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2-14 第2案件

登場人物まとめ

A[整備班 自動車関係に詳しく体も声もでかいが気弱な所もある]

B[研究班、高齢の女教授で研究以外に興味が無く性格がキツい]

D[研究班、研究肌で声が小さく話す前に少し貯める癖がある]

E[整備班、体躯のわりに運動は苦手だが他は多芸で飄々とした性格の個人主義]

G[偵察班、体は大きいが器用貧乏で非日常を好む変人で親しい人間には語尾を伸ばす癖がある]

K[施設班、工学に詳しく冷静沈着で天才肌なまとめ役] 

O[施設班、少し気弱でオタクっぽいが機械やドローンに造詣が深い] 

P[遠征班、小柄だが朗らかで野外での活動の才能が高く一度見た風景を忘れることが無い] 

S[遠征班、糸目で音楽や文学に詳しいムッツリスケベ] 

T[遠征班、小柄だが自転車が趣味で体力が高い人の好い性格] 

H[遠征班、元学芸員の歴史オタでフィールドワークの経験から重機を動かせ体力もある]

I[偵察班、長身痩躯で極めて性格が善性な人物] 


『ふん、事故じゃない。明確な意思をもって実行する、それだけだ。全員にやれとは言わんがな・・・まあいい、細かなところはそれぞれ案を立ててデータを共有フォルダに入れておけ。次の話だ』


 Gのぼやかした表現をKは一刀両断する、それでも道徳や倫理により全員が非情な対応をとれないことは把握していた。そして実際に手をかける者がいてもそれを厚顔無恥に攻める者もいないことも。


『ああ、次も微妙な話だっけ?』


『そのとおりだ、S。回りくどいのは好かんし端的に言おう。通信機での中央からの通達だ』


 以前、メッセンジャーによって届けられた通信機器、これはただ単純な通話を目的とするものではなかった。最新情報は随時更新され、『ゾンビ』に関する最新の研究成果も見ることができ、さらに各端末からの投稿も可能となっている。それ以外にもメール機能、チャットルームや天気予報、最新のニュース、さらには様々な過去の論文も知ることができる。もっとも、毎回端末を起動する際には最初に守秘義務の項目にチェックをいれなければならない。『アルファベッツ』では、だれでも自由に閲覧できる体制にあるが、結構な割合でBが居座っており声をかけるとすぐに怒るため中々見る機会も出来ない者もいた。


 重要な情報であると政府が認めたものには重要度に応じ甲、乙、丙の区分がなされ、専用ページにて公示やメールにて通達が為されていた。


『今回は、甲だ。内容を簡単にまとめると―――感染者と身体的な接触があっても必ずしも感染することはなく、接触が無くても感染することがある、だ。症例対象に加え短期間で精度は怪しいがコホートもやっている、信頼性は高いんだな?D』


『・・・ああ、その通りだ。統制されている都市は研究対象には事欠かないだろう・・・もっとも今更な情報ではある。接触感染や体液感染だけであればこれほどのパンデミックにはなっていないだろう事は示唆されていた・・・通達の内容を詳しく言えば・・・無論感染者と接触していた方が感染率は高く、感染者が少なかった地域では感染率は低い。だが、一切感染者と接触しなかった人間も発症することがあり、子供や低所得層での感染率が高い・・・また、病院等で手指消毒を入念に行っていても感染事例はあるとの事だ・・・ただし、防疫体制が極度に高い政府のシェルターでは感染者は出ていないとの事だ』


『ええと、それが微妙なニュースというのは?』


『・・・O、良い点は感染者に噛まれても感染しない可能性がある、悪い点はいつどこで感染するか不明ということだ・・・極めて悪い方に近い情報だな』


『・・・』


 Dがゆっくりと言葉を重ね、ミーティングに参加した面々は難しい顔をして沈黙する。


 このアリゾナ病が、『ゾンビ』が人にかみつくことで『ゾンビ』が増えていくのであればまだ楽であった、噛まれた痕跡のある人間を黒としてシャットアウトすれば感染はそれ以上広がらない。だが、噛まれても感染しないことがあるということはグレーの人間も抱えねばならない。さらに、感染経路が不明ということは防疫体制でどこを重点的に対処していくのかがわからないということだ。


『あー、あまり良くないニュースだなァミスターD。だが、これで原因はやはりウイルス等の病原体が原因ってことでいいんだよな?』


『・・・そうだG、防疫体制が強固であれば防ぐことができるならそういうことだ・・・だが、まだどの研究機関もその病原体を見つけることができていない・・・』


『・・・』


 再びモニターの面々には重い沈黙が下りる。早期の解決にはならなさそうだと誰しもが予感した。


『えーと、とりあえず『ゾンビ』と接触したり襲われても助かる可能性があるって分かっただけでも今よりはいいよね?』


『お!Iの野郎良いこと言うなお前!!そうだな!!はっはっは!!』


 Iの発言にそれぞれの硬い表情が少しほぐれた。良いニュースではない、だが現状がより悪くなったわけではない、そう考えれば暗くなる必要もないと言えた。


『Iの言うとおりだ。状況に大きな変化は無い、これまで以上に注意すればいい・・・ああ、あと俺達の使用している『臭気』の化学構造式と効果を投稿したところ、丙ではあるが一定の評価が得られた。』


『・・・Kの補足をすると、どちらかといえば臭気による感染者の忌避というアイデアが評価されたともいえる・・・勿論、すでに実績があるY634産生物の実物も望まれている』


『Dの言うとおりだ、故に政府からサンプルを受け取りにメッセンジャーを寄越すとの連絡があった。そして、ついでに物資ももらえるらしい、サイズはバイクで運べる程度のもの限定らしいが。何を貰うかを今から決めるぞ』


 歓迎する声がそれぞれのモニターから響く。今まで政府からの援助というものは途絶えて久しかったが、やはり評価されるというのは嬉しいものであったし、久々のショッピングという行為をその相談を含めて楽しむのであった。


 

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