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にーにーは仕方がないなぁ

今日はにーにーが宗教会議でいない。


我が国は国教の他にいくつか宗教があって、それぞれ〝役割〟を果たすために行われるのが宗教会議。


にーにーの場合は豊穣の力を〝国中に〟与えて回るのが役割だね。


だからにーにーの力で、我が国は食糧に困ることはない。


家畜や漁業の方にも豊穣の力は効くからね、原理は神様のみぞ知ることだけど。


「本来なら国教リュキア教も、〝治癒〟という役割をこなさなければならない」


一応、神の愛し子がいなくとも〝高位の神官〟たちの神への祈りである程度のことはできるが…神の愛し子、つまり僕の力には及ばないらしい。


リュキア教の〝治癒〟の役割は貴族たちや皇族へのそれが主で、高位の神官たちの祈り程度では重い病気に罹った場合などは責任を果たせないのだとか。


だから神の愛し子が見つかったミノス教の代表…つまりはにーにーに八つ当たりしているのが現状らしい。


他にも天候を司る宗教とか、天変地異を抑える宗教とか、色々な信仰があってそれぞれ神の愛し子が見つかっても見つからなくても役割を果たしているみたいだけど…。


「にーにーの豊穣の力は、本当に人々の生活に直結するからなぁ…リュキア教としては、信者を取られないか心配だよね。だから特ににーにーをいびるんだ」


にーにーが八つ当たりされてる状況なら早く僕が出て行った方がいいと思うかもしれないが、リュキア教は他宗教の存在を表向き認めながらも裏では排他的で他の宗教を元々いびっているから…僕が今出て行っても、神の愛し子が見つかったから自分たちの勝ちだとマウントを取って余計にいじめがエスカレートする可能性の方が高い。


「もし僕がリュキア教に見つかったら、にーにーをいじめたら死んでやる、にーにーと引き離しても死んでやると脅してやるつもりだけど…上手くいくかな」


やっぱり若干不安だ。


「大丈夫ですよ、バルムさま」


「ベルクさん」


「きっと巫女様は命に賭けてバルムさまをお守りくださいます。バルム様もそれだけのお覚悟があるならば…きっと国教も妙な真似は出来ません」


「うん、そうだね」


「おや、この足音は…」


噂をすれば、にーにーのご帰還だ。


「バルムー!今日も暴力はなかったけど散々にいびられたー!癒してー!」


ぎゅうぎゅうとにーにーに、抱きしめられる。


「にーにーは仕方がないなぁ」


なんていいながら、甘えてくるにーにーが可愛いのは内緒。


よしよしと頭を撫でて、膝枕をする。


今日もいっぱい甘やかしてあげよう。


にーにーを甘やかすのは、僕の特権だからね。

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