としゃべってたし」




 普通の友達なら“ウザイ”とキレているが、親友なのと彼女の嫉妬があまりにかわいすぎて不覚にも笑ってしまった。しかし、どこかで“羨ましい”と思っていた私は楓がいなくなったあと……




「私だって楓のような恋したいのに~」




 と叫んでしまうことがあったが、それはもちろん二人には言っていないのでこのまま墓まで持っていくつもりだ。相談を聞いている立場でありながら陰で嫉妬してしまっている自分がたまに情けなく感じる。




「大丈夫だって、華恋にもきっと彼氏できるよ。まだ高校生活始まったばかりなんだから」


「楓みたいな恋できるかな? 私だって恋したい」


「私みたいじゃなくて華恋は華恋の恋を楽しめばいいのよ」


「ありがと楓」


「わかった! 幼なじみの俺が先に付き合ったから妬いてんだろ?」


「は? あんた私に喧嘩売るしか脳ないワケ?」




“またコイツは余計なことを”




 私が悩んでいたりすると必ず茶々を入れてくる。構ってちゃんなだけかもしれないが、やはりどうしても私は優太のこういうところが好きになれない。




「あんたさ、楓がいつまでも好きでいてくれると思ったら大間違いだからね」


「は?」


「あんた一回告白成功したからって最近、調子乗りすぎてない? そんなんじゃ愛想つかされるよ?」


「別に調子乗ってねぇし」


「楓の前で言えないから電話してあげたのに、そんな態度なんだ?」


「だから違うって」


「本当にあんたのそういうところ嫌いだわぁ」


「うるせ~」


「いい? 楓泣かせたらタダじゃおかないからね」


「わかってるって お前も早く次の男探せよ」


「黙れ! 私だって恋したいわ」




 あまりに腹が立ったのと言いたいこと言えたので電話をブチッてやったが、彼は本当にわかっているのだろうか? 電話を終えると深夜になっていたので私はイライラしたまま眠りについた。

 夢の中の私は好きな人と白馬に跨がり幸せの扉に飛び込んでいたが、現実ではまだまだ先のようだ。目が覚めた時、私は密かに“誰もが羨む理想な恋を掴んでやる”と決意したのであった。

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