闘争
“カチャ、カチャ、カチャ”
「この中ボス強いな。」
リモコンを両手に持って、手に汗握ってる水浦だ。
刃物を持った少女が出てくるなんて聞いてないが、執事の奴は居なくなってるので何も聞けない。
だが俺は気分がいい、力を持つというのは良いもんだ。
戦っている場所に俺は居ない。
はるか遠くからリモコンのモニター越しから物事を見ている。
人を殺すのは少し気が咎めるが、だからと言って力を手放す気にはならん。
スリしか才能の無かった俺だけど、力を持てばスリなんかしなくていい。
スリは自分でも最低な事だと思うからよ、やめてせいせいしたよ。
これからは・・・テロリストでもやろうかな。
テロリストってのは、いかにも信念が有りそうで良い響きだ。
これからの人生バラ色だな。
スリ師を改めテロリストの“ニット水浦”を宜しく。
零野です。相変わらず体が自由に動かせません。
“ギュィィイイン!!”
現段階で私の最大武器“削岩用及び戦闘用電動式マグナムドリル”が回転を始めました。
孫鈴様は相当な強者ですが、流石に出刃包丁では勝ち目がありません。
それでも彼女は逃げる所か。
“ダンッ!!”
前に、依然として前に勇み足で駆け出して来ます。
「死ネ。」
孫鈴様は左手に持った包丁を私の下腹部に突き立てます。
“キンッ!!”
無駄なのです。
如何なる超人で、如何なる業物を持って私に斬りかかろうとも、特殊合金で出来た私のボディは傷1つ付かないのです。
「死ネ、死ネ、死ネ・・・」
“キンッ!!キンッ!!キンッ!!・・・”
飽くなき執念を感じます。
孫鈴様は左右の包丁で、私の下腹部を何度も何度も突き立てます。
これで並みのメイドなら死んでますが、私は固いですし、そもそも大前提に命がありません。
「オイ、メイド。お前は私のこの行為を無駄と思ってるかもしれンガ、こんな諺を知っていルカ?」
なんでしょう?
孫鈴様はドヤ顔で申されます。
「“千本桜も一本から”ダ!!」
・・・なるほど、千本桜も最初の一本を植えないと千本桜になり得ないという“千里の道も一歩から”に似た諺なのですね。私のデータベースに入れておきましょう。
“ボキッ”
「アッ!!包丁折レタ!!」




