仮親友ナルシ
「はぁ〜」
俺は今日何度目かわからない溜め息を吐き出す。
溜め息をつくと幸せが逃げるって言うけど別にいいや。
俺そんなん信じてないし、幸せなんて人生でどうせちょっとしかないしな。
でも、昨日の女の子可愛いかったな。
何組だろう。
また会えるかな?
って!俺恋してるみたいじゃん!
マジかよ。俺、恋なんてしたこと…
もしかして、は、初恋///
「おい、お前。…林だっけ?」
「あ?」
後ろから声がするから振り返るといかにも不機嫌そうな男の顔。
どちらかというといい男なのになんで眉間にしわよってんだ?
別にどーでもいいけど。
「お前さっきから何回溜め息つくわけ?
こっちまで凹んでくるから止めてくんない?
もしかして彼女と別れたとか?
それともこのクラスに可愛い女の子がいないから凹んでるわけ?
それならわかるよ〜
俺もさ〜困ってたんだよね。
あ、俺ら同士なわけ?おー、じゃあ俺らは親友な♪」
……なんだこの男。
入学式に言ってた俺が言えるセリフじゃないけど、クラスの女子に失礼な奴だな。
あー、ほら。
いくら休み時間だからって女子が睨んでる。
これはクラスの女子全員を敵にまわしたな。
それになんだコイツのマシンガントーク。
俺は何も言ってないのに勝手に解釈しやがって。
それになんで親友?早くね?
なんかナルシストっぽいし。
「あんたって…」
「あーごめんごめん。
名前言ってなかったな。
俺は成瀬川志紀。
好きに呼んでくれ。
これからよろしくな」
成瀬川はそう言って笑う。
んー成瀬川か。
成瀬川志紀…なるせがわしき…なるし…ナルシ!
ぴったりだ!
我ながらナイスなあだ名だと思う。
「よろしくナルシ」
プッ
近くにいた数人の女子が吹き出す。
ん?俺なんか変な事言ったか?
「おう!」
学校生活一日目。
一時間目の休み時間にして『ナルシ』という奴と親友(仮)になった。
あ、後であの子探そ。




