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09「繋がる人の輪、繋がっている人の輪』

09「つながる人の輪、繋がっている人の輪』


三連休を取っている会社が多いのか?

ビジネス街にある、今日のUsignoloのランチタイムは比較的ひかくてきいている

ひまを持てあました、陽気ようきな明人の祖父の武勇伝をチョイチョイ聞ながら・・・

明人と透矢は、バイトが終わってから行く場所の事を考えていた。


『リアルのエスタシオンの所在しょざい確認かくにんに行くのに菓子かしりは必要かな?』

透矢の心配に明人は『家で売ってるコーヒー豆でも持ってく?』と、言う

『俺は「菓子折り」と言ったんだがな・・・

まぁ、多分・・・手土産が「コーヒー豆」でも何の支障ししょうも無いだろう』


『こらこら、少年達・・・』

突然の後ろからの声に2人は少しおどろき振り返る

そこには・・・前とは違い、明るい印象いんしょうの服装をした晴季さんが立っていた。


『相手の事を知らずに「コーヒー豆」をおくるは良くないから・・・

コーヒーミルとコーヒーメーカーが家にある御家って、そう多くないのよ

それ以前に・・・菓子折りや手土産を考えるのは大人である私の役目でしょ?』

「フルーツ入りの和菓子」の袋をかかげ・・・「もう、準備してあるから」と

アピールする晴季さんを2人は、感嘆かんたんの声と拍手はくしゅで迎える・・・


少し離れた店内で、明人の祖父がこっちを見ながらうれしそうにニヤニヤし

目があった明人に向かって、意味深いみしんなジェスチャーをしたので・・・

『透矢、晴季さんのエスコートよろしく・・・』と

明人は赤面して自分の祖父の方へ歩き出した。


『明人君・・・どうしたのかしら?』

何も知らない晴季さんは不思議そうに明人を見送り

何となく「何があって、どうしたのか」が、気配でわかる透矢は

『気にしてやらないでください・・・いつもの事ですから』と苦笑にがわらいする


2人の目線の先で・・・明人とその祖父は、楽しそうにじゃれ合っていた。


ランチタイムと、明人と透矢のバイトの時間が終了し・・・

明人と透矢は支度したくを済ませ、晴季さんの元へやって来る

晴季さんが座るカウンター席の向かいには、明人の祖父が立ち・・・

ネット上での「晴季さんのイメージ」を「こわす」様なエロトークで

2人は盛り上がっていた・・・


女性に対する「幻想げんそう」を強くえがいていた明人は呆然ぼうぜんとし

透矢は、何となく納得なっとくして猥談わいだんで盛り上がる2人に声をかける

いつの間にか・・・

明人の祖父と晴季さんは昔ながらの友人の様に仲良くなっていた。


店を出る頃には『今回は無料にするからまたおいで』と明人の祖父に言われ

晴季さんは・・・『今度は同僚どうりょう連れてランチに来ますね』と

もう、すでに店の馴染なじみ客みたいな雰囲気だった


勿論もちろん、この日をさかいに・・・

晴季さんがUsignoloの常連じょうれんきゃくになったのは言うまでも無い。


店を後にし・・・『場所は私が知ってるから』と、言う

晴季さんが運転するレンタカーで、明人と透矢は目的地に向かう

目的地に近付くにつれて、そこで過去に何かあったのか?

彼女の口数は段々と、少しづつ減っていった・・・


しばらくして、晴季さんの口数が本当に少なくなってしまったころ

エスタシオンとグリースの住む町へと到着とうちゃくする。


町は山の手にあり、斜面しゃめんもれる様に家が立ち並んでいた

そこが一階なのか?地下なのか?も、分からないガレージのある家が多く

玄関げんかんは石造りの階段を何段か登った先に存在していた


見慣みなれぬ風景に・・・明人と透矢は窓を開け、辺りを見回す

車が停まったのは、女の子が1人歩道で座り込んでいる

玄関が2つある家の前・・・植え込みの横だった。


透矢は一応、グリースに・・・

「今、歩道で座り込んでたりする?」とメールを打ってみる


車から見える歩道でひびく着信音・・・振り返った彼女は立ち上り

3人の乗った車に歩み寄って、スマホを持った透矢に呼び掛ける

『もしかしてあなたがヴェルノさん?と、ビアンさんと・・・ハルキさん?』


肯定こうていすると・・・特に晴季さんが女性である事に驚きを隠さず

ネットゲーム内のエスタシオンの事を知らないグリースは

『ひきこもりの「史樹(しき)」を

ひっぱり出す手伝いをしに来てくれてありがとう』と

無邪気に・・・若さ故に、人目が気になるくらい大騒ぎをしてくれた。


気が済むと・・・グリースは目の前の家のインターホンの一つを押す

『こんにちは、おばさん・・・「悠流(ハルル)」です。

今日は、ネットゲームの友達に無理言って来てもえらったんです

「史樹(シキ)」に伝えて出て来るように言ってください』

近所迷惑になるくらいに大きな声で・・・

見るからに、カメラに近付き過ぎな状態でインターホンにらいついている


車の中で、明人と透矢は・・・

晴季さんの『ちょっと落ち着くまで待ちましょう…』との言葉で

グリースが一段落ひとだんらくついて、落ち着くのを待った。


今度は晴季さんがインターホンを押す

インターホン越しに口籠くちごもる様な吐息といきが聞こえてきた


『「節花セツカ」さん・・・私の事をおぼえていますか?』

晴季さんがそう言うと・・・足音が聞こえた後、玄関の扉が開く

『「夏美ナツミ」ちゃん』

多分、「史樹=エスタシオン」の母親なのであろう女性が

裸足はだしで出て来て晴季さんを抱締だきしめ泣き出す・・・


グリースは『どうしちゃったの?おばさん』と言いながらオロオロし

明人と透矢は・・・取敢とりあえず、事の成り行きを見守った。

私の若い頃・・・

店の店主と(BL的な)猥談で盛り上がれる喫茶店がありました。

今はもう・・・店主が高齢で亡くなって御店も無いんですけどねw

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