鉄車
た、田中です。
良いんですかね?僕なんかが語りで?
い、今ですね・・・し、清水さんの隣の席に座ってるんですが。
“ガタン・・・ガタン・・・”
よりにもよって僕の苦手なジェットコースターでなんですよねぇ、しかも先頭ですよ。
ここのジェットコースターは五回転ひねりだとか、急降下だとかするらしいんですよ。
「大丈夫?田中君?」
し、清水さん、横を向くなんて余裕あるんだなぁ。
「あはは・・・どうもこの手の絶叫系のヤツは苦手でね。皆はどうなのかな?」
後ろを振り向く余裕が無いので、声だけで判断しましょう。
「ワクワクしますぅ♪」
「うぉおおおお!!テンションがやべぇ上がるぅぅう!!」
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん・・・はぁ、お兄ちゃん居ないアレルギーが・・・お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!」
み、皆元気いっぱいですね。
“ガタン・・・ガタン・・”
さて、そろそろ上がりきりますね・・・嫌だなぁ、叫んだりして清水さんにカッコ悪い所を見せたくないなぁ。
「ところで田中君、このコースターはずっとゆっくり進むんですよね?坂をゆっくり下るんですよね??ま、まさか凄いスピード急降下したりしたり、逆さまになったりしないですよね!?」
「し、清水さん!?」
急に汗を大量に掻き出した清水さん。どうやら今までは現実逃避してたみたいです。
「うぅ・・・この非人道的な殺戮マシーンを誰が作ったんですか!?もしかして田中君ですか!!?」
「ち、違うよ!!清水さん落ち着いて!!」
“ガタン・・・ガタン・・・”
いよいよ頂上に着きました。清水さんは大丈夫でしょうか!!
「うわぁぁあああ・・・落ちないでぇ、誤作動で止まってぇ・・・そしたらレールを這って行って帰りますからぁあああ!!」
全然大丈夫じゃないです。絵に書いたようなパニック状態です。
でも僕に何が出来るのでしょう?
「田中君!!手を繋ぎましょう!!」
えっ?
「早く!!私、今何かにすがらないとヤバいんです!!助けると思って!!」
ビュッと右手を差し出して来た清水さん。
「あっ、じゃあ失礼します。」
凄い剣幕なので照れるとか戸惑う暇無く、僕は差し出された清水さんの右手を急いで左手で握りました。
はっきり言ってラッキー・・・。
“ゴォオオオオオ!!”
「うわぁあああ!!」
「きゃああああ!!」
「ヒャッホー!!楽しいですぅぅう!!」
「ぎゃははははは!!早っ!!」
「どうでもいいわよ・・・こんなの何が楽しいの?お兄ちゃんが居ないなら私は絶叫しないわよ。」
各々が各々のリアクションをしつつ、ジェットコースターは猛スピードで進むのでした。
最近スナイパー要素無いなぁ




