囚われたコニー
「うわぁぁぁぁぁあ!!?」
「コニー! 大丈夫?」
目を覚ますとアレンさんがいた。なんだろう。とても恐ろしい夢を見ていたはずなのに、内容が思い出せない。
「良かった。目を覚ましてくれて……随分うなされてたから心配したんだぜ」
見回すとピエールさんやゴードンさん達もいる。そうか。僕は恐怖に耐える特訓の最中に気を失って……
「すいません。みっともないところを見せ…………えっ!?」
照れ隠しに頭をポリポリかこうとしたら、「ぞるり」と言うおかしな感触に目を見開く。背筋が凍り付くような感覚に襲われながら、閉じた右手を顔の前にもってくる。
そしてゆっくりと掌を開くと……そこには大量の髪の毛が握られていた。
「う、うわぁぁぁぁ!?」
「コニー! お前それっ!?」
「え、えぇぇぇぇ…………」
正直、ビックリして落ち着くのに時間がかかっちゃった。でも、少し落ち着けば命に別条がない事には気付いた。
それでもショックだよ。これでも髪型には人並みに気を使ってたつもりだったのに。それがまさか訓練の最中にこんな事になるなんて……
「ま、まぁそんな落ち込むなよ。そのうちまた生えてくるさ……」
ピエールさんが励ましてくれるけど、それでもショックなものはショックだ。それでも慰めの言葉に返答しようと顔を向けると、おかしなことに気付いた。
「ぴ、ピエールさん……それ……」
よく見るとピエールさんの自慢の長髪がパラパラと散り落ちていってる。見間違いなんかじゃない。なにか異常だ。
「う、うおぉぉぉぉぉ!?」
「指が! 俺の指がっ!」
更に悲鳴が聞こえて振り向くとゴードンさん達が腕を掲げている。そして指の先から手が黒くなって、ボロボロと崩れていった。
「こ、これは!?」
「村長! そういえば村長はどこに!?」
「たすけて! たすけて!」
「み、みんひゃ ほひふい……っ!?」
妙な違和感がして口がもぞもぞする。歯と歯の間に強烈な圧迫感。間違いない。口の中で何本か歯が大きくなっていってる。
「あ、あがががががっ!?」
ビキリ
大きくなり過ぎた歯が隣の歯を圧迫し、ついに歯が砕けあって不愉快な音をたてる!
その頃には完全に地獄と化していた。
アレンさん達はもうみんなほとんど髪が抜け落ち、歯が抜け落ち、肌はボロボロに、ところどころ肉が腐れ落ち。誰が誰なのかわからないようになっていた。
そして突然。ふっと視界が真っ暗になる。
上下の感覚もなく、自分の手足の感覚もない。
ヒタリ ヒタリと、冷たい手のようなものが足の先にペタペタと這いずる感覚がある。
振り払おうとするが感覚がない。僕の手足は動かなくなっているのだろうか。
ヒタリ ヒタリと、冷たい手がじょじょに這い合ってくる。なんとも言えないおぞましい嫌悪感。
「あ、あれんひゃん? ひゃれ? ひゃめて ひゃめへ……」
声は出ていたのかどうかわからない。冷たい手がヒタヒタとのぼってきて……
冷たい手が胸のあたりで止まる。そして肉も骨も無視してグッと心臓を握ってきた。
「うっ!?」
息が出来ない。何もかも止められる。
「うっ!」
殺される。そう思って僕は叫んだ。
「うわぁぁぁぁぁあ!!?」
「コニー! 大丈夫?」
目を覚ますとアレンさんがいた。なんだろう。とても恐ろしい夢を見ていたはずなのに、内容が思い出せない。
「良かった。目を覚ましてくれて……随分うなされてたから心配したんだぜ」
見回すとピエールさんやゴードンさん達もいた。
そうか。
僕は恐怖に耐える特訓の最中に気を失って……




