第1話:種植え女児と、マンモスシバき勢
ユーラシア帝国はAIとお話しててできた空白の10万年の間にできた超文明帝国で彼らの痕跡がのこっていないから超兵器で滅んだのか、宇宙へ飛び出したのかは誰も知らない。
人類第1世代の「ユーラシア帝国」が、核兵器と量子コンピューターを完成させて宇宙へ脱出するか、あるいは自分たちの超兵器で文字通りチリ(消滅)になって消え去った後。地球には、ただの抜け殻のような静けさと、手付かずの大自然だけが残されていた。地続きではないアフリカの奥地。そこには、ユーラシアの高度なテクノロジーに1ミリも汚されずに生き残った、ミトコンドリア・イブの直系部族が暮らしていた。彼らのフィジカルは、現代でいう「オリンピックのハンマー投げ上位20人」が全員群れているようなバケモノ揃いだった。毎日マンモスを素手でシバき、時速40キロで丸一日走り回る。骨密度も筋力もバグり散らかしているガチ野生児の集団。だが、彼らのコミュニティには、致命的な「非効率」があった。「うおおお!今日もマンモスを追いかけて30キロ走るぞ!」「槍でツンツン突いたら怒って踏み潰された!痛い!でも根性で耐える!」毎日が命がけのデスゲーム。怪我のリスク100%。脳筋どもは、その日の打率(狩りの成果)に一喜一憂し、常にハングリー精神だけでバタバタと生き急いでいた。そんな部族の中に誕生した一人の女児――名を、アサガオという。アサガオは、体格こそ普通の女の子だったが、その1.4キロの脳みそ(消費電力20W)のスペックが完全にバグっていた。彼女は生まれながらにして、無駄なエネルギー消費を徹底的に嫌う「超・効率主義リアリスト」だったのだ。アサガオは、物心ついた時から毛皮の上で水平に寝転び、乾燥させた野生の草(タバコっぽい何か)を燻らせながら、毎日ハァハァと息を切らして帰ってくる室伏部族たちを冷ややかな目で見ていた。(あいつら、他人のマンモスの動きに興味持ちすぎ。毎日命がけで走るとか、タイパ悪すぎてだるいんだけど……。よっぽど汚かったり臭かったりしない限り、マンモスなんてどうでもよくない?)ある日の昼下がり。アサガオは涼しい木陰の特等席でゴロゴロしながら、自分が食べた野生の木の実の「種」を眺めていた。地頭IQがチートな彼女は、数日前に地面に落ちた種から、まったく同じ木の実の芽(発芽)が出ているという「物質の法則」に一瞬で気づいた。(あれ?これ、わざわざ遠くの森まで室伏たちを走らせなくても、拠点のまわりの地面に種を大量に仕込んでおけば、将来ずっと安全に食い放題じゃね……?)そう、農耕のひらめきである。
アサガオはさっそく、一番近くでプロテイン(干し肉)を貪っていた部族最強の男(通称:ムロフシ)を呼びつけた。「おい、ムロフシ。ちょっとめんどくさいけど、今から言う通りにしな。」「あ?アサガオ、お前また寝転がったまま変なこと言ってるのか?俺はこれからマンモスを背負い投げしに行くんだよ」「だるいこと言ってんじゃないよ。いいからそこの土を、お前のバケモノみたいな背筋を使って10メートル四方、全部掘り返しな。それと、これ(種)を等間隔で植えて、上から糞尿を混ぜた水を撒いといて。やろうと思えばお前、サボり放題だろうけど、毎日ちゃんと水撒かないと干し肉の分配減らすからね」アサガオは一歩もソファー(毛皮)から動かず、指先ひとつで指示を出した。ムロフシは不満げだったが、アサガオの計算され尽くした「なんか怖くて逆らえないインテリの空気」に圧され、クソ真面目に畑を耕し始めた。数ヶ月後、拠点のまわりには、野生の数十倍を誇る「特製木の実の量産ライン」が完璧に完成した。「す、げー!アサガオ!走らなくても食い物が地面から生えてくるぞ!」「あいつら馬鹿だから、今まで気づかなかったんよね……」食料が豊富になった部族は、毎日マンモスとデスマッチをする必要がなくなり、人口が爆発的に増え始めた。だが、人口が増えると、今度は別の山から「別のガチ野生の室伏の群れ」が、美味そうな匂いを嗅ぎつけて、雄叫びを上げながら突進してきた。「敵襲だ!あいつら武器も持たずに素手で大岩投げてくるぞ!どうしよう!」慌てふためく部族の男たち。しかし、初代皇帝アサガオは、ハイボール(っぽい果実酒)のグラスを片手に、ソファーで水平になったままニヤリと笑った。「落ち着きなよ。あいつら馬鹿だし、真っ直ぐ突っ込んでくるやろ」アサガオは、敵の動線を完璧に見抜いていた。進軍ルートの地面には、事前にムロフシたちに掘らせた、深さ5メートルの巨大な「カモフラージュ付き落とし穴トラップ」が仕込まれていた。しかも、底には尖った木と、発酵させた糞尿がビッシリと混ぜてある。――ボトボトボトッ!!!「うおおお!?」「なんだこのクソまみれの穴は!」時速40キロで突っ込んできた野生の室伏たちは、物理法則の慣性の法則に従って、ブレーキが間に合わず次々と地獄の穴へと吸い込まれていった。さらに、アサガオは次の指示を出す。「はい、落ちたバカどもの後ろ足に向けて、石を紐で縛ったやつ(ボーラ)をハンマー投げの要領でブンブン回転させて一斉にリリースしな。向こうのリーチに入る手前からハメ殺すよ」インテリ室伏軍団の超高速回転から放たれた石の紐が、穴の底で暴れる敵の足を完全に絡め取る。地上に残った敵のボスには、あらかじめ地面にガチガチに固定して植えておいた「パイク(仕込み槍)」に向けてオトリを走らせ、突進のエネルギーそのままに自爆(串刺し)させた。完全なる、ノーデスクリア。圧倒的なタイパの防衛劇だった。生き残って戦意を喪失した野生の室伏たちを見下ろしながら、アサガオは冷徹に言い放った。「お前らのその最強のフィジカル、無駄に消費するのは非効率だからさ。明日からうちの鉱山で、鉄と銅の石を掘る係をやりな。言う通りに働けば、毎日安全に美味い飯が食えるシステムに入れてあげるから」こうして、アサガオの「20Wのチート脳」と「外注された室伏の筋肉」が合体した。集落はただの村から、一気に「金属器の量産工場」へと変貌
を遂げる。「アサガオ!世界を統一しに行こうぜ!」と息巻くムロフシに対し、アサガオはハイボールをおかわりしながら呆れたように言った。「世界統一は無理だろー。海を渡る遠征とか非効率だし、めんどくさいじゃん。せめて地続きのユーラシア大陸だけで我慢しなー。そこを完全防衛して、引きこもり大帝国を作るよ」10万年の空白をぶち破り、後に「核兵器と量子コンピューター」を爆速で完成させることになる、人類第2世代の【第二ユーラシア帝国】。その初代皇帝たる天才女児アサガオは、今日も快適な部屋のソファーから1ミリも動かず、ただただ「自分が一番具合よく生きるため」の、最強の仕込みシステムを構築していくのだった。
あたまわるいかんじなのがさいこうにくーる




