ep16
あれから3年が経過した。
アレン・ユーシスは今年で9歳になった。
まだ9歳、されど9歳である。
この世界では6歳で外との交流を増やし、9歳で魔法適正を図る。
10歳になると貴族は学校へ行きだし、平民は自主的な勉強をする時期だ。
暦は地球とほぼ同じなため、ここら辺のイベント事も大体似通っており4月頃に教会主催の魔法測定イベント→翌年4月に入学の流れとなる。
もちろん、9歳のアレンも例にもれず教会から案内が来ており領主長男のため王都に行くことになっている。
そうなるとティアはどうするかが問題となるが、教会絡みでのきな臭い状況が未だ解決していないためお留守番となった。
この3年間でティア、アレンともにいろいろと成長している。
まずアレンだが、父アレクシスのしごきの結果ミューシャとともに剣術はまぁまぁ上達した。
未だにアレクシスから一本も取れないが、ミューシャとは勝てたり勝てなかったり・・・(まぁ負ける方が多いが)
魔法に関しては中級が扱えるようになった。
属性は光以外は満遍なく扱えるようになり、一般的な子供よりは成長が早いぐらいのペースである。
ティアに関しては、魔術である程度の視界を確保できるようになっていた。
目が見えない部分は魔力感知で補うようにすることで、ある程度物の距離感等を感じ取れるのだという。
この世界では目の見えない人の魔術感知は一般的らしく、不思議と盲目の人ほど魔力量は高くなるんだとか。
ティアは俺と違い、全属性の魔術が扱える。しかもこの間上級魔術まで扱えるようになったためミシリアは大喜びしていた。
とまぁ、成長具合からして俺の適正は光以外となるわけだが今後魔法学校へ行く時や冒険者登録するときにも教会での測定値は参考とする場合が多い為、必然と魔法測定を行う形になる。
今回の王都行きは俺とアレクシス、付き添いのセバスチャンとヤタになった。
どうにも、ヤタは使い魔扱いとなるため王都への登録もかねて連れて行くらしい。
元々、竜族からの贈り物であるのは知られているため今回は正式な登録のようだ。
ティアはアレンと離れることを最初はとにかく嫌がった。
それはもう、親から引き離される雛鳥のように「いかないで」と泣いていた。
しかし、ミシリアとミューシャ、アリアがどうにか説得した結果、ニコニコしながら「お土産楽しみにしてるね!」と言ってきた為心配はいらなくなった。
そんなこともあり、明日出発に向けて準備をしていた。
俺の外見は3年間でまぁまぁ成長している。
こどもの成長は早いもので、身長もぐんぐん伸びた。
髪に関してはライトグレーになっており、前髪はほぼ黒になっている。
昔は黒メッシュのように一部だけ黒かったが、成長とともに黒い部分が多くなっているようだ。
一週間ほどの滞在となるため、荷物の準備が大変かと思いきや基本的にセバスチャン達が準備するため俺は心の準備と日程の確認程度。
日課のミューシャ姉との剣術練習、ミシリアとの魔法授業を終えアリア姉のいる孤児院へ挨拶をして今日のところは終わりだ。
「アレン、ちょっといいか。」
夕食を終え、部屋に戻るときにアレクシスが声をかけてきた。
「はい、父様。なんでしょうか。」
「明日から王都になるが、いくつか言っておきたいことがある。
まず、ティアの事は誰にも言うな。そして詮索してくるようなやつがいたら俺に報告をしてこい。」
もちろん、いうつもりはこれっぽっちもないが念のためであろう。俺は頷く。
「そして、王との面会に関してだがお前は何もしなくていい。基本的には俺が受け答えをする。王様から直々に何か言われた時だけ、はっきりと受け答えをすれば大丈夫だ。」
王様と面会があるのか。礼儀作法はある程度学んだが少し緊張する。
「それと、空いてる日程に関しては何してもいいがセバスと一緒に行動すること。万が一何かあればこのネックレスに魔力を通せ。俺がすぐに駆け付ける。」
そういうと、薄緑色の宝石がはまったネックレスを渡してきた。
「このネックレスには魔力が送られるともう片方の魔石が光る効果がある。冒険者パーティや婚姻の際にも送られる一般的なものだ、常に身に着けていろ。」
試しに、アレクシスが自分のネックレスを握ると渡されたネックレスの魔石が淡く輝いた。
成程、これは便利だ。
「じゃあ、明日は昼から馬車で王都に向かうから今日はゆっくり休め。おやすみ。」
「はい、父様。おやすみなさい。」
そういって、俺は部屋に戻った。
部屋に戻ると、ティアとヤタが遊んでいた。
ヤタはティアにすごく懐いていて、たまに俺より仲いいんじゃないかってぐらいよく遊んでいる。
ティアは俺が部屋に入ったのに気づいて、ヤタと一緒に駆け寄る。
「アレン、明日から気を付けてね。」
「おう、ティアも何かあったらお母さまやお姉さまを頼るんだよ。」
「うん!お土産、待ってるからね!」
お土産がそんなに楽しみなのか、ティアはニコニコしている。
ティアと明日からのことや王都の話をひとしきりして、二人はゆっくり眠りについた。
二人が寝息を立て始めたころ。
ヤタは静かに顔を上げ、二人を見つめた。
そして、部屋の窓の向こう――森の方角へ視線を向ける。
何かを確かめるように眺めた後、ヤタもまた眠りについた。
3年後に飛びました。
王都の内情等はそのうちじっくり書くつもりです。
次回、王都編!
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