第6話「試練の始まり」
ルークの決意から、数日が経った。
だが、平穏は長くは続かなかった。
「報告があります」
「何だ」
「各地で、災害が発生しています」
「災害?」
「地震、洪水、嵐」
「同時多発的に」
「世界の意志か......」
「俺たちへの、報復だな」
「どうしますか」
「まず、被災地の救援だ」
「それから、根本的な対策を考える」
三人は、被災地へ向かった。
「ひどいな......」
「村が、壊滅している」
「生存者を、探しましょう」
「ああ。手分けして」
救援活動を行った。
「こっちに、生存者がいます!」
「助けを!」
「大丈夫です」
「今、助けます」
瓦礫の下から、人々を救い出した。
「ありがとうございます......」
「無事でよかった」
だが、被害は甚大だった。
「死者、数百人......」
「こんなことが、各地で......」
「世界の意志は、本気だ」
「俺たちを、屈服させようとしている」
「屈服?」
「対立を受け入れろ、ということだ」
「さもなければ、災害を続けると」
「ひどい......」
「そんなの、脅迫じゃないですか」
「ああ」
「だから、俺は屈しない」
「世界の意志と、対決する」
「そして、俺たちの意志を通す」
「どうやって」
「世界の意志と、直接対話する」
「対話?」
「あの結晶は、砕いた」
「だが、世界の意志は消えていない」
「別の場所に、いるはずだ」
「そこへ行って、話をつける」
「危険よ」
「分かっている」
「だが、このままでは犠牲者が増える」
「行くしかない」
三人は、世界の意志の居場所を探した。
「どこにいるんだ......」
「手がかりは......」
「あの結晶があった場所に、戻ってみましょう」
「何か、分かるかもしれない」
結晶があった場所へ、戻った。
「結晶は、砕けたままだな」
「でも、何か感じる」
「気配が......」
「深い場所から」
地面を調べた。
「ここの下に、空洞がある」
「行けるか」
「行ってみましょう」
地下への入り口を見つけた。
「暗いな......」
「気をつけて進もう」
地下通路を進んでいく。
「長い通路だ......」
「どこまで続いている」
しばらく進むと、広い空間に出た。
「ここは......」
空間の中央に、光る球体があった。
「あれが......」
「世界の意志か」
『来たか......転生者よ......』
球体から、声が響いた。
「話がしたい」
「災害を、止めてくれ」
『災害を止める? 条件がある......』
「何だ」
『お前が、対立を受け入れろ......』
『物語に、敵役が必要だと認めろ......』
「断る」
「俺は、対立を望まない」
『なら、災害は続く......』
『人々は、苦しみ続ける......』
「お前は、何のために存在する」
「世界を苦しめるためか」
『世界を安定させるためだ......』
『物語が進まなければ、世界は停滞する......』
『停滞は、やがて崩壊を招く......』
「物語が進まなくても、俺たちは生きている」
「成長もする。変化もする」
「対立がなくても、世界は動く」
『お前は、分かっていない......』
『だが、いいだろう......』
『証明してみせろ......』
「証明?」
『対立なしで、世界を動かせると......』
『証明してみせろ......』
『できるなら、私は引き下がる......』
『できなければ......お前たちは終わりだ......』
「......分かった」
「証明してやる」
『楽しみにしている......』
球体の光が、弱まった。
「行ったか......」
「ルーク、どうやって証明するの」
「分からない」
「だが、やるしかない」
「俺たちの生き方で、証明する」
「対立がなくても、世界は動くと」
「僕たちは、今まで通り」
「人を助け、育て、守る」
「それが、答えになるはずです」
「カイの言う通りだ」
「俺たちは、俺たちの道を行く」
試練が、始まった。
世界の意志との、最後の戦い。
次回予告
世界の意志への証明が始まる。
三人は、それぞれの役割を果たす。
だが、予想外の障害が──
第7話「証明の道」
「俺たちの生き方で、証明する」
「対立がなくても、世界は動くと」
決意の行動──




