暗闇
西口です。
今はお化け屋敷を清水さんと移動中です。
「蓬ちゃん、向こうの三人は大丈夫かな?お化け役の人を困らせて無いかな?」
心配な顔をしている美鈴ちゃん。
「大丈夫だよ、きっと皆良い子にしてるよ。」
「そうかなぁ?夏希ちゃんが心配だよ。」
そんな事を言っていると、こんな雄叫びが聞こえてきました。
「お、お兄ちゃんーーー!!どこぉーーー!!お兄ちゃんーーー!!」
「ギャハハハ!!高橋妹の声にお化けも逃げるっての!!」
こんな雄叫びです。
「ほら、皆元気だよ。」
「げ、元気だねぇ・・・さっきから私達の方にお化けが来ないのは、もしかして向こうで夏希ちゃん達の相手をしてるのかな?」
「そうだね、何処にも潜んで無いみたいだよ。」
これでは、お化け屋敷なのにお化けが出てこないから退屈です。
“フッ”
突然照明の類いが全て消えました。
「きゃ!!何!?」
慌てる美鈴ちゃん。
これは演出でしょうか?嫌な予感がします。
“タッタタタタ!!”
何かが迫ってきます。不味いな、まだ目が暗闇に慣れていません。
“ブンッ!!”
“キンッ!!”
「い、今の音何!?」
「大丈夫だよ、美鈴ちゃん。何か物が落ちたんじゃないかな?」
「そ、そうなんだ。」
物が落ちた。それは私が今考えた嘘です。
本当は知らない女の子が、美鈴ちゃんを後ろから青竜刀で斬ろうとしていたので、私が右手にハンドガンを持って、青竜刀の刃を銃身で受け止めました。
少女はニタリと笑って、小さな声で囁きます。
「暗視ゴーグルとは用意が良いじゃなイカ、ウエストゲート。」
・・・私狙いですか、狙うのは好きですが、狙われるのは好きじゃありません。
私も美鈴ちゃんに聞こえない様な小声で喋ります。
「私狙いのクセに、美鈴ちゃん狙うとか・・・アンタ死にたいの?」
返答次第によっては、この子をぶち殺すかもしれません。
「フンッ、ここで殺り合うのはお前も困るダロ?今日の23時にまたこの遊園地に来イ。待ってルゾ。」
それだけ言うと女の子は闇に消えて行きました。
“パッ”
昭明がつくお化け屋敷。
「あっ、良かった。何かトラブルがあったのかな?」
美鈴ちゃんはホッとした顔をしています。私もホッとしました。良かった美鈴ちゃんが無事で。
あぁ、もちろんハンドガンと暗視ゴーグルは昭明がつく前に収納しましたよ。
「じゃあ、美鈴ちゃん行こうか。」
「うん、そうだね蓬ちゃん。」
今日は殺り合う事になるかもしれないけど、例え今日私が死ぬ事になっても、私の人生は中々幸せでした。




