第7話「証明の道」
世界の意志との対話から、一週間が経った。
災害は、止まっていた。
「今のところ、世界の意志は静観しているようね」
「ああ。俺たちの動きを、見ているんだろう」
「では、証明を始めよう」
「まず、何をする」
「学院の運営を、本格化させる」
「若い世代を育て、世界に貢献できる人材を増やす」
「それが、証明になるの」
「対立がなくても、成長は続くという証明だ」
学院に戻った。
「訓練生たち、集合」
「「「はい!」」」
「今日から、訓練を強化する」
「だが、目的は戦うことだけじゃない」
「人を助けること」
「世界に貢献すること」
「それを、学んでほしい」
「俺たちは、敵を倒すためだけに存在するんじゃない」
「人々を守り、助けるために存在する」
「それを、忘れるな」
「「「はい!」」」
訓練が、始まった。
「今日は、救助訓練だ」
「災害時に、人を助ける方法を学ぶ」
「瓦礫の撤去、負傷者の搬送」
「全て、実践で学ぶ」
「リオン、指導を頼む」
「分かりました」
リオンが、訓練生たちを指導した。
「まず、安全確認」
「自分が怪我をしたら、助けられない」
「それから、声をかける」
「生存者がいるか、確認するんだ」
訓練は、順調に進んだ。
「みんな、上達が早いな」
「やる気があるんです」
「よし」
「この調子で、続けよう」
一方、サラは外交に努めていた。
「各国との連携を、強化しましょう」
「災害対策の、共同体制を」
「いい提案ですね」
「協力しましょう」
「深淵王との戦いで、私たちは協力した」
「その絆を、平和な時代にも活かしましょう」
各国との関係が、強化されていった。
「サラさん、すごいですね」
「私は、できることをしているだけよ」
「外交は、戦いと同じ」
「相手を理解し、共に歩む道を探す」
カイは、人々を癒す活動を始めた。
「僕の加護は、戦うだけじゃない」
「人を癒すこともできる」
被災地を回り、負傷者を治療した。
「ありがとうございます......」
「お役に立てて、よかったです」
「カイさんは、本当に英雄ですね」
「いえ、僕は......」
「英雄ですよ」
「深淵王を倒し、人々を救う」
「それが、英雄でなくて何ですか」
「......ありがとうございます」
三人の活動は、少しずつ実を結んでいった。
「学院の卒業生が、各地で活躍しています」
「救援活動、外交、医療」
「みんな、立派になった」
「俺の教えを、ちゃんと実践している」
「ルーク様のおかげです」
「いや、彼ら自身の力だ」
だが、問題も起きた。
「報告があります」
「何だ」
「一部の国が、軍備を増強しています」
「戦争の準備を、しているようです」
「何だと......」
「なぜ今、戦争を」
「深淵王が倒れた今」
「力の空白が生まれている」
「それを、埋めようとしているようです」
「くそっ......」
「せっかく平和になったのに」
「これは、世界の意志の仕業か」
「いえ、そうではないようです」
「人間の、欲望の問題です」
「人間の欲望......」
「対立は、外からだけでなく」
「内からも、生まれるんだな」
「どうしますか」
「止めに行く」
「戦争を、回避させる」
「できるでしょうか」
「やるしかない」
三人は、軍備増強を進めている国へ向かった。
「ここが......」
「ヴァルデス王国」
「深淵王との戦いでは、中立だった国ね」
「だからこそ、力を蓄えていた」
「王と、話をしよう」
ヴァルデス王に、謁見を求めた。
「ギルバートか」
「深淵王を倒した英雄だな」
「陛下、お話があります」
「軍備増強を、止めていただきたい」
「なぜ、止める必要がある」
「我が国の安全を、守るためだ」
「深淵王は倒れた」
「もう、脅威はありません」
「脅威は、深淵王だけではない」
「他国が、攻めてくるかもしれない」
「攻めてきません」
「俺たちが、そうさせません」
「お前たちが?」
「我々は、連合を組んでいます」
「戦争を起こそうとする国は、連合が止めます」
「......」
「本気か」
「本気です」
「平和を守るために、俺たちは戦います」
「......」
王は、考え込んだ。
「お前の言葉、信じていいのか」
「信じてください」
「俺たちは、嘘をつきません」
「......分かった」
「軍備増強は、中止する」
「だが、約束を守れ」
「我が国の安全を、保障しろ」
「約束します」
戦争は、回避された。
「やったわね」
「ああ。だが、まだ終わりじゃない」
「同じような問題が、他にも起きるかもしれない」
「一つ一つ、解決していくしかない」
証明の道は、長い。
だが、三人は──歩き続けた。
次回予告
証明の道は続く。
だが、世界の意志が動き出す。
最後の試練が──
第8話「世界の意志の審判」
「お前たちの証明、見させてもらった」
「だが、まだ足りない」
最後の審判──




