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☆11/17発売☆おてんば末っ子令嬢、実は前世若頭だった!? 〜皆で領地を守ります!〜  作者: 撫羽
第7章 解呪

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251/251

251ー2025クリスマスSS やっぱ食べ物ッスか!?

今日はクリスマスSSを三作品投稿します!

まずはココちゃんから!

※本編とは全く関係ありません。

 お嬢が朝から何か考え込んでいる。どうせ、ろくでもないことを考えているのだろうから、そっとしておく。お嬢が動かないと俺は楽だから。

 なんて、そう続くわけもない。お嬢が顔を上げ、真剣な顔をして言った。


「なあ、咲、隆、そろそろクリスマスだよな?」


 え……? クリスマスって言ったか? この世界にキリストはいないぞ。そこんとこ、分かっているかな?


「お嬢さまぁ、ここにはクリスマスなんてありませんよぅ」

「え、そうなの?」

「そうですぅ」

「なんでだよ?」


 いやいや、お嬢。いや、この場合は若か? ちょっと考えたら分かるだろうって。

 俺はまだ会話には入らないで黙っておこう。姉貴がなんとか収めてくれたら嬉しいなと思いながら。


「だってぇ、なんででしょうねぇ」


 こらこら、マジかよ。姉貴、そこはちゃんと分かっておこうぜ。まあ、なんでもいいんだけど。


「ちょっと鳥を捕まえに行こうぜ」

「鳥さんですかぁ? 裏にいますよぅ?」

「あれは卵用だろう? そうじゃなくて、食べる用の鳥だ。何羽必要かな? えっとぉ……」


 指を折りながら考えている。これってきっと家族だけじゃなくて領主隊や使用人のことも考えているんだ。

 いや、それにしても鳥とくるとは思わなかったぜ。しかもこれから捕まえに行くって、どこに行くんだよ。ちょっとそこまで散歩にじゃないんだからさ。

 まあ、俺の心配なんて関係ないんだ。お嬢はマイペースだから。しかも結構チートだったりする。

 結局領主隊と一緒に、森に向かっている自分がいたりする。お嬢は姉貴の馬の前に乗っている。ご機嫌だ。


「ふふふ~ん、ふふふ~ん、ふっふふ~ふふ~ん♪」


 鼻歌まで出てるじゃないか。それって、ジングルベルか?


「姉貴、良いのかよ」

「え? なにがぁ?」

「いや、いいよ。聞いた俺が間違ってた」

「やだぁ、リュウったら感じ悪いぃ~」


 弟にまで、あざとくするんじゃないよ。分かっているくせに、マジであざとすぎるぜ。

 そうこうしているうちに森に到着だ。そして領主隊に、鳥さんがよく出るポイントに連れて行ってもらいお嬢は張り切っている。


「あたしが魔法で捕縛するわ!」

「はいッ! お嬢!」


 領主隊も、何だか分からないけどまた美味い物に有りつけそうだと、張り切って鳥を追い込んでくる。そこをお嬢がバインドで捕縛する。

 あっという間に大きな鳥さんが数十羽捕まった。

 鶏のような鳥もいれば、鴨みたいな鳥もいる。ただし、どれも超デカイ。こっちの世界の鳥さんは、もれなくデカイのか?

 これは領主隊の匙加減だな。美味しい鳥を選んで追い込んできているんだ。こんなところでも有能なのかよ。

 たくさん捕まえて、上機嫌のお嬢。持って帰って早速料理人に頼んでいる。また料理人も張り切るんだ。

 この家はイベント事が大好きだ。やれ芋ほりだ、なんだと色々開催している。それを領民にも配っていたりする。豊かな領地で良かったよ。


「ねえ、雪は降らないの?」

「お嬢、ここは大陸でも南西ッス。雪は降ったことないッスよ」

「えぇー、残念だな」


 そこは仕方ないだろう。多少は寒くはなるけど、なにしろ温暖な気候だ。そこは諦めてもらおう。


「仕方ねーな。気候まで変えられないからな」


 いやいや、何なら変えるつもりだったんだよ。


「じゃあ、モミの木はないのか?」

「お嬢、そこまでしなくていいッスよ」

「だって雰囲気出ないじゃないか」

「いや、だからこっちの世界にはクリスマスなんてないんッス」

「なら作ればいいだろう?」

「はあッ!?」


 作るってなんだよ!? クリスマスを作るのか!? ありえねー。


「ばっか、クリスマスって言ったって、分かんねーだろう? こっちにはキリストはいないんだから」

「なんだ、分かってたんッスか?」

「当たり前じゃないか。だからな、この時期にちょっと美味しい物を食べる習慣をつけるんだよ。それがクリスマスだ」


 ああ、もう止められない。好きにしてくれ。どうなっても俺は手伝わされるんだから。それも楽しいんだけど。

 気候は変えられないと言っていたお嬢だけど、24日がくるとなんと雪みたいなものを魔法で出してしまった。

 前庭に出て両手を翳し、何をするのか見ているとそのうちハラハラと小さな雪が降り出した。


「雪が降る原理を分かっていれば簡単だぜ」


 いやいや、簡単な訳ないじゃないか。信じられねー。この時ばかりは、お嬢ってとんでもないなって思ったさ。

 だって魔法に長けたエルフのクリスティー先生まで、目をまん丸にして驚いていた。


「ココ様! これは一体どうしたのですか!? これって雪ですよね!?」

「クリスティー先生は雪を知ってるんですね。そうですよ、雪を降らせてみました!」

「素晴らしいでっすッ! こんな魔法を見たことがありません!」


 そりゃそうだろう。無駄といえば無駄だからな。一体なんの役に立つんだ? て話だよ。


「なんだなんだ? 冷てーぞ!」


 フワリフワリと浮きながら、あーんと口を開けて雪を食べようとしているキリシマ。子供かよ!

 そこにこんがりと焼けた鳥さんの丸焼きの登場だ。一体何羽焼いたんだ? 次から次へと出てくる。

 しかも前庭に火が炊かれていて、そこで回しながら鳥を焼いている。本格的になっているじゃないか。

 デザートのケーキまで幾つも出て来た。そこまでいつの間に話していたんだよ。本当、こういうことは妥協しないんだから。


「皆出てくるんだぁーッ! 今日は皆で食べるぞぉーッ!!」


 旦那様が大声で叫ぶと、ワラワラと邸の使用人や領主隊が集まってきた。当然、ワインの樽も用意されている。

 お嬢が無理矢理降らした雪に驚いていたり、大きな鳥が回しながら焼かれているのを見て喜んでいたり。もう大騒ぎだ。


「よーし! 良いかー!」


 はいはい、せっかくだから美味しく頂こう。


「今日はココが準備してくれたぁッ! クリスマスというのだそうだ! グラスは持っているかーッ! かんぱーい! メリークリスマス!」


 おいおい、クリスマスって言ってるじゃないか。お嬢も良い笑顔で満足そうだ。

 こうして、この領地ではクリスマスという行事が訳も分からず定着していく。

 意味も分からず鳥の丸焼きとケーキを食べる日だと。そのうち、ジングルベルとか流行り出すような気がしてならない。

 お嬢、取り敢えずもう少し自重してくれると俺は嬉しい。

 でも美味いものが食べられるのは嬉しいんだけど。お嬢も良いクリスマスになったことだろう。

 お嬢、メリークリスマス!


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ココちゃんらしいと思うのですが、いかかでしょう?

ノベル1巻発売中です!

挿絵(By みてみん)

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