第5章 鼓膜女
カリカリカリ
カリカリカリ
カリカリカリ
耳かき男が耳かきをしています
カリカリカリ
カリカリカリ
カリカリカリ
耳の奥の壁をかいています
耳かき男が二十歳の時、鼓膜女がやって来ました。
鼓膜女は女子高生で耳かきが大嫌いでした。
子供の頃、耳かきで鼓膜を傷付けトラウマになっているのでした。
耳かき男は自室のベットに腰掛け、膝の上に鼓膜女の頭を乗せ耳かきをしてあげました。
鼓膜女の耳は垢だらけでした。
耳かき男は言いました。
「怖がらないで」
「やさしくするから」
「力を抜いて」
「痛かったら言って、すぐにやめるから」
鼓膜女は言いました。
「私の全てを耳かき男にあげる!」
「どんなに痛くても我慢する!」
「絶対に途中でやめないで!」
「耳かき男の硬くて大きくて長くて太いので、したいだけして!」
10分、
20分、
30分、
耳かき男は鼓膜女の耳かきをしました。
よほど気持ち良かったのでしょう、鼓膜女はいつの間にか眠ってしまいました。
最大最後の難関は、鼓膜にかさぶたの如く張り付いた、固くて厚大な耳垢でした。
「痛くないように!」と細心の注意を払いながら、鼓膜に根を張っている、固くて厚大な耳垢を取り崩しにかかります。
上から下から、グラグラ!と動くように刺激を与えます。
右から左から、グラグラ、グラグラ!と動くように刺激を与えます。
上から下から右から左から、グラグラ、グラグラ、グラグラ!と動くように刺激を与えます。
「痛くないように!」と祈りながら、ある程度動くようになったその部位を、ゆっくりゆっくりとかきだしました。
「ズルリッ!」という音が耳かき男には聞こえたような気がしました。それほど固くて厚大な耳垢でした。
鼓膜女の耳かきは終わりました。
鼓膜女は相変わらず安らかな寝息を立てています。
その時、突然、複数の警察官がドアを蹴破って土足で踏み込んで来ました。そして拳銃やライフルを構えながら、
「未成年者への耳姦の現行犯で逮捕する!」
と怒鳴りました。
鼓膜女は警察のおとりだったのです。
鼓膜女は怒声に目を覚ますと、ボンヤリとした眼差しで耳かき男を見つめました。その間にも耳かき男の両手には手錠がはめられました。
耳かき男は牢屋に入れられました。
ツンツンツンツン
トントントントン
ツンツンツンツン
トントントントン
耳かき男が耳かきをしています
ツンツンツンツン
トントントントン
ツンツンツンツン
トントントントン
耳の奥の壁を耳かきで刺激しています
(つづく 最終更新日14年07月25日)




